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145・新しい商品の開発を頼まれます

クレームのお客からバレッサ製薬商会の王都支店に帰ってきた。


「リズさん。昼の食事はどうしますか」

「えっと、まだ決めていませんけど」

「それなら好きなところを言ってください。おごりますよ」


ビルがおごってくれるので、最近王都に出来た新しい食堂をリクエストした。


「ビルさん、今度王都に、お魚料理のお店が新しくできたそうです。そこに行きませんか」

「ええ、私も興味がありますね。何でも塩付けや干物でない魚料理らしいですよ」

ビルも新しいお店を知っていた。


お店に入りメニューを見ると

「煮魚や焼き魚ですね。あとムニエルですか、お刺身はなさそうですね」

「リズさん、お刺身とは何ですか」

そうだった。此処では生で魚を食べなかった。


「えっと。ボーデン領にある港町リンマで食べたことがあります。

生魚を切り身にしたものですね」

「王都でも、新鮮な魚が手に入るようになりましたが、さすがに生は無理だと思いますよ。

塩付けや干物以外の魚が食べられるようになっただけありがたいです」


「そうですね。でも何故、王都でも魚が食べられるようなったのです」

「えー、それをリズさんが言います。氷ですよ氷。

リズさんがナーマムでサリーたちの教えたのが切っ掛けで氷が普及したじゃないですか。

あとは、やはりリズさんが、マナ操作の上手なやり方を教えたでしょ。あれで、土木作業員の身体強化が上手くなりましてね。ボーデンと王都の街道が奇麗に整備されたんですよ。

馬を取り換えながら走ってくる、早便ならば二日で王都に届きますからね」

ビルの説明を聞くと、王都で魚料理が食べられるようになったのは私のおかげらしい。


ビルのおごりなので遠慮なくいただいたが、さすがに高かった。

この価格でお客が付くのは王都くらいかもしれない。


昼の食事も終えたのでバレッサで、肌荒れ対策を考えることする。


「リズさん、今回のクレームは明らかにお客様に問題がありました。

偏った食事、ストレス、寝不足、深酒、全て肌に悪いことばかりです」

「そうね。でもバレッサで解決できることがあれば考えましょ」

「そうですね。この中でバレッサでできることといえば食事の改善くらいですね」

ビルは食事の改善を提案する。


「あのお客さんは、明らかに野菜不足ですね。サプリで栄養を補うことはできますが、なかなか規則正しく、サプリを飲むのも大変ですし、サプリは高いですから普及は難しいでしょうね」

野菜嫌いを直すのは難しい、本人がよほどやる気を出さないと、嫌いなものを食べるのは無理だ。


「リズさん、サプリって何ですか」

ビルが聞いてくる。


「栄養素を固めたものですね。ビタミンとかカルシュウムとか鉄分などですね」

「ちょっとその辺の知識がないので、申し訳ありません」

「良かったら、栄養関係の本も出していますので、今度読んでみてください」

私が書いた本は、バレッサにも届けたいるはずだが、まだまだ製本が少ないのかな。


「その足りない栄養素を取れば、肌荒れが治るのですか。ならば薬としてバレッサ製薬商会で扱えばいいかと思いますが」

私の知識では薬とサプリは別物だが、この世界では同じと考えた方がわかりやすいのかな。


「ですが、偏った食事をしていますから、これを飲んでくださいと言って、買ってまで飲んでくれないと思います」

「それでは、薬ではなく、お菓子にして、肌に優しいとかのフレーズで売りに出せば売れるかもしれませんね」

「でも、お菓子だと砂糖が入ってしまいます。砂糖の取りすぎも体に良くないですよ」

「そこはバレッサスイーツです。甘くないお菓子の開発もしています。

では、リズさん、今度お菓子に入れる栄養のある素材の開発に来てください」

ビルの誘いは断れそうにないな。


バレッサで午後のお茶をいただき、屋敷に帰る。

この時間では学園は終わっている。


「ただいま」

「お帰りなのです」

リコは学園からすでに帰っていた。


「今度は、体にいいお菓子の開発のためにバレッサに行くことになっちゃいました」

リコに言うと。


「バレッサはリズ姉を引き込みたいのです。

気を付けないと、冒険者が出来なくなるのです」

そうだよね。これって絶対裏にマックス伯父さんがいるな。

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