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ディスティア帝国攻撃される。

とうとう始まりました。

急速に近づくエイナルの艦隊は高度を下げたクーン艦隊に砲撃が出来ずイライラしていた。


「クーンの旗艦を確認、総数35」


「くっ!あれはエルフォードか待ってろ沈めてやる。動かせる戦艦は調べたか」


「司令、コントロールを渡せる戦艦は旧型艦ばかりですが10隻ほど使えます」


僚艦の隙間から見え隠れする宿敵エルフォードを確認したエイナルは熱くなる自分を抑え冷静に状況判断をしていた。そしてリモート操作できる戦艦が揃ったようだ。


「リモート発艦させろ、挟撃を行う」


「CIC、戦艦をリモートコントロールで発艦させよ」


「了解!」


アーネスト達の砲撃が届かない戦艦10隻に光が入り動き出した。流石にCICで動かせるのは1隻だけで、Aiに権限は渡せないので精密射撃、密集陣形など難しい操船は無理だ。とは言え驚異になることは間違いなかった。これで攻撃できる総数は20隻に超え、それに加えスクランブル対応した船が続々と動きだそうとしていた。


--


アーブラハム軍視点。


「エリアス陛下、間もなくジャンプアウト、地点Σに展開します!」


少し遅れて現れたエリアス率いるアーブラハム艦隊はジャンプアウト後、停泊中の戦艦に向け砲撃を始めたが後方に哨戒活動中だった駆逐艦がジャンプし現れ、いきなり挟まれる形になった。


「後方に駆逐艦クラス4隻、ジャンプアウト、敵と思われます」


「うん、3隻反転脅威を排除!」


パッと作戦モニターを見て即座に戦艦に指示をだすエリアス。クレアを眺めるデレ顔とは違い、キリリと引き締まった表情を見せていた。


「陛下、突っ込みますか!」


「当然!全艦突入!新型艦に集中攻撃」


旗艦サリヴァンズを中心とした三角隊列を組んだアーブラハム艦隊は、動き出そうとしていた新型戦艦に対し集中攻撃を始めた。


--


ディスティア哨戒部隊目線。


「か、艦長、国籍不明の戦艦3隻反転、ロックオンされました」


緊急連絡を受けジャンプアウトした駆逐艦3隻、ミサイル駆逐艦1隻からなる哨戒部隊。戦闘態勢は取っていたが現状確認が遅れ、先にロックオンされた。


「それぞれに3機の対艦ミサイル発射!滑空砲を使い牽制」


「了解」


艦前方に設置してある蓋が開くと同時に高速で飛び出す対艦ミサイル。いきなり9発撃ち出され残り11セル、短期決戦を選んだようだが、そもそも戦力差が開きすぎていた。


「砲撃来ます!」


「3番艦被弾!爆沈」


「このままだと全滅だ、残りのミサイルを撃て!」


この戦い、ディスティア軍は物凄く不利だ。既に戦艦の射程距離内、それも結構な近さだ。計6発の素粒子砲が横から直撃した3番艦の艦首が全て爆散し断面を晒していた。放たれたミサイルは勿論着弾することはなく全て叩き落されていた。


「全セル一斉発射用意」


だが、もう既にアーブラハムの戦艦は90度旋回し、全砲門が狙いを定めていた。


「ロックオン信号多数確認、砲撃きます」


懸命に3隻のアーブラハム軍の戦艦に対し全戦力で対抗しようとするが、その努力も虚しく残りのミサイルを射出する直前、ピーッとロックン警告が鳴り響くと同時に駆逐艦に怒涛の砲撃が加えられ沈黙してしまうのだった・・。


「クッ、こちら艦長、生存者は速やかに退艦、船を放棄しろ」


「了解」


「グハッ・・・」


艦橋の真下にあるCICに直撃を受けた駆逐艦は無残な姿を晒して今にも艦橋が倒壊しそうなほど大穴が空いていた。そして艦長は衝撃で吹き飛び致命傷を負っていた。力を振り絞り最後の指示を出すと同時に血を吐きヘルメットのシールドが赤く染まりがっくりと首が垂れ下がるのだった・・。


