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少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
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第16話「新たな旅路」

テルーナとレオンハルトは、アルフレッドの記憶の図書館を後にし、再び地上へと戻ってきた。彼らの胸には、これまでの旅で得た知恵と、揺るぎない決意が宿っている。


「トゥノワールの中心地……。そこへ辿り着くためには、アリシア王国の主要都市をいくつか通過しなければならない」


レオンハルトは、地図を広げながらテルーナに語りかけた。しかし、王都を逃げ出した彼らの身には、騎士団の追っ手や、マリアの手の者が迫っているはずだ。


「私たちの容姿は、人々の注意を引いてしまいます」


テルーナの言葉に、レオンハルトは頷いた。彼らの銀髪と赤目は、アリシア王国においては「異種族」の証であり、迫害の対象となる。


「故郷の記録に残されていた、変装の呪文を使おう」


レオンハルトはそう言って、テルーナに古代魔法の呪文を教えた。それは、自身の外見を一時的に変えることができる魔法だった。


テルーナが呪文を唱えると、彼女の銀髪はごく一般的な茶色に変わり、瞳の色も優しい青色へと変化した。レオンハルトもまた、同じ呪文を使い、自身の容姿を変える。


「完璧だ。これで、追っ手も私たちを見つけ出すことはできないだろう」


二人は、変装した姿で、最初の目的地である港町・ラニウスへと向かった。 そこは、アリシア王国の交易の中心地であり、あらゆる情報が集まる場所でもある。


「ラニウスで、古代の地へと向かうための船を探す必要がある。だが、同時に、マリアの動きを探ることも重要だ」


レオンハルトはそう言って、テルーナに一つの古いブローチを渡した。 「これは、一族に伝わる魔道具だ。マリアの魔法が近くにあると、光を放つ。このブローチが光ったときは、警戒してほしい」


テルーナは、そのブローチを胸にそっとつけた。それは、レオンハルトとの絆を象徴する、新たな旅の始まりの印だった。


二人の、世界を救うための真の旅が、今、始まる。

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