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教えを守りましょう。

アデールさん心の変化が・・・。

アーネスト達が戦いに出向いた頃、フォーレスト城の客間の一角では2人のエルフが何やらレッスンを行っていた。教師の侍女頭はどうやらアーネスト役らしい・・。


侍女頭「なぁ、アデール!」


アデール「は、はい、何ですか、何でございますか!」


微妙に恥ずかしがっているアデールの声は小さいし、目線は少し斜めで返事も変だ。アーネストと出会った時はちゃんと対応していたはずなのだが・・。


「アデール様、もしアーネスト陛下から呼ばれたら、そうお返事なさいますか?違いますよね!」


「はい、しゅみません」


「もう!言いなおしなさい」


「はい、陛下何か御用で御座いますでしょうか」


次は開き直って喋っているのか、混乱しているのか分からんが言葉使いが変になっていた。


「こら商人あきんどか!貴女は側室よ普通でいいの、はいやって!」


「はい!」


「なぁ、アデール」


侍女頭がアーネストの体で呼びかけると、突然アデールは顔が赤くなり始め、少しモジモジしながら小さな声で呟くのだった・・。


「はい、アーネスト様!(小声」


「なぜ、その普通が出来ないのですか!」


指導役の侍女長は頭を抱えていた。アーネストとは既に面識があり手紙のやり取りを行っていることは知っていた。しかし、最近のアデールは急に恥ずかしがるようになっていたのだ。もう意味がわからない状態なのだ!


「えっ、だって恥ずかしいんだもん(赤」


「ええ、名前を呼ぶだけで恥ずかしいのですか、大丈夫ですかアデール様」


「ええ、最近・・・あのアーネスト陛下の事を想うと・・あの・・胸がドキドキすと鼓動が強くなって、嗚呼わたし・・」


アーネストの事を想うと感情が震えるのか、気持ちを言葉に置き換えると恥ずかしいのか、少し下を向く彼女は髪を弄り可憐な仕草を見せる。


「。。。(嗚呼、これは本物の恋煩いだ」


「こ、この気持ち、正常ですよね・・・(恥」


「ええそうですね~(棒」


「良かった、これ身体が変になっている訳じゃなかったのね、うんうん」


1人で何か想像しているのか終始モジモジするアデールを、ジト目で少し引き気味の侍女頭だった。


「・・・次は床入り(とこいり)の作法をお教えします」


「トコイリ?ナニソレ?」


「子孫を残す行為の事はご存じですよね!」


「うん、赤ちゃんは抱き合いキスしてできるのでしょ?」


「ハァ〜、この歳で何も知らないとは・・・」


アデールさん、その手の話題にはそれはそれは大変に疎いのです。親友のブリタですら男に興味が出ると困るから、話題にしてほしく無いとランゲに言われていたのだ。


「あの〜、何かちがう?」


「はい、男女の営みの作法、子孫を残す為の行為の極意を享受します。この教本を参考にはじめます」


そして渡された教本を開き目次を見ると・・。


<正しい夫婦生活とは>


<お伺いと、誘い方>


<正しい性行為とは、ご奉仕のテクニック>


<快感に溺れないためには>


「うひゃ!」


「はい!、次めくって」


バッと渡された教本の目次を読んだアデールはのけぞっていた。そして目次をを捲ると、過激では無いがロマンチックに表現された半裸の男女がキスする寸前の写真が掲載され、それに過剰に反応するのだった・・。


「ひゃー!裸、はだかの〜、か、絡み・・キス・・」


「嗚呼、長くなりそうだ・・」


侍女頭はまた頭を抱え、アデールは教本を見て真っ赤になりグワングワン体が揺れていた・・。


ーー


エリアス「陛下、わくわくします。早