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最後の夜

『おーっほっほっほ。駄目でしたわ……』

『ふっ。敗因は金の話しか出来なかった事だな』

『ん~。法子ちゃんはさ、もうちょっと自分に自信を持ってもいいんじゃない?』

『無理ですわ!? わたくしは、極楽院の人間ということ以外はなんの取り柄もない平凡な女。グラップラーのように強いわけでもなければ、プロフェッサーのように頭がいいわけでもない。セイレーンのような学校一の美貌を持っているわけでもないのですわ! 自信を持つなんて……無理ですわよ……』

『また法子ちゃんはそんな事言って』

『ふっ。愚かしいぞミスノーブル。確かに君は愚民だ。ボクの頭脳と比べたらミジンコ並の知能しか持ち合わせてはいないだろう』


 ――管理者権限によりプロフェッサーの発言に5分間の制限がかかりました。


『ふっ。おいセイレーン! ここでミュートされたらボクが嫌な奴みたいになってしまうだろ!?』

『え、なんで発言できるの?』

『ふっ。ボクの手にかかればこの程度のシステム、ファックする事など造作もないよ』

『ふぁ、ファック!?』

『アリちゃん、それ間違ってるから』

『ふっ。わ、わざとだ! かっこいいからこれでいいんだ!』

『そういうレベルの誤用ではないと思うのですけど……』

『ふっ。なんでもいい! とにかくボクがいいたいのは、ミスノーブルは我々天吹君見守り同盟に加わるだけの価値がある人間だという事だ。この天才が言うのだから間違いない』

『そうだよ。ムードメーカーの法子ちゃんがいなかったら、こんな集まりとっくにバラバラになってたと思うし』

『二人の言う通りだって! てかミスノーブルは普通に可愛いだろ? ノリも良いし友達思いだしさ! もっと自信持てって!』

『み、皆さん……(涙)』

『それは真顔と見せかけて本当に泣いてる奴でしょ』

『う、うっせぇですわ!』

『ふっ。というかグラップラー、久しぶりじゃないか。どうして黙っていたんだね』

『いや~、姐御の下僕になっちゃったし、裏切り者っぽくて気まずいなと……。へへっ』

『ふっ。仕方あるまい。ボク達は皆心から天吹君に惚れている。彼と一緒にいられるのなら、悪魔にだって魂を売るさ』

『わ、わたくしはまだ負けを認めたわけではありませんわ! あんな女の子分になるなんて、絶対にごめんあそばせです!』

『ふっ。もちろんボクもそうだ。いざとなれば学校一の美少女であるセイレーンがどうにかするだろう。そう予想して、それまであの女を利用して天吹君と甘い時間を過ごしているに過ぎない』

『お、オレだって姐御の下についたふりして、リベンジの機会を伺ってるだけだし!』

『そ、それならわたくしも……』

『法子ちゃん?』

『う、嘘ですわ! わたくしはちゃんと淑女協定を守りますわよ! 真のお嬢様は嘘などつきません!』

『じゃあ、次はついにセイレーンの番か。オレが言うのもなんだけど、姐御はマジで強いぜ』

『ふっ。うむ。腕力に特化しすぎてボクの知力では歯が立たない。君だけが頼りだ』

『セイレーン! わたくしの仇を討ってくださいまし!』

『んー。まぁ、あんまり期待されても困るけど。やるだけやってみるよ』


 †


「……あーあ。こうなっちゃったら仕方ない。全部終わりにしよう。恨まないでね天吹君。悪いのは、彼女を作った君なんだから」

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