コンタクトの後は・・・。
逃げたアーネストは、未開の惑星でファーストコンタクトを行い・・・。
「ふぅ〜」
獣人、美味しい匂い、信じられない光景を目にし驚いていたが、意を決したのか大きく深呼吸を終えると、緊張した面持ちのアロルドはアーネスト達に向かって大声を上げた。
「お前たちは何者だ!代表者と会いたい!」
「クーン精霊王国の者だ、訳あってここに避難して来た。一応言っておくが敵意はないぞ」
ゆっくりと立ち上がったアーネストはアロルドに向けて敵意がない事を伝えた。ディスティアの言語解析データーをモジュールに登録してあるので、会話に関しては全く問題がない。
「お前は人間だが、他の連中は獣人なのか!」
「ああ、そうだ!俺の仲間だ、大切な部下たちだ!」
「この前の連中とは違うのか・・敵意もない・・獣人。。仲間なのか」
突然現れた異星人はまさかの獣人達だった。リーダー格の男は人間だが敵意を見せる事無く堂々としていた。アロルドは混乱と緊張を繰り返し考え込んでしまった。
「こっちに来いよ、その様子じゃ腹が減ったんだろ」
「うっ、何故分かる!(ジュル」
「た、隊長!涎、漏れてますよ!ほら」
美味しそうな匂いに反応したアロルドがよだれを垂らし、その様子を見たアーネストは面白くなってきたのか口角が上がっていた。
「この前攻撃してきた奴らと一緒にするなよ、俺は獣人の国の支配者だ!ほれ、飯を食おうぜ!」
「おいお前、長のタチアナ様と話をしてみないか」
アロルドはそれなりに権限を持つ隊長なのだろう。いきなり長と話をしないかと提案してきた。勿論アーネストは受けるつもりだ。だがその前にクーンに連絡を取らなければならない。しかしここで電波を発するわけにもいかず別な方法を選択することにした。
「ちょっと用事がある、飯でも食って待ってくれないか、準備をするから時間をくれ」
「ああ、早めに切り上げてくれ」
そしてアーネストは移動のためのシャトルを動かす命令を出し、静止軌道上で待機している艦隊にある指示を出すのだった。
「負傷者とエネルギーを集め、6、8番艦を引き連れクーンに戻れ」
<陛下、巻き込みに8隻使うとなるとエネルギー不足で半数以上が動けません>
「悪いがこれは命令だ。クーンとデルタリアに戻ってこの状況を伝えてくれないか、アーリーなら援軍をよこしてくれるはずだ」
<わかりました、早速準備いたします>
「今ならまだ見つからない筈だ、このまま戦うわけにはいかない」
アーネストの指示を受け一時間後、10隻の戦艦はクーンに向けジャンプして消えていった。因みにアロルドは昼食に出されたサンドウィッチを初めて見たのか、匂いをかぎ警戒していた。しかし照り焼きソースの甘い香りに耐えきれず試しに一口食べると甘じょっぱさと、マヨネーズの酸味と旨さに頭を殴られたような刺激を受け、これはなんだと言いながら結構な量を食べていた・・・。
「う、旨い、この組み合わせはなんだ!うーん、わからん!」
部下「隊長〜、そう言いながらもう三皿目ですよ〜」
「この白いソースは禁断の味だ。悪魔が作ったのだ!そうだそうに違いない!」
料理長「あー、これね。卵とお酢とか混ぜて作るソースだよ」
「なん、だと!」
「何でも合うよ」
「これくれ!」
隊長は初めて食べたマヨネーズの味に衝撃を受け、重度のマヨラーになり始めていた。ちなみに料理長に業務用の大きなマヨネーズを貰ったアロルドは即座にバッグに仕舞っていた・・。
ーー
一時間後。惑星クーンが存在する恒星圏内に10隻の戦艦が密集陣形でジャンプアウトした。壊れた戦艦を僚艦を使い運んできたのだ。
「艦長、ジャンプアウト完了!」
「アーリー様に打電、陛下の無事と燃料補給の手配を頼め。予備の戦艦を引き連れて戻るぞ」
「了解」
6,8,番艦は2隻に曳航され、残り6隻は全速力でクーンに向かって爆進していくのだった。
