241・お披露目会の名簿がすごいです
母の計画するお披露目会の日取りが決まった。
母のマリサが学園生時代に知り合った友達なので、王都とドーツナに住む人だけなので、開催日は簡単に消えることが出来た。
「困ったわねリズ、お友達だけのはずが他にも参加したい人が沢山いるの」
マリサが頭を悩ませていた。
「リズさん。リズさんとリコさんが学園に行っているあいだ、マリサさんずっと悩んでいたよ」
「そうなの、ワタル君の面倒は私がしたの」
ワタルをビーナに預けてまで悩むとはどうしたことだろう。
「私じゃわからないけど、一応参加したい人の名簿を見せてくれるかな」
「はい、こっちがファンクラブの名簿。
そしてこっちが、それ以外の人」
私とリコで名簿を見る。
まずファンクラブだ。
「確かにすごいのです。
この人もあの人も王都に本店を構えるお店の社長さんなのです。
それに、ドーツナもすごいのです。裏表どちらの有力者もいるのです」
なぜかリコの知っている人が多くいる。
「リコ、よく知ってますね」
「当たり前なのです、リズ姉より一年早く教師をしているのです。
学園をよくするために、王都やドーツナを駆け巡って挨拶しまくったのです。
その分、リズ姉は楽をしたのです」
「そうよ、リズ。今回友達に会ったら、みんな『ああ、あの時の教師が娘のリコか』って感心してました。
それもあって、白い悪魔の噂もすぐに冗談だとわかったそうです」
うっ、何か何時もリコに負けている気がする。
「わっ、わかりました。
それでこちらの名簿がファンクラブ以外ですね」
私とリコは名簿を見る。
うーんファンクラブは平民ばかりだったが、こちらには貴族や騎士の名前がずらっと並んでいる。
「リズ姉、この名前、王様がお忍びの時に使っているのです」
「よくわかりすねリコ、私もファンクラブの人に教わりました」
「えへへなのです。リコは何でも知っているのです」
リコがマリサに褒められて照れた。
「それから、ローズ学園の学園長もいますし、冒険者ギルドの王都本部のギルド長もいますね。
後は、肩書に商業ギルド王都本部長も有ります。
あと、ナルとアニスの名前もありますが、何にも言ってなかったですよ」
「それは、リズとリコの味方が多い方が良いと思って加えておきました」
「お母様、それでは敵が多いと言うことなのです。お披露目会が戦場になるのです」
「リコ、戦いにはなりません。そうね、フォロー役って感じかな。
ナルとアニスは貴族や騎士に顔が知れていますからね」
「それで、お母さん、これみんな呼ぶの」
「うーん、そこが悩みなんです。
何といってもドーツナの裏の顔で有名な人もいますから、王様と一緒もおかしいですよね。
会場をわけるのも難しいし、取りあえず明日、ファンクラブ隊長に所に行って相談してみます。
隊長っていうのね。
隊長は王都商業組合の会長でもあった。
何でもバレッサ製薬商会よりも大きな会社の社長らしい。
ちなみに副会長はドーツナの広場で焼きそば屋の屋台を出しているおっちゃんだった。
そして招待状を出す人が決まった。
「ファンクラブの会員は全員でしょ。
それ以外は三分の一に絞りました。
当然王様は却下です。何かあったら物理的に首が飛びます」
王族は王様もヘレンの双子の兄も断ったが先代の王は来るようだ。
「前の王様は久しぶりなのです。ロベルトから帰ってきたときが最後なのです」
ロベルトへはメシール王国国王の親書を持って行った。
親書を受け取ったもの帰って来ての報告もこの屋敷だったな。
そして、名簿の中にリコを誘う魔法省の人の名前もある。
それもかなりお金持ちの貴族の欄に書いてあった。
お披露目会の日取りは半月先になので、さっそく招待状を出す
招待状より、お断りの手紙の方が多いのが後で問題にならないか心配だった。
「それではリズリコ、しばらく王都にいますのでよろしく」
しばらくはマリサとワタルと暮らすことになった。




