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戦艦ヴァレリア

超強力な戦艦が出現

「よし、挟撃では無く上を取るんだ!各艦広く展開しろ!背面航行で砲撃だ」


エイナルは高度が下がっていたクーン艦隊の上空を抑える作戦に変更した。それは地上と上空の2方向攻撃ができるからだ。これで少ない艦船数を補える。そう判断し転回を始めた戦艦は全砲門をクーン艦隊に向け照準を合わせようとしていた。


「指令、本部からの打電、戦艦ヴァレリアの射線に注意されたし」


「よし!各艦回避行動を取れ!」


エイナルの読みが的中した瞬間だ。連絡を聞くと今まで我慢していた闘志に火が付き強い目ヂカラで作戦モニターを凝視。そにはヴァレリアの射線が赤く表示された。


「これで挟み撃ちが出来ますね!」


「一斉砲撃開始!背面操船は辛いが頑張れ、勝機が降ってきた!」


「はい!」


一方、クーン艦隊は頭上から砲撃を受けていたが、空気層のお陰で損害を免れていた。そして冷静なアーネストは更に高度を下げる指示を出すのだった。


クーン艦隊目線。


「砲撃着弾、被害軽微」


「高度を下げ距離を取れ、空気層の中を航行すれば威力が落ち、損害は少ない」


「了解!」


高度を下げオゾン層を抜け始めた辺りから空気抵抗で船底が赤くなり始め、降りそそぐ粗粒子砲の威力が弱り、命中しても損害は軽微だった。


「陛下、対艦ミサイルが撃てる高度です」


「よし、目標インプットは終わっているな、全て撃っていいぞ」


「了解、各艦、対艦ミサイル一斉発射!」


一斉に放たれた対艦ミサイルは重力の助けを借り、通常の倍の速度で狙った建物に命中。多数の迎撃ミサイルが上がってきたが、降下速度が設定より早すぎて通過後爆発していた。


アーブラハム艦隊目線。


「アーネスト陛下が追い詰められているじゃ無いか!」


レーダーに映るクーン艦隊をパッと見て、頭上と地上からの2面攻撃に晒され窮地に陥っているように見えていた。


<エリアス、まだ動いてない船を中心に攻撃しつつ挟撃してくれないか>


「陛下、大丈夫ですか!」


<被害はでているがそれほどでは無い、引き付けるから攻撃を頼む>


アーネストはそろそろ引き上げる頃合いだと思っていた。予定した集合時間を大幅に超え被害も多くなり始めていたからだ。悪いことにスクランブル発進した戦艦も数十隻確認されもう潮時だった。


「承知しました!」


エリアスは意味を理解したのか素直に攻撃目的を変更し砲撃を開始。だが敵艦隊の隊列が歪な事に気が付いた。


「あれ?地上から射線を避けているのかな?知らせないと」


エリアスがそう判断したが既に遅かった。パッと閃光が走った瞬間、エルフォードの護衛に入っていた戦艦に12本以上の紅い光が貫き爆散、真っ二つに折れ地上へと落ちていくのだった。


「な、なんだあれは」


「地上から強力な砲撃です!」


デルタリア艦隊目線。


中性子核爆雷の攻撃を避ける為、速度を落として進軍していたラッセルの艦隊がアーネストの艦隊を確認できる距離まで近づいていた。そして地上から放たれた素粒子砲の威力を目の当たりにして驚いていた。


「ラッセル司令、建造中の戦艦らしき大型艦の砲撃の可能性大」


「潰すか、逃げるか、判断が難しいな」


<ラッセル、エリアス引き上げ時だ、俺はこのまま集合場所までジャンプする>


「わかった、後でな」


<アーネスト陛下、一撃離脱してジャンプします>


<深追いは被害が大きくなるぞ、それじゃ後ほど>


「砲撃は続行、ジャンプシーケンス開始」


「了解しました」


ラッセル達は少し起動時間が伸びるが、砲撃をしながらジャンプシーケンスを開始。一方アーネストの艦隊は凶暴な素粒子砲に狙われたままだ。


クーン艦隊目線。


「地上から砲撃きます!」


悪魔の紅い光線は、狙いを変えたのか2隻の戦艦に吸い込まれていった。


「6、8番艦大破、航行不能」


「無傷の僚艦は大破した船を巻き込みジャンプを行え」


「はい、陛下既に取り囲み終わりました」


またあの紅い閃光が2隻の戦艦を貫いたのだ。これで3隻に被害が及び、最初に砲撃を食らった戦艦は2つの炎をあげ落下していたが、機関部の方がいきなり爆散して散り散りになっていた。


「陛下、再度高エネルギー反応確認!」


「さぁ逃げるか、全軍ジャンプ!」


アーネストが命令を出した瞬間、待ってましたと言わんばかりにクーン艦隊は一斉にジャンプして消えていった。そして数秒後またあの閃光が走るが、何も無い空間を虚しく紅い閃光が貫くのだった。


