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七部族

この惑星の詳細が少しわかります

合流したクレア達は自己紹介を済ませると、客間に戻りお茶を嗜みながら星団とクーンの事を簡単に説明。最後にディスティア帝国の事を話していると、以前攻撃されたタチアナは怒りを爆発させたのだった・・。


「ディスティア帝国だけは絶対に許さない!」


「タチアナさん、現状だとこの星を守り切る星団側の兵力が不足しています。ディスティアは統治することを取敢えず諦めているようですから、ここは一丸となって今後の対応策を考えた方が良いと思います」


「一丸とは七部族を纏め上げなければ駄目ということか!それは無理な相談だ」


「七部族とはそれぞれの種族が集まっているのか。どうりで街中に同じ種族しかいない訳だ」


「そうだ、この大陸にはそれぞれの種族が集まって生活している」


この惑星には「狼族」「猫族」「熊族」「馬族」「猿人」「兎族」「鳥族」からなる7つの部族に別れ族長が存在していた。だが国としてまとまっている訳ではなく、環境に適した場所に点在して生活している。細かい事だが狼族の場合、DNAが近い狸や狐族等は同じ犬科なので住む場所は違えど仲良くやっている。因みに鳥族は進化の過程で羽が小さくなり大して飛べない・・。


「彼らが本気で攻めるのであれば確実にどこかの部族に協力を求め、対価としてこの星の統治を独占的に任せるはずです。それは種族の分断を意味します」


「なるほど、ディスティアはバランスを取るのではなく独裁的に統治するのか」


「搾取政策を行うのに種族は関係ありません。協力するかしないのかだけの2択しかありません」


「何とかまとまっている七部族がバラバラになるのか!」


「バラバラどころじゃない、一つの種族が死滅する可能性すら有る」


「私たちは争ってる場合じゃ無いのか、だが纏めなければ悲惨な未来が待っているという事か」


「はい、その通りです」


「悪いが部族間のことを話すから聞いてくれ。そして解決策を一緒に考えてくれないか」


タチアナは揉めている部族のことを話してくれた。大半のトラブルは境界線が曖昧で必ずその近くの狩猟場で争いが起きるそうだ。それと他種族と交流することを極端に嫌っていた。勿論その訳も話してくれるのだった。


「七部族と区別しているが、要するに近い種族の寄せ集めなんだろ」


「それが問題なのだ!私も聞いた話だが、数百年間かかってやっと七つの部族に纏まったのだ」


何やら複雑な理由があると思いよくよく話を聞くと、弱い種族は隅に追いやられ、今の状態よりかなり酷い状態だったらしい。そこで似たような種族が協力し合い現状を打破していくうちに七部族に落ち着いているのが現状だそうだ。


「ここの土地が全て繋がっているのも原因なのだ!海で隔たりがあればもう少しましだと思うのだが・・」


まずこの惑星の陸地と海の割合はほぼ半分だ。そして一つの大きな大陸が陸地全体のの80%を占め残りは大小様々な島で構成されている。因みに南極北極は超極寒のため獣人族は住めない。


「全ての部族が対立しているわけではないのだろう」


「ああ、そうだ仲の良い部族はな・・・」


説明は続き、狼族は猫族と鳥族と極端に仲が悪く、比較的関係が良好なのは猿人族、熊族、その他はそれこそ中立的な立場だそうだ。


「ふむ、とりあえず猿人族に会いに行くか、俺が動いた方が早いな」


「はっ?族長の所に出向くつもりなのか?かなり遠方だぞ、数か月は必要だ」


アーネストがここに来る前、ディスティアの情報と観測データを見比べ上空から観察すると、森の中、高原、平野部に七つの大きな都市を確認していた。しかもそれぞれ数千キロ単位で離れている。


「距離は関係ない、場所を教えてくれないか」


「ここから南に向かって・・・」


要するに数千キロほど南に下り、ジャングル地帯の中に猿人類の族長宅はあるらしい。猿人と一括に表現しているが、細かく多様な種族が存在し現在は大型でゴリラの様な部族が取り仕切っているとの事だった。狼族と仲が良い理由は狩猟場が被らない事、考えが近い事がその理由らしい。