ケネス「アーリー様、緊急打電が届きました。アーネスト様は未開の惑星にて獣人達とファーストコンタクトの最中、エネルギー不足により動けないとのことです」
「ヤッター、生きてた」
「ふふふ、だから大丈夫って言ったでしょ。燃料の準備は大丈夫かしら」
「はい、勿論既に指示を出しております」
さすがケネスだ、電文を受け取った時点ですでに指示を出していた。
「クレア、ハミングバードに積めるだけのコアを積んで、軍医とウラッツェンを先に送りなさい」
「私も行っていいよね!」
「頼んでいいかしら、私は色々準備があるからね」
「任されました!」
やる気全開のクレアは小躍りして準備を始め、真剣な表情に変わったアーリーはケネスを引き連れ指示を出すためにゆっくりと立ち上がり部屋を出ていくのだった。
「ウラッツェンはどこにいる!」
技官「うわぁ!アーリー様!ウラッツェンはワルワラさんと仲良く食事中です」
アポ無しで技研にズカズカと乗り込んだアーリー、その姿を見た技官達は大慌てで対応し始めた。アーネスト無事の知らせが届き、本当は真っ先に船を飛ばし会いに行きたいのだが、その気持を抑え、勅命と言う名の強権を発動し早急に準備を進めていたのだった。
「ウラッツェン!ハミングバードを動かしなさい、勅命よ!」
「!!うぐぐ・・・」
「大丈夫ウラッツェン!」
相変わらずハミングバードの前で仲良く食事の最中にいきなり現れたアーリーを見たウラッツェンは、食べ物を喉に詰まらせ顔が真っ赤になり苦しそうだった。
「プッハ〜、ハミングに乗ってどこかに行くのでしょうか」
「エナジーボールを積めるだけ積んでアーネストの所に向かって座標はコレよ。それと軍医も一緒に帯同しなさい!」
ウラッツェン&ワルワラ「はっ!了解しました」
「ああそうかワルワラは軍医か、頼んだわよ」
急遽戦艦より早くハミングバードを先に送ることが決まり、ウラッツェン夫婦とクレア、護衛としてミーシャが行くことが決まった。
「ママ、子供をお願いね!ヴァン、大人しくしてるんだよ」
「ワルワラ、子供たちは任せなさい頑張って仕事するんだよ!」
ワルワラは子供を母親のマリーに預け、急いで軍本部に戻ろうとしていた。
「なぁ、カーチャン俺も連れてけ」
「うわ、この子相変わらず普通に喋るわね、全く子供らしくないけど」
「ヴァン、戦場に行くのよ駄目よ」
「俺を連れていけば安全だぜ」
何故か偉そうなこの小さな子どもは、指を横にし目を隠す中二病のポーズでドヤ顔だ。
「あはは面白い子ね、ワルワラ連れてけば」
「えー!」
「ねぇアーリーに会いたいな、話でしか知らないんだよね」
「はっ?赤ちゃんの頃会ったわよ、そもそもヴァンにはアーリー様の話は殆どしてないよ。なんで知ってるの」
「目がよく見えんかったからよく覚えてない。会いたいからとりあえず連れってて」
「もう、おとなしくしてるんだよ」
「おう!」
全く子供らしくないヴァンフリートはワルワラの手を引いてクーン城に向かうのだった・・。
ワルワラ「ウラン、ヴァンがどうしても行きたいって」
ウラッツェン「えー、ヴァンを連れてきたの?」
「おう、オヤジ頑張ろうな!」
「はぁ〜、相変わらず子供らしくないな」
そして頭を抱えるウラッツェンの所にアーリーがやってきた。だがヴァンを見るなり顔色が変わる。
「あなたたしかヴァンフリートだっけ、チョットこっちに来なさい」
「はーい」
アーリーに引っ張られ隣の客間に移動すると、アーリーは腕を組んでヴァンフリートを睨んでいた。
「あなた、ヴァンフリートじゃないわよね誰なの、その意識は大人だよ」
「ありゃバレたんだ、話せば長くなるけど未来から来たんだよ」
アーリーはヴァンフリートの意識が大人だと気が付き、魔力量がとても子供とは思えないほど高いことに気がついた。
「それで、何のために来たの」
「ああ、ウラッツェンに設計図を渡すだけだよ、けどまだ今じゃない」
