199・妬みの一族は無力化されてました
途中小さなことが有ったが、夕食が冷めないうちに屋敷に帰ることが出来た。
「ただいま、遅くなってごめんね。
学園の仕事が長引いたの」
「ただいまなのです」
「お帰りなさい。
リズさん、リコさん、夕食の準備終わってますよ」
アグが迎えてくれた。
私たちは食堂に入ると。
「お帰りなの。冷めなくてよかったの」
ビーナが待っていた。
席に座り。
「いただきます」
食事を始める。
「アグ、ネモは上達している。」
「うん、魔力操作だいぶうまくなったよ」
「そう、それと、冒険者ギルドの依頼は受けているの」
「やってるよ。リズさんに言われたとおり、ランクに合わせた依頼を受けてる」
「ビーナも活躍しているの。ネモと競争なの」
やはりランクFの依頼では面白くないようで、早くランクアップしたいらしい。
「リズ姉、アグにもさっきの話をするのです」
「さっきの話って、帰り道のこと」
「そうなのです。ネモはこの屋敷に通っているのです。
アグやビーナも知っておくほうが良いのです」
「そうね。
アグ、実は帰り道男の人に声をかけられて『ネモから離れろ』って。
多分ネモのお父さんだと思うのだけど、それだけ言った去って行っちゃたの」
「前に襲ってきた闇の軍団の男なのです。
アグも気を付けるのです」
「うん、わかった。でも何で声をかけてきたのかな」
「それは、これから何かしらの行動を始めるからじゃないかな。
娘を巻き込みたくないからでしょうね」
「リズ姉、何とは何なのです。
ゴランドの森の警備は完ぺきなのです。
闇の軍団は少人数の組織のようなのです。
ゴランドの森を取り戻すのは無理なのです」
ゴランドの森の入り口には砦のような門を作ってある。
森の周りは険しい山で囲まれているので、まずは入り口である隧道を奪わないといけない。
そこにはマギコーティングの剣に対応できる警備員を配備しているので、闇の軍団が手を出すことは出来ないはず。
「ゴランドの森を奪うのは確かに無理でしょうね。そうすると今まで通り、相手が動き出すのを待つしかないですね。
出来れば何もしてきてほしくないな」
「そうなのです。何かしてきたら戦うしかなくなるのです。
何かしてきた妬みの一族は潰されてしまったのです」
「リコ、妬みの一族はまだ潰れていないんじゃなかったっけ」
「レイラに聞いたのです。全員に魅了の魔力対策のバンドを頭に付け終わったのです。
これで、妬みの一族は、ただの口の上手い人に成り下がったのです」
妬みの一族には魔力を使うと頭を締め付けるバンドを付け終わったみたいだ。
これで私たちの敵は闇の軍団だけになった。
「リズさん、あたしの方からネモに、お父さんから何か連絡が無かった聞いておくね」
「ネモのお父さん、帰ってくるの良いの。
ネモも一緒がいいと思っているの」
「そういえば、ビーナも両親と一緒に暮らしたいのかな」
「ビーナは両親とはたまに会えるの。暮らすにはこの屋敷のほうが楽しいの」
「ビーナは両親に会っていたの」
「それは教えられないの。レイラの組織の人は色んな所にいたりするの」
レイラの組織、本当に解散したのだろうか。




