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296・私とリコの幼女時代

「おいしいのです。ケーキをお替りするのです」

王都のバレッサスイーツで私とビル、リコとバラトの四人でのダブルデート中だ

リコがケーキをお替りにしたので、もうしばらく此処にいることになった。


「私はお茶のお代わりをもらおうかな」

バラトもお代わりを頼む。


「ビルは何か頼みますか」

「いやリズ、私はいつでも食べられるから遠慮しておく」


「そうなのです、バレッサの社員は試作品を食べることが出来るのです。ずるいのです」

「リコ君、私はそんなに食べていないぞ、男性の意見も聞きたいと言うから食べているんだ」


「ビル、結局食べているんでしょ」

「ああ・・・、食べているな」

私はリコほどスイーツには興味が無い、だから悔しくなんかないからね、多分」


「なあリズ君、リコは昔からこんなにケーキが好きだったのか」

バラトが聞いてきた。


「そうですね、ロズ村ではテーラさんがお菓子を作ってくれました。

お母さんのマリサもテーラさんのお菓子が大好きで、私たち家族がロズ村に住んだきっかけのひとつです」


「おいしかったのです。でも毎日は食べられなかったのです」

「そうね、でもロズ村からカカロ村に行ったらバイラお婆様がお菓子を作ってくれてアニーも一緒で四人で毎日のようにお茶会をしたじゃない」


「そうなのです、リコは思い起こせば小さい時からお菓子を食べていたのです」


「しかし、ロズ村でよくお菓子が作れたな、砂糖が手に入らないだろう」

バラトは不思議そうだった。


「ロズ村ではサトウキビの栽培をしていましたから、それに狭いですが海も有ったので塩も自給してましたね」

「そうか、ロズ村の情報は少ないからな。だからリコが七歳の魔力検査から逃げ出しても問題にならなかったんだな」


「あれは用心の為なのです。リコとリズ姉は生まれた時から自分のことを認識したのです。だからリコは生まれた時から魔力と魔法の知識がいっぱいあったのです。

魔力を体外に出さないことも出来たのです。検査機は反応しなかったはずなのです」


「そうなのバラトさん。今は髪を染めていますが、真っ白な髪はちょっと目立ちますからね」

魔力検査より、王都より検査員が来てリコのことをあれこれ聞かれたくなかったのだ。

何といってもリコはジムに森で拾われていたからだ。


「ちょっと聞きたいのだが、生まれた時から自分を認識したと言うのは自我が有ったと言うことか」

バラトは初めて聞いたようだ。


「それは、私とリコの知識が多かったためだと思っています」

リコに変わって私が説明する。


「知っていると思いますがリコはターニアが一生かけて覚えた魔力と魔法の知識を持っています。私は異世界の看護師と格闘家の知識ですが、これも一生かからないと覚えられない量の知識です。

この知識はちゃんと時系列があって、知識を得た順番がわかっています」


「そうなのです、順番がわからないと理解できないのです」

「その時系列を持った知識によって、生まれた時から自我が芽生えたと考えています」


「なるほど、少しくらいの知識では駄目ということだな」

「そうです、それと私とリコが一緒に育ったのもよかったと思っています。

一人だと知識に飲まれて自我が崩壊したかもしれません」


「そうなのです、リコはこの世界の知識なのでマリサやジムの行っていることがわかったのです。

リズ姉は生まれてから覚えたのです。でもなぜか一緒に寝ているとリズ姉の思っていることを感じたのです」

「私もなの。リコが隣にいると、わからないことを教えてくれる気がしたの」


「それはリコの魔力が関係しているのかな」

バラトが興味深そうに聞いてきた。


「それと、私のマナの能力も関係したと思います」

「そうだリズは動物や植物のマナの性質や力を感じ取れたんだな」

ビルには私のマナのことは話してある。


私とリコはいつも一緒だった。

リコもおかげもあり、二つの時にはこの世界の言葉を理解し話すことが出来た。

マナに関しては生まれてすぐに感じることができマナの訓練を始めることが出来た。

それを見たリコも一緒にマナの訓練を始めたおかげで魔力持ちでありながら、マナの操作も覚えることが出来た。

二人とも三歳の時には身体強化を覚え、ジムから剣と冒険者の訓練を受けていた。

そして、マリサからは細かなマナ操作を教わった。ついでに素手の格闘技を私がリコに教えてもいた。


幼いころの話をすると、

「リズは、わんぱく少年みたいだな」

ビルが言うが。


「そんなことはありません、カカロ村ではお婆様からお料理や裁縫も教わっています」

「そうなのです、アニーを入れて三人で花嫁修行をしていたのです」

まあ、花嫁ではないが、家事の一通りは出来る。


「ははは、ビルはまだまだだな、私はリコが素晴らしさは気づいたぞ。それだからこそ両親も賛成してくれたのだからな」

バラトは鼻高々だった。


さすがにリコも二度目もケーキのお代わりをしなかったので、バレッサスイーツを出ることにした。

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