「仲がいいんだろ、先に済ませよう」


「任せていいのか、私も口添えはするが」


「時間が無い、協力してくれ」


「わかったわ」


そして早速、猿人族の所に向かう事になったのだが、移動手段が問題になった。


「こ、コレが飛ぶんだな!」


安全に空を飛ぶ機械に乗りすぐに到着すると説明したが、ハミングバードに乗り込むタチアナの腰が結構引けていた。


「どうした?あ、初めてか、怖い乗り物では無いぞ、チョット揺れる馬車と思えば大丈夫だ」


「わ、わかっている、まだ信じられないだけだ!」


ビビるのは仕方ない、この星の乗り物と言えば、馬か馬車、5トンにも満たない手漕ぎ船位だ。何とか乗り込みシートに座らせると落ち着いたのか溜め息が漏れ出ていた。


「クレア上がっていいよ」


「はーい、今から上がりまーす」


「か、彼女が操るのか、どんな術を使うんだ?」


タチアナは先程施した精神魔法と同じだと勘違いしていた。


「タチアナさん、あそこで機械を操るとブーンって飛ぶのよ」


「そ、そうか、わかった。ブーンだな!」


ワルワラの擬音を使った簡単な説明で納得したようだ。分からない者同士はアレくらいが丁度いいのだろう。そしてハミングバードが浮上すると・・・。


「うひゃひゃ〜」


「うぉ〜、何だこれは!」


タチアナと護衛の男は身体が宙を浮く感覚を初めて経験したのか、超ビビって怖いのか2人で抱き合っていた。


「ほら、怖くないだろ(笑」


「そ、そ、そうだな」


完全に痩せ我慢をしているタチアナの額には大量の汗が噴き出し、何やらブツブツと唱えていた


「私は族長だからビビる事は無い、絶対に無い!獣人の神よ見ていて下さい!コレを克服します!(小声」


「アーネスト様、完全にビビってますよ〜」


耳がピコピコ動いていたワルワラがモジュールで話しかけてきた。言葉を発し呟けばバレるのは間違いない。彼女は威厳を傷つけない配慮ができる賢い子だ。


「知ってる、威厳に関わるから弄らないよ」


「ですよね〜」


「それでは目的地に向かいます」


そして安全高度までゆっくり上がっていたハミングは目的地目指し急加速を始めた!


護衛「     」


タチアナ「グッ!」


護衛の男は加速感を味わった瞬間に失神、タチアナはギリギリと歯を食いしばり必死に我慢していた。それも噛みすぎて歯茎から血が染み出す程だ、まるで生肉を食べた後みたいだ。


「安定したので、超高速飛行に移ります」


ハミングはソニックブーム特有のドーンと大きな音を立てて音速を超え、マッハ10まで加速していくのだった。


「おお、初期型はここまでスピード出るんだな。すげぇ〜」


何故かヴァンは腕を組み計器類を見ていた・・。


--


そして猿人族が住むジャングル上空に到達。眼下に見えたのは高低差の激しい山間部、広大なジャングルと渓谷が織りなす自然豊かな所だ。そして切り開かれた場所には大型の建物が広範囲に多数点在。探査を行うとあちらこちらに生命反応が溢れ出た。その数100万は下らない。どうやらここに集まり生活をしているようだ。


「族長はあの小高い大木の上に住んでいるのか?」


「ああ、そうだ。あの広場に降りてくれないか」


族長はジャングルが一望出来る町外れの小高い森の大木に住んでいて、その丘の麓には野球場程の広場が広がっていた。そしてよく見るとそれは闘技場なのか集会場なのか不明だが、簡易の観戦台が設置してあった。とりあえずそこを目指しハミングは着陸するため高度を下げていく。


「なんだあれ?」


大柄なそれこそゴリラそのまんま、結構毛深い男が上空を見上げ、降りてくるハミングバードを指差していた。狼族のように火縄銃は携帯していないが、代わりに大きな斧が握りしめられていた。


「おお、でかい鳥みたいだな。だが何だこの煩い音は」


この男ハミングバードを見ても鈍いのか、怖くないのか全然ビビっていなかった。それより着陸すると普通に近づいてきたのだ。


「長老はご在宅か?」


「おお、タチアナではないか、長老は相変わらず一番上の小屋でのんびりしてるぞ」


ハッチを開けタラップを降りて来たタチアナは、知り合いなのかゴリに声を掛けていた。やはり友好的なのは間違い無かった。


「タチアナ、いきなり訪ねても大丈夫なのか」


「ええ、問題ないわ」


「ところで後ろのやつは人間だな」


顔見知りのタチアナがいるとは言え、アーネストたちを見たゴリは少し警戒し、斧を持つ手に力が入った。


「この方は味方だ、心配しなくていい」


「そうか、わかった」


ゴリを先頭に長老が住む場所へと向かうが、大木に繋がれている吊橋がめちゃくちゃ怖かった。ワルワラとタチアナは気にせずドンドン進むがアーネストにクレアがしがみつき、ウラッツェンはヴァンを抱えて恐る恐る登っていた。それでも何とか長老の小屋にたどり着き、中にはいると全身真っ白というかシルバーに近い毛並みを持つ年老いたゴリが若い女の子を両脇に抱えデレていた・・。


「おー、タチアナ久しぶりだな」


「久しぶりになります、長老アンドレ」


女の子を侍らせたまま、偉そうに話すアンドレは長老と呼ばれるだけあってそれなりの歳にみえるが、未だ現役なのだろうか筋肉隆々で、雄々しくとても元気そうで威厳が溢れていた。


「ソイツは強いのか?」


まぁ、何と言うかお決まりの様にこの星の連中は力比べをしたがる。アーネストは既に呆れ顔だ。


「とても強いよ!ほれ」


「ふん!その様なマヤカシは通用せん。受けろ破戒拳!」


呆れていたアーネストは威圧を使い脅したが、それを跳ね除け力任せに殴ってきたが、しかし・・・。


「アンドレお座り!」


「ウホォ!あっ?体が勝手に・・」


「土下座!」


「はい!なんだと俺は負けたのか!」


「もう最高!簡単に操れるわ!」


いつもの精神魔法が炸裂、シュバっとスライディング土下座を決めたアンドレは頭を抱え混乱していた。どうもここの獣人達は単細胞なのか術が簡単に決まる様だ。面白いのかクレアは小躍りして喜んでいたのだった・・。

宜しければブクマ評価おねがいです、頼んます!

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