ーー


デルタリア軍目線。


現在、ラッセルの艦隊はアーネストの艦隊を追うような形で進軍していた。


「ラッセル司令、地上からミサイルが上がってきてます。既に迎撃は完了していますが、どうも核ミサイルを飛ばしています」


「なりふりかまっていないという事か、攻撃衛星からの攻撃は無いか」


「敵艦の近くを航行しているので、今のところは攻撃はしてこないと思いますが」


旗艦フォーチューンの対空兵器を使い、地上から上がってくるミサイルを迎撃していたが、着弾寸前、核ミサイル特有のパッと光り大きなキノコ雲が上がっていた。とは言え流石に自爆するのはオゾン層を超えないと爆発はしなかった。


「進行方向、4番艦近くに高密度、高エネルギー反応確認!突如現れました」


「迎撃ミサイル間に合いません」


「対空砲、掃射開始!」


突如現れた長細い樽のような浮遊物は、隊列の端の戦艦の艦橋近くでパッと光ると白い閃光を上げ爆発を起こした。それはエイナルの艦隊の置き土産、ステルス核爆雷だ。


「4番艦、艦橋破損軽微、ですが放射能値急上昇中、作戦続行不能と思われます」


「戦列を離れて集合場所まで後退、またはデルタリアまでジャンプ出来るなら逃げろ」


<ラッセル司令、艦橋内部放射線濃度、急速に上昇中。第2艦橋で引き続き指揮を取ります>


「早めに後退しろこれは命令だ!貴重な戦艦と乗務員を無駄にはしたくない」


<クッ、了解しました>


まだ戦いたいと発言した4番艦の艦長だったが、艦橋内の放射能汚染が進み第2艦橋に移動。撤退の指示を出した頃、胸に装着していた放射線測定用メーターを見て愕然とした。


「こ、これは、士官は第二艦橋に集合せよ!医務官もたのむ」


「艦長どうしました?」


「みろ、測定マーカーが振り切れている。症状が出る前に交代を行う」


「あっ、ヤバいですね0.5シーベルトを超えています」


艦橋内は放射線を曝露しない設計なのだが、近距離からの核攻撃、それも最悪な中性子核爆雷の強烈な放射能が通り抜け大量に浴びてしまったのだ。


「大丈夫だ、デルタリアに戻れば治療出来る」


「そうですね、早く投薬治療したいです」


医務官「艦長、残りの士官にまかせて医務室に行きましょう。簡易治療はできます」


「それではデルタリアに戻ってくれ。艦長権限で指揮権は君に渡す」


「承知しました」


操船に長けている士官を選び、権限を移譲した艦長はホッと息をなでおろす。先程、自分の被曝量を見た下士官の表情は暗く重くなるが、医務官が簡易治療ができると効くと少し明るさが戻り、艦橋で被爆した乗組員は医務室に向かっていった。


「ラッセル司令、これはステルス核地雷ですか」


「間違いない、爆発の威力が少ないから中性子核爆弾だ、これより隊列の距離を取り赤外線スコープで観測強化、見つけ次第破壊しろ」


「了解しました」


命令が発令されると、赤外線スコープを持った4人の乗組員が観測窓から周りを警戒を始めた。それと同時に4番艦が急速に離れ、ジャンプして消えていくのだった・・。


ーー


アーブラハム軍目線。


同じ頃、エリアス率いるアーブラハム艦隊はラッセルと逆方向の進路を取り、クーン宇宙軍と合流すべく攻撃しながら進軍していた・・。


「何隻潰した」


「完全破壊は7隻です」


「シールドが張って無くても流石に硬いな、まだまだ潰さないと」


「この先は艦船数が少ないので地上攻撃に切り替えます」


エリアスの艦隊が進む方向は停泊中の艦船が意外に少なかった。作戦を変更し地上攻撃に切り替えるのだった。それでも完全破壊した戦艦は7隻、大破が3隻とまずまずの戦果だった。