「貴方がユリエルの話してた未来人なのね」
「ユリエルって息子さんだよね。ねぇアーリー抱っこしてよ」
「こら!何だその意識は、私の爆乳目当てだろ!」
「チッ、バレたか」
「コラ!」
ヴァンフリートのお目当ては当然、爆乳な美乳だった。だが先に意識を読まれその機会を失ってしまい、お仕置きとして空手チョップを喰らいそうになるが、スッと避けてしまう。それは予言の能力だ。自分の身に危険が及びそうになると勝手に発動するらしい。
「おっとアブねぇ!」
「クッ、予言の力なのか」
「俺は話でしかアーリーのことは知らないんだ、ほんと頭脳明晰で、美人で、美乳で、優しくて最高の女王様だね!」
「もうヴァン、いきなり褒めないでよ〜」
何故か褒められたアーリーは満更でもない様子だ。送り出した”アーレイ”から褒めると話題を切り替えられるぞ、それとな、頼み事後をする時は酒を持っていくと効果あるぞ、と聞いていたのだ。
※アーレイ・ウェブスター。数百年後の未来。星団を1つにまとめあげた元地球人?。(物語、星団最強なのにの主人公)
「聞いた話だけど、大雑把を演じていて実は慈悲深くて優しくて、頑張り屋さんなんだよね。精神体になっても変わらないってさ」
「おい!お前は何を知っている!」
アーリーは流石に”精神体”の言葉に反応したようだ。それは肉体が滅んだことを意味するからだ。
「色々知っているよ、数百年後、3星団統一して平和な世の中が訪れるんだ」
「そうか、私の頑張りは途中過程なんだな・・その未来は素晴らしいの」
「ああ、凄く素晴らしくて凄く良い世界になったよ。アーリーさんありがとう」
未来の話を聞いたアーリーからフッと優しい笑みが溢れる。今まで苦労しっぱなしの彼女は自分の頑張りが報われたと少しだけ実感したようだ。
「けど、未来の話を聞けば変わる可能性があるから、もう話さないでね」
「・・・抱っこ!(ジト目」
「うん、良いわよ」
「わーい!」
アーリーはヴァンフリートの脇に手を差し込み持ち上げると、抱っこはせず向き合った。
「ふふふ、やっと捕まえた!」
「ゲッ、お仕置きかよ」
「このまま窓から落とそうかしら、それとも蹴り上げようかな」
「うわぁ〜最悪だ〜、俺は弾力を確かめたいだけなのに」
「うふふ、素敵な未来を教えてくれてありがとう、お礼よ。チュ!」
「わわわ(焦」
悪戯顔のアーリーはニヒッと笑い、ヴァンフリートを優しく抱きしめ軽く頬にキスをすると、ワルワラが待つ客間へと戻って行くのだった。
「おお、すっげー弾力だ」
「こら、助平2歳児!さわるな!と言うか弾力を確かめるな!全くエッチなガキだ」
勿論、抱っこされたまま小さな手でグイグイ押して弾力を確認しているヴァン。流石に揉むことは出来ないようだった。
「はい、それは否定しません!」
「スケベ2才児か・・・ミーシャ彼らに帯同してね」
「ニャ!」
こうしてクレア、ワルワラ、ウラッツェン、ヴァン、ミーシャの5人がアーネストの元に向かうのだった。
ーー
「ふぅ〜、やっぱ生きてたか」
「ラッセル准将!救出に向かいましょう」
アーリーからアーネスト生存の知らせを受け、安堵の息を漏らすラッセル。だが、同時に報告を聞いたフォルトゥーナの鼻息は荒くなっていた。今回のヴァレリア破壊作戦には参加できずデルタリアでお留守番だったのだ。
「そうだね、強襲艇は何かと便利だから行きますか」
「アーネスト陛下を守れとアーリー様から直接勅命を頂いておりますので是非!」
「ははは、勅命か、じゃ行こうか」
流石に連戦を行ったデルタリア軍は疲弊していたが救出作戦と発表すると、続々と志願兵が集まり、結局ラッセルは無傷の戦艦3隻とフォーチューンを引き連れ、アーネストが待つ星に向かうのだった。
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