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30組の男子高校生と女子高校生の結末

曲がり角間違いアタック

曲がり角というのは、テンプレートな出会いの場所なのです!

いつもこの時間に友人であるゆみちゃんが通る。ゆみちゃんはからよく後ろから人の肩を叩いて振り向かせて指で頬をつつくのをやられるので今日はちょっと仕返しに抱きついてやろうとこの曲がり角で待機しているのだ。

人影が見えた。いつも履いているスニーカーが角から見える。

「ゆみちゃん!」

そう言って抱きついたのだけれどなんだか硬い。それにゆみちゃんは私より背が小さかったから、今みたいに足がつかないことはないと思うのだけど。

「すいません、ちょっと降りてもらえませんか」

頭の上から降ってきたのは低い男の人の声だった。

「え、ゆみちゃんじゃない」

他校の制服を着た男子高校生が立っていた。


見ず知らずの人に抱きついているという状況

を改善せねばと思っていた時

「あー何してんの!」

本来のターゲットであったゆみちゃんがきたのだ。私が抱きついている男子高校生も、私とゆみちゃんを見ている。

「すいませんでした!」

そう男子高校生に言って私はゆみちゃんを置いて学校まで超特急で走った。


「おーい。大丈夫かい」

 机に体を預けて冷やしている私にゆみちゃんは話しかけてきた。わたしゃ今なんも喋れないのです。通学路全力疾走はきつい。あと見ず知らずの人に抱きついたって事実が恥ずかしくて死ぬ。ぜったいあの人の学校で不審者にされてるじゃない。

「何で彼に抱きついていたの」

「ゆみちゃんのせい」

「え、私のせい?」

 息が整い、今起きたことをゆみちゃんに話した。

「えー、私を驚かそうとしたら、あの男の子に抱きついてしまったってこと」

「そうよ」

「普段慣れていない事をしようとするからそんなことになるんでしょうよ」


 朝の失態を引き摺りながらどうにか六限の授業を終えて補習授業をやっているゆみちゃんと別れて帰り道。

もう男子高校生も忙しくてへんなことが起きたなぐらいにしか思ってないだろう。晩御飯が何か気になるなと、そう思って歩いていた時だった。

 今朝の角にその男子校生がいた。慌てて逃げようと背を向ける。

「ごめん、君は僕にぶつかってしまって、それで転けそうになって抱きついてきたんだよね」

いや違う。初めから角から出てきた人には抱きつく目的で出たんだ。

「その、大丈夫?怪我とかしてない」

わざわざそれを言うためにその角に立っていたのか。後ろを振り向き、男子高校生を見る。

「私は大丈夫です。あなたは私が抱きついてどこか痛めたりとかは?」

「いや毎日鍛えているので大丈夫です」

そう言って力こぶを作って見せた男子高校生に笑ってしまった。


それから私たちはよくぶつかった角で会うようになり話すようになって今、結婚しようかとなっている。


馴れ初めをどう説明するかと言えば

私が角から飛び出して彼に抱きついた。

それに尽きる。


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