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291・魔獣の大蜥蜴

二日目の探査もお昼前のお茶の時刻になる。


「リコ、少し休憩しましょ」

私が鞄から水筒を出そうとすると。


「リズ姉、動かないのです。向こうの岩の先に大蜥蜴がいるのです。

この森の魔熊とにらみ合っているのです」


「わかったリコ、アグ行きましょ」

私たちは野営の荷物を一か所にまとめると大蜥蜴に向かった。


「まずは大蜥蜴と魔熊の戦いを止めるのです」

リコが片手剣からマギボールを放ち、大蜥蜴と魔熊に当てる。


「あたしが魔熊の気を引くね」

そう言って、アグはシャンとマグマに向かう。


アグだけでは無理だが、シャンと協力して魔熊を牽制して大蜥蜴から引き離した。


私とリコは大蜥蜴に向かう。


「見た目と違いすばしっこいのです」

さっきは魔熊とにらみ合っていたので、簡単にマギボールを当てることが出来たが、今度は狙いが定まらない。


「リコ、同じ手には二度と食らわないって顔してるわよ」


「リズ姉はすごいのです、蜥蜴の顔が読めるのです」

ってリコ、読めるわけないじゃん。


「そうじゃないけど、まあいいわ、私が相手しにいくわ」


「リズ姉、マギカッターは駄目なのです。革を痛めるのです」

「わかっている、リコもマギボールだけにして」

革を最小限の傷にするには、心臓を一突きか首を一振りで落とすことになる。


魔熊なら二本足で立ち上がった時に懐に飛び込んで脇差の一突きで倒しているが。


「リズ姉、マギボールでは起き上がらせることが出来ないのです。心臓一突きは無理そうなのです。首を落とすのです」


「わかった」

リコがマギボールを連打して気を引く。


大蜥蜴の顔がリコの方を向いた時、私は身体強化の最大速度で一気に大蜥蜴の脇に近寄り。


スパーン


超振動ブレードを発動した太刀で首を切り落とした。当然体に傷はつけていない。


「お見事なのです」

リコに褒められた。


「おーいリズさん、もう終わったの」

「ええ、アグ、魔熊はどういたしました」


「ああ、シャンに追われて森に逃げていったよ」

「そう、それじゃあ大蜥蜴の血抜きをするから手伝ってね」


三人で大蜥蜴を太い木の下まで運び、尻尾に綱を結び木の枝からぶら下げる。


「アグ、血を抜いている間に、キャリアカーを組み立ててね」

大蜥蜴を必ず仕留めるつもりで来ているので、持ち帰りの為のキャリアカーを用意してきた。


「はいよ。それと、大蜥蜴が魔熊のテリトリーを荒らしていたってことでいいんだね」


「そうなのです。ランクCの冒険者が三人で大蜥蜴が魔熊のテリトリーを荒らし回っていた証言すれば、不当な狩りにならないのです」


「あー、それってギルドの規定にあったよね。それであたしを連れてきたんだ」

「アグ、でも大蜥蜴は、もともとこの山にいたわけではないでしょ。だから狩ることは山を守る意味で正しいと思うの」


「そうなのです。出来れば大蜥蜴全てを倒すのです」

「でもリコさん、見回しても他にいそうにないけど、そんなにいるの」


「いなそうなのです。魔獣の大蜥蜴は希少動物なのかもしれないのです」

「そうねリコ、やっつけるのは目撃情報が有ってからにしましょ」



今回の依頼は一匹で十分なので他の大蜥蜴を探さなくてもよかったので、狩りはこれで終わりとなった。


「ねえアグ、ここで指名依頼していいかしら」

「いいけど」

突然の話にアグが驚いているが。


「ほら、魔獣の大蜥蜴がいるって、他の人は知らないでしょ。だから王都に帰ったらすぐにバレッサで荷馬車を借りてキグナスの革職人のところに運んで欲しいの」


「そう言うことか、わかったよ、このままバレッサに寄ってキグナスに行ってくるね」


魔大蜥蜴はアグによって無事にキグナスの革職人のところの届けられたが、職人は革だけでが届くと思っており。


「おお、こりゃ大変だ、頭と肉の処理を誰かに頼まないとな」

革職人は血抜きされ氷で冷やされた大蜥蜴を見て驚いてしまった。


「それは支部長のディックさんにお願いしてくる、魔大蜥蜴の事はあまり人に知られたくないんだ」

アグはギルドに行ってディックに頼んだそうだ。

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