「地上からの攻撃の可能性が高いので十分に警戒するように」


「了解しました」


「新型兵器が試せそうだな、エネルギー貯蔵施設に空爆開始!」


メカ武器オタクのエリアスが考案し作られた地上空爆用、超高速電磁砲、そうレールガンだ!だがその速度は尋常じゃなかった。それは秒速20000mを軽く超え、もはや感知しても絶対に避けられない超極高速兵器だ。砲弾は高温に耐えられるセラミックスで作られ、中心部にライナーとして劣化ウランが組み込まれていた。それを電磁誘導コイルが収まったカバーで覆い磁力の反発力を利用して飛ばすのだ。


Ai「充填完了、発射可能」


「超極高速弾発射!」


ブーンと低い音が響き、続いてバーンと大きな音が出ると火炎とともに地上の目標に向かって一直線に飛んでいった。そしてわずか数秒で着弾した。


「着弾今!」


空気抵抗で赤く燃え上がっている弾頭が施設の天井に命中すると、大きな火炎を上げ建物が吹き飛ぶのだった。この破壊力抜群の電磁砲はサリヴァンズに3門装備されているが、充電時間が必要なため、毎分1発と発射効率が悪かった。


「よし、ドンドン打ち込むぞ」


一発の威力が大きく、防ぐ手段の無い電磁砲は数こそ撃てないが、的確に重要施設を潰していく。だがこの極悪非道な兵器も後の星団会議で使用禁止となる運命だった。


ーー


一方、地上の司令部は大騒ぎをしていた。当たり前だがディスティア帝国建国史上、初めての衛星軌道からの空爆に晒されているためだ。


「撃てる武器はミサイルでもなんでも構わず飛ばせ!」


お怒りモードのルシンダは金切り声を上げ発射命令を叫んでいた。そして建造中の20万級戦艦に搭載されたばかりのミサイルが次々に発射され、武器庫から急いで引っ張り出された移動キャリアに積まれた弾道ミサイルは、所構わず座標を打ち込み宇宙に向けて飛びたっていく。


「対空砲では届きません、せめてレールガンが使えれば・・」


「わかっているなら早く撃ちなさい!なんで防空兵器がこんなに少ないのよ!」


「静止軌道上は想定してなくて、それとレールガンの俯角が足りなくて、それも距離が・・」


旧型艦を含めると200隻以上戦艦を保有する自分たちが、静止軌道上からの砲撃を喰らうとは想像すらしてなかったのだろう。


「素粒子砲は駄目なの、アレなら届くでしょ」


「小口径の素粒子砲は空気で減衰して命中したとしても威力が半減します。せめて650ミリクラスでないと」


「わかった、艦艇製造部に連絡して、建造中のヴァレリアの主砲を使用しなさい」


「あの主砲ならダメージが通る、いや破壊できます」


ディスティアの技術の粋を集めて作られた超弩級戦艦ヴァレリアは既に完成していた。後は燃料補給と議会承認が降りれば動かせるのだ。新型戦艦に搭載してある素粒子砲は750ミリで星団最強級だ。この強力な主砲を使い撃退しようとしていた。因みにシルエットは前方2段砲塔が上下左右、後方にも同じく2段砲塔が上下左右に搭載、見た目はかなり強そうだ。


「上空のエイナルに、主砲の射線に入るなと打電しなさい」


「は、はい、了解」


「もう、エイナルに助けられたわね、彼は新しい提督に推薦するかしら」


最初はエイナルの意見に反対していたが、アーネストの立場を考えれば当然の行動だったと今更再認識したル

宜しければブクマ評価お願いします。

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