表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
11/27

第11話「旅の始まり」

アリシア王国の王都を後にしたテルーナとレオンハルトは、人里離れた森の道を進んでいた。王城での激しい出来事が嘘のように、周囲は静けさに包まれている。


「本当に、この道でいいのでしょうか?」


テルーナは不安そうにレオンハルトに尋ねた。彼女の背中の紋様は、マリアの追跡を避けるため、魔法で隠している。レオンハルトは地図を広げ、テルーナに示しながら答えた。


「マリアは、私たちが紋様の力を使って、失われた古代の地へと向かうと知っているはずだ。この道は、王国の主要街道から外れ、追っ手の目を欺くためのものだ」


レオンハルトは、道なき道を躊躇なく進んでいく。彼は剣士としての能力だけでなく、深い森の知識も持っているようだった。テルーナは、そんな彼の背中を見つめ、少しずつ信頼を深めていく。


「あなたは、なぜ私を信じてくれたのですか?」


テルーナの問いに、レオンハルトは少し立ち止まり、振り返った。彼の赤色の瞳が、テルーナをまっすぐに見つめる。


「君の瞳に、俺と同じ光を見たからだ。故郷の真実を求める、純粋な光を。そして、君の背中の紋様が、俺の紋様と共鳴した。それが、嘘偽りない真実の証だ」


レオンハルトの言葉に、テルーナは胸の奥が温かくなるのを感じた。王都で誰からも受け入れられず、孤独に苛まれていたテルーナにとって、レオンハルトの言葉は大きな支えとなった。


二人が森を抜けると、目の前に広がるのは、雄大な山脈だった。その頂上は雲に覆われ、神秘的な雰囲気を醸し出している。


「あの山脈の向こうに、古代の地が隠されている。そこには、私たちの一族が残した、禁忌の力を封印するための手がかりが眠っているはずだ」


レオンハルトはそう言って、山脈のほうを指差した。 テルーナは、希望に満ちた目でその山脈を見つめた。


しかし、そのとき、二人の背後から矢が放たれた。


「待て!逃げるな、銀髪の異種族ども!」


王国の騎士団が、彼らを追ってきていた。その中には、テルーナが王都で見たことのある騎士も含まれていた。


テルーナとレオンハルトは、追っ手から逃れるため、再び森の奥へと走り出した。 二人の、真実を求める旅は、始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