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496・カカロ村の使命

「リズ リコ、ランク昇格の手続きは明日だ。今日はゆっくり休んでいろ」

カカロ村に着いた翌日の朝、父のジムに言われる。


「わかりました。それでお父さんも今日の予定はないんでしょ」

「いいや、どうも今日か明日当たり魔獣がガンズの森からあふれ出しそうなんだ」


「おかしいのです、溢れないよう間引きしているはずなのです」

「そうなんだが、一年前から封印のドラゴンから漏れ出す魔力が増えたみたいなんだ。それで魔獣の繁殖力が上がってな、溢れてきたんだ」


「おいおい、何か怖そうな話をしているが、どう言うことだ」

「バラトは知らないのですか、カカロ村は魔獣退治の村なのです」


「ねえリコ、その説明でもいいけど端折りすぎよ。でもバラトさんほどの人がカカロ村のこと知らないってどしてかしら」

「なあリズ、俺も詳しくは知らないぞ」

ビルも知らないようだ。


どうやらカカロ村がどうしてできたのか、冒険者では常識だが他の人には知れわたっていないようだった。


仕方ないので私が説明する。


「まずは、ガンズの森に封印されいるドラゴンのことは知っていますね」

「ああ、五百年前に大魔女ターニアによって封印されたドラゴンの事だろ」

「私もターニア伝説は読んでいるから知っている」


「ビルさん、バラト。ちょっと違うのです。ターニア一人ではないのです。沢山の人の強力と応援が有ってやっと封印したのです」

「うんリコそうだね。まあその所は端折りましょ。それで封印のドラゴンから魔力が漏れ出して、その魔力の影響をガンズの森の魔獣が受けているの」


「それで影響を受けるとどうなるんだ」

「まず、繁殖力が上がります。魔獣は他の獣より強くて長生きする分、繁殖力が弱いのです、それで森から出てくる魔獣が少ないんです」


「ガンズの森は違うのです、魔兎みたいに魔力の力を繁殖に使うのです、その上でも強いのです」

「そうリコが行ったみたいに、繁殖力が強くなれば増えてしまいます。増えればテリトリー争いも過激なります。その結果、ガンズの森の魔獣は好戦的です」


「そうするとなんだ、ガンズの森の魔獣は増えて増えてしょうがなく、強くて好戦的だと言うことか」

「そうですよビル。その魔獣を狩るために出来たのがカカロ村です。だから王都にある本部の直轄なんです」


本来は封印のドラゴンの監視の為の小さな小屋が有るだけだったが、魔獣が増えていることに気づいてからは冒険者を集め、魔獣対策の村になったことも説明した。


「そうなのです、此処のギルド長は本部長と同じ権限が有るのです。名前はカカロ村冒険者ギルドですが本部よりすごい所なんです」

「そうか、それでリコもリズさんもカカロ村のランクにこだわるんだな」


「そうなのです。カカロ村のランクCと名乗るるのはかっこいいのです」

「それも有るけど、始めて冒険者登録をしたのが此処ってことも有ります」


「はははは、あの時は七歳で無理やりリズとリコを冒険者にするのに、此処のギルド長の特権を使うためだったけどな」

父のジムが恥ずかしそうに話す。


そう、八歳で見習いなのに七歳で見習いに、八歳ではランクEに十歳でランクDに卒園して一年でランクCに成れたのもがカロ村のギルド長の力だ。

まあ当然、私とリコの実力があったからだけどね


「それが出来たのも、ジムが当時のギルド長と仲が良かったからでしょ」

「それだけのじゃあ無理だったな。やはり親父や兄貴のおかげもだな」

「そうなのです、トレイシーの名前はだてじゃないのです」


「そっか、リズがカカロ村のランクCリズ:トレイシーって名乗っていたのはかっこを付ける為じゃないかったんだ。」

「うん、ビル。そう思っていたの。たいていの冒険者はこういうとビビるのよ」


「違うのです、ビビったのはリズ姉の目つきが怖いのです」

「違うでしょ、リコもリコ:トレイシーって名乗るとみんな怖がっていますよ」

「それは濡れ切れなのです。リコって聞くと必ず『白い魔王』と言うのです。白い魔王が怖いだけなのです」


「なあリコ、ついでに聞きたいのだが、リコの髪の毛はブラウンだろ、確かに肌は白いが白い魔王とは違う気がするのだが」

「バラトは、本気でリコが魔力を使うところを見ていないのです。髪はバレッサ特製の髪染めと魔力でブラウンにしているのです。強力な魔力を使うと髪染めを吹き飛ばし真っ白になるのです。さすがに目が赤くなるのは止められるようになっているのです」


「そ、そうか。確かに透き通る白い肌で真っ白な髪に真っ赤な目では魔王に見えるかもしれないな」

「大丈夫ですよバラトさん、リコがそんな状態になることは、もうないと思いますから」


「ああ、そうだといいな」


「カカロ村の説明はそれくらいでいいだろ。それで俺はガンズの森の様子を見に行くことにした。くれぐれもお前たちは村でゆっくりしているんだぞ、決して森に入るな、入るなよ」

「わかりました」

「わかったのです」


それって、入れって言っているのかな。


まあしょうがない、何もない村だが今日はリコと一緒にビルとバラトさんを連れて回ることにした。

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