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175・アグがリーダーです

「アグさんよろしくお願いします」

ロズ村に旅たつ私たちを見送ったネモが、アグに挨拶をしている。


「うん、よろしくネモ。ちょっと変だけど今回はあたし達と遊ぶのがネモの仕事だよ。

もちろんビーナも一緒だ。

ところで、ネモは友達といつもは何をして遊んでいるの」

アグにはネモの監視を頼んでいる。

友達になれば、私に話してくれないこともアグなら話してもらえると期待していた。


「アグさん、私は魔王になるために生きています。その辺の子供と遊んだりはしていません」

「ネモさん、ビーナも一緒なの。この前まで秘密のお仕事をしていたの。友達作れなかったの。

でも今はアグさんがいるの。お友達になってくれたの。だからネモさんもビーナと友達になるの」

ビーナは確か十四歳かな。ネモは十一歳だという。

平民はこの歳で働いているが、まだ大人と言うには若い、まだまだ遊びたい年頃である。


「あたしもネモと友達でいいかな」

アグがネモに聞くと


「アグとビーナ。友達に認めてやる。それからシャンに紹介しろ」

ネモはシャンに運ばれている。その時のモフモフが忘れられなかった。


「紹介するのは良いがネモ、その上から目線の話し方はやめた方がいいと思うよ」

「ビーナもそう思うの。お友達同士の話し方じゃないの」

「うー、わかった。しかし私が魔王になったらお前らは僕だからな」


「ネモ、本当に魔王になったら考えてもいいけど、それまでは友達らしい話し方でな」

ネモが魔王になることは無いとアグは信じている。


「そうれじゃあ自己紹介からだ。

あたしはアグ、アサラ共和国のプリズム国、そこにあるスーザン町の生まれ、

親は畑をやっている。兄と姉がいて一番下。

今は、この屋敷に住んで、ビーナやバレッサの使用人と一緒に屋敷の管理や食事を作っている。

たまに、ローズ学園のことや、冒険者ギルドの依頼をやってます。

ギルドのランクはDのままだけどね」

まずはアグはネモに自分のことを話した。


「私はビーナ。この前まで秘密のお仕事をしていたの。

秘密なので教えることは出来ないの。

バレッサの社員として、この屋敷の使用人として働いているの。

親のことは秘密なの。今のお姉さんはレイラなの」

ビーナの自己しょうかは他ではやらせないほうがよさそうだった。


「私、ネモ。生まれも育ちもドーツナ。

お母さんは、ドーツナのお店で働いている。

お父さんは出かけている。以上」

まあ、十一歳の子だ、自己紹介もこんものだろう。


「では、リズさんより軍資金を預かっています。取りあえずドーツナのおいしい店に行きましょう。

ネモは何処かおいしいお店知っているかな」

アグが聞くと

「行きたい店ならある」

「そうじゃあそこに行きましょ」

「ビーナも楽しみ」


アグはネモとビーナとシャンを連れた王都からドーツナの繁華街に向かった。


「ねも、お店の名前は何というのかな」

「バレッサスイーツ、この前は緊張して味がわからなかった」

「バレッサスイーツね、この前は初めてだったんだ」

ネモをビルと合わせるためにバレッサスイーツを利用していたが、ネモはその時初めて入ったという。


「ああ、あそこは高い」

「ビーナは王都のバレッサスイーツなら行っているの、社員割引がきくの」

「ネモ、バレッサから商業者カードをもらってるでしょ。あれがあればバレッサのお店なら割引してくれるよ」

「それでも高い。私の家ではおやつは食べられなかった。

だから魔王になって、バレッサスイーツのすべてを食べてやるんだ」

目標の低い魔王だなとアグは思いながら、


「じゃあ、毎日通ってバレッサスイーツを制覇すれば魔王になる必要が無くなるね」

アグが言うと。

「バレッサスイーツだけじゃない。食べたいものはもっとある」

「ビーナも協力するの。ビーナも世界中のおいしいものを食べるの」

「あれ、ビーナは前の仕事でおいしいものを食べていたんじゃないの」

「おいしいものが食べれたは数回なの。普段はおいしくなかったの」

どうやら影武者にはごちそうはなかったようである。


その日は昼前のお茶の時間にバレッサスイーツでスイーツを堪能してきた。

昼はバレッサの屋敷に帰り自部たちで昼の食事の用意をする。


「ネモ、昼から屋敷から出られ無いけど、何がしたいかな」

「じゃあ、シャンと遊ぶ」

シャンのモフモフを堪能したいのかと思ったら。


身体強化をしてシャンと鬼ごっこをしていた。


「ビーナも参加するの」

ビーナは魔力による身体強化だ。


「おーい、屋敷を壊すなよ」

アグが注意する。

屋敷に来ているバレッサの使用人が、あまりの速い鬼ごっこを心配そうに眺めていた。

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