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3・寮に王女がやってきました

私は夏休み中だというのに毎日学園に通っている。


「リズさん、いってらっしゃい。暑いけど頑張ってください」

アグに励まされて屋敷を出た。


「それでは朝の会議を始めましょうね」

職員室で学園長が今日の予定を発表する。


「今日から新入生が寮に入ってきます。

寮の準備は大丈夫ですね、タミ先生」

「はい、準備万端です」

薬学科のタミ先生は寮の準備もやらされていたのだ。


「では、注意事項です。

一番重要なのは、今日ヘレン王女が来ることです。

王都の生徒は、入園式の前日に寮に入ることが多いのですが、ヘレン王女は、居てもたってもいられなくて、一番に寮に入りたいそうです」


「はい、荷物はすでに運び込まれています、何時でも大丈夫です」

タミ先生だ


「あのー、学園長、門に馬車がついているようですが、あれって王家の馬車みたいですよ」

窓際にいた先生が学園長に伝えると。


「リコ先生、エマ先生、すぐに行きなさい」

学園長の命令でリコとエマが学園の門に向かった。

リコとエマは魔法科の教師だ。


「リコたち大変そう、ねえドナ、薬学科でよかったわね」

「私はどちらでもよかったですわ、王女と仲良く出来ればと考えていますの」

きっと商売に生かしたいんだな。


 ヘレンの突然の登園に朝礼は打ち切られてしまった。


門に着いたリコは。


「ようこそなのです。今から寮に案内するのです」

馬車の御者に声をかけると。


「ヤッホーリコ、久しぶりね、ナルだよ」

馬車の窓が開けられナルが顔を出した。


「ナル、久しぶりにみんなに会えるからって、少しはしゃぎすぎだぞ」

馬車の中からアニスの声がする。

「えー、アニスは準備で毎日学園でリコやリズたちに会ってたんでしょ、私もい会いたかったんだから」


リコは二人の会話を無視し、馬車を寮の前まで案内していった。


「ここが寮なのです。部屋まで案内するのです」


寮に入る。

玄関の隣は管理室になっており、管理の事務員がいる。

「リコが案内するのです。此処にいていいのです」

リコが事務員に自分が案内することを告げる。


ヘレンは馬車から降り、寮の玄関に入る。


「ここで上履きに履き替えるのね。ナルに聞いてるから全部知ってるんだ」

「そうなのです。全部知っているのならリコは楽なのです。では部屋に行くのです」

「リコ、ナルの話で知っているだけだぞ、あてになるか。きちんと説明しろ」

リコの後ろをついてきたエマだった。


「此処がヘレンの部屋なのです」

「おっ この部屋ってリズたちがいた部屋だな。新しい寮も出来たのに何で古い部屋にしたんだ」

当然新しい寮に入ると思っていたエマだ。


「私がお願いしたの。だって三年間ナルとアニスが暮らしたんでしょ。住んでみたいと思うの当たり前だと思うの」

「ナルから聞いていたのです。この部屋のセキュリティはお城以上にしたのです」

リコがドアを開け部屋に入る。


「ベッドが四つあるな。他に三人来るのか」

「一人なのです。メシール国の生徒は嫌がってのです。アサラの生徒は身元確認が不十分なのです」

アサラには条件を提示して、向こうで生徒を選んでもらったのだ。


「じゃ、誰が入るんだ」

「ロベルトのニアなのです。ソニアの教え子なのです。リコも会っているのです。とってもいい子なのです」


「リコ先生、その子はいつ来るの。早く会いたいな」

「今日中には来るのです。リコも早くニアに会いたいのです」

「そうかわかったわかった。それでベッドが二つ余るのはなんでだ」

「ナルとアニスが交代で泊まるのです。それが王家が許可した条件なのです」

「あと一つは」

「片付けるのが面倒だったのです。しまうところが無いのです」


すでに荷物は届けられ部屋の中は片付けられていた。


「リコ、あとは私たちでやるから」

舎監用の寮に荷物を置いてきたナルとアニスがへやにやってきた。


「ではお願いするのです。留学生の案内も頼まれているのです」


リコとエマは職員室に戻っていった。

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