<エリアス陛下、お先です>


「こちらもまもなくジャンプします。お気をつけて」


シーケンスが完了したラッセルの艦隊はジャンプして消えていくのだった。


「エリアス陛下、ジャンプの準備完了しています」


「レールガンをあの砲台に向けて発射!そしたら引き上げ!」


「了解!」


だがしかし、敵将エイナルは分かっているのか、レールガンの射線上に艦隊を移動させていた。


「アリャ、あの司令官の判断は早いね、けど撃ってね!」


「発射します!」


それでもレールガンは発射され、射線上の戦艦がバラバラに吹き飛び爆散、間髪入れずにジャンプを行おうとしたが・・・。


Ai「ジャンプコアリチャージ中、少しお待ち下さい」


電力バカ食いするレールガンを放ったため、一時的にジャンプコアの電力が下がったようだ。Aiはこの緊迫した状況で冷静に言い放つ。


「はっ?ヤバ、みんな先に逃げて!」


<それは流石に>


<陛下、お付き合いします>


「わかった!全艦全速前進!」


慌てて逃げるエリアス艦隊。しかし緊急発艦した戦艦が取り囲むように集まり始めていた。


「陛下、退路絶たれました、すでに上空を囲まれています」


「心配ない大丈夫だよ、大気圏突入コースを取りつつ全速で敵艦隊の中を駆け抜けて」


「了解!」


何を考えているのかエリアス率いるアーブラハム艦隊は、レールガンで破壊された戦艦の脇を通り抜け、大気圏突入コースを爆進、空気抵抗で船底が赤くなり始めた。


「すばしっこい奴らだな」


「あのまま大気圏に突入して地上に降りるのでしょうか」


「わからんが、俺達は追うだけだトラッキングマーカー発射!」


レールガンの射線に入りヴァレリアを守ったエイナル艦隊は主砲の仰角が足りず、砲撃できないでいた。反撃のため転進の命令を出したが、エリアスの艦隊が突撃したため狙いを定めることが不可能だった。結局ほとんど砲撃を加えることが出来ず後を追う形となった。


エリアス「突入角度を浅くして、時間を稼ぐんだ」


「了解、再ジャンプ可能まで3分ほどです」


エリアスは突入角度を浅くして大気圏を掠めるように進み、その後ジャンプして逃げていった。だが小さなトラッキングマーカーを巻き込んで・・・。


ーー


集合場所に戻ったアーネストとラッセルは被害状況と戦果集計の一覧を見て微妙な表情を浮かべていた。


ラッセル「クーンとデルタリア合わせて25隻の完全破壊か」


アーネスト「もう少し破壊が出来ると思っていたが、悪い数字ではない。大破を含めたら完全勝利だ」


破壊数が伸びなかった理由は整備ドックの防壁が硬く、思っていたより新型艦を壊せなかったのだ。味方の損害は大破が5隻、本星落下が1隻、それと放射能汚染が深刻な1隻。計7隻だった。因みに旧型艦は30隻以上破壊が出来ていたが、弱すぎるので今後は出撃は行わないだろうと予測していた。


「はは、そうだな、陛下に報告して怒られることは無いな」


「あの強力な船の詳細が知りたいな。アレは放置できない」


「それについては同意見だ。しかし連戦を行うのか」


2人は既に次に戦艦ヴァレリア完全破壊作戦を考えていたようだった。


「クーンの乗組員は交代するからすぐに出せるぞ明後日だ。連中も油断している時を狙う」


「明後日だと、本気かアーネスト?ブラッククーン軍だな」


「うるさいわ、未来の為だ!」


「陛下、高速接近する艦隊確認、艦船数がやけに多いです」


「エリアスだな、戦闘配置につけフォックスが後方に現れるぞ」


「了解!」


アーネストの艦隊は破損した船を残し、エリアス集合ポイントの後方に戦艦を進めるのだった。


「間もなくジャンプアウト!」


シュンシュンと規則正しくジャンプアウトしたアーブラハム艦隊が姿を現した。そして少し遅れてディスティアのエイナル中将率いる追撃艦隊が後方に出現。だがその側面にアーネストの艦隊が戦闘態勢、いつでも砲撃できる状態で待機していたのだ。


「砲撃開始!」


無情にもアーネストは攻撃命令を出した。何本もの素粒子砲の閃光がエイナルの艦隊に向け放たれた!


「砲撃来ます!」


「なんだと緊急回避!」


ジャンプアウト直後、ロックオン警告が鳴り響く艦橋内。エイナルは速断するがそれでも遅すぎた。


「2,3,4、6番艦被弾!中破又は大破!」


シールド生成中に砲撃を受け、ディスティア艦隊の被害は甚大だ。


「くっそ出現位置を悟られた。全艦攻撃だ、ジャンプシーケンス終了まで持ちこたえるんだ!」


檄を飛ばし反撃に出ようとするエイナルに通信が入る。


<クーン国王、アーネストだ。無駄な戦いはやめろ>


「エイナル指令、全チャンネルで敵が呼びかけています」


「クッソ!被害状況は!」


「直撃を受けた4隻は航行不能ですので、すべての船を巻き込んでのジャンプは無理です。2隻ほど放棄するしかありません」


「駄目だ、相手が多すぎる・・」


「艦長・・・既にロックオン信号だけで100を超えています」


エイナルが選べる選択肢は、降伏、突撃の二択だ。しかし既に3艦隊に囲まれ、諦めろと言わんばかりにピーピーとロックオンの警告信号が鳴り響いていた。


<再度警告だ。降伏すれば攻撃はしない>


「返答しろ、戦う意思はないだ!」


「了解」


90隻弱の戦艦にロックオンされた追撃隊は、諦めるしかなかった。と言うより生き残るのには降伏しか選択肢が無かったのだ。

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