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2・ヘレン:メシール

ヘレン:メシール

メシール王国、第一王子の娘だ。要するに現王の孫になる。

ナルは現王の弟の娘であり、ヘレンは従兄の娘だ。

ヘレンは双子の兄がいる。


リズたちとの旅が終わった後、ナルはアニスとともにヘレンの世話係兼護衛になった。

世話係に着いた時はヘレンは8歳だった。そして10歳になると学園に入園することが決まった。


「アニス、今日も学園に準備のために来たのね」

入園式まであとひと月もない、毎日学園に来ている。


「ああ、リズも毎日来ているんだな。ナルも一緒に来たがっているが、ヘレンから離れることが出来なくて、悔しがっているぞ」

「そうなんだ。でも、入園一週間前になれば寮に入れますから、そうすれば毎日会えますね」

「その為に準備に来ているのだからな、私もソニアの護衛と冒険家の指導員として寮に入るが、頼まれたセキュリティの構築がなかなか進まなくて困っているのだ」


「でも、リコの話では『学園の校舎も寮もバッチリとセキュリティの魔法陣を組み込んだのです。怪しいものは入ってこれないのです』って自慢していたけど」

「わかっている。一緒に旅した私はリコの防犯魔法のすごさは知っている。だが王家は今までやり方で完全なセキュリティシステムを作れと言って来たんだ」


「それなのに、アニス任せで騎士団や警備団からは人を送ってこないんでしょ。適当に報告書を送って『セキュリティ構築終わりました』でいいんじゃないの」

「それもそうだな、そうしよう」

学園には今までのやり方の前例がないのだ、アニスが出来ましたと言えばできたことになるはずだ。


騎士団や警備団に頼らなくても、学園には私のほかにリコとエマもいる。トレイシーとマグナントの名がついたランクDの冒険者だ。

アニスは騎士の娘でもあり、ランクDの冒険者だ。

ハリス ロメルも名付きではないがランクDの冒険者である。


世話係のナルも攻撃魔法の名手だ。たぶん授業中も一緒にいるだろう。

シリルも冒険者ではないが、たぶん私と同じくらいの戦闘力はあるはずだ。

ナタリーとソニアも普通の冒険者並みに剣が使える。


「アニス、リコの防犯魔法と私達だけ護衛は十分でしょ。それにしてもなんでヘレン王女は学園に来ることになったの」

「それはな、ヘレンにリズたちとの学園生活の話をしたからなんだ。

私とナルに城の外の話をしろとせがまれてな、学園の事や旅の話をしていたんだが、そうしたら私も楽しい学園生活をしたいって、一年位前から、私も学園に行くって言いだしたんだ」


「それにしても、よく王家が許可を出しましたね」

「ヘレンの双子の兄が王都第一学校に行くのだから、私はローズ学園に行ってもいいはずよ。同じ国営でしょ、ってまあ屁理屈だが、何故か希望が通ってしまったのだ。

ちゃんと試験は受けたぞ。魔力があるから、魔法科に入園する」


「決まってしまったことですからね。でも、私たちよりもほかの生徒が戸惑うんじゃないかな」

「それはそうかもしれないが、問題が出たら出た時に考えることにしている」


「それで寮はどうするの、王家用の部屋なんかないでしょ」

「私たちが入った四人部屋だろうな。確かドナはシリルと二人で入ったらしいが、一人ということはできないだろう」


「一緒に生徒が大変そうね。当然アニスとナルは世話係なのだから寮に泊まるんでしょ」

「ああ、私とアニス、それとロベルトとアスラから来る付き添いもそのまま寮に泊まるんだ。そのために学生寮の隣に舎監用の寮が作られたんだ」


「舎監用の寮からたまにはうちの屋敷に遊びに来ることはできないのかな」

私はアニスやナルに屋敷に遊びに来てほしかった。


「しばらくは無理だろう。ナルも屋敷に行きたがっているが、ヘレンの安全が確認出来てからだろうな」

アニスは今は駄目だという。休みの前の日に王女も連れて一緒に泊まりにくればいいのかな。あとで聞いてみよう。


そして新学期の準備はその後も続けられた。

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