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お題シリーズ5

怖くなる間違い探し

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私には双子の子供がいた。


 一人は活発で、よく喋る子だ。名前はトオル。


 もう一人は大人しくて、静かな子。名前はシズル。


 けれど、ある時事故で片方を失ってしまった。


 よく喋る双子の上の子のトオルが、いなくなってしまった。


 私は悲しみにくれたけど、のこされた子供と生きていかなければならないから、心を強く持つ事にした。


 けれど、悲しみを乗り越えた私は、今度は恐怖している。


 生き残った下の子のシズル。


 大人しいはずのシズルが、友達と一緒にいる時によく喋って、よく遊んでいた。

 

 その姿はまるでトオルのようだった。


 まさか、と思う。


 本当はシズルが死んでいた?


 トオルがシズルになりかわっているのだとしたら?


 それこそ、そんなまさかだと思た。


 家の中と外で性格が違う事はよくある事。


 親に向ける顔と友達に向ける顔が違う事はよくある事だ。


 だけど、トオルはシズルを羨んでいた。


 トオルは一人で何でもできた。だから手がかからなくてたびたび放置していた。


 その反面シズルは手がかかったから。


 私はずっとシズルにばかりにかまっていた。


 トオルは嫉妬していたのかもしれない。


 それで、入れ替わったとか?


 どうか気のせいであってほしい。


 食べ物の食べる順番とか、服を着るくせとか、喋り方とか、寝る時の寝言とか。


 シズルではない間違い探しをしていくうちに、その恐怖心は膨らんでいった。


 私は今日も帰って来た双子の、トオルかもしれないシズルを見て、最悪の可能性に恐怖していた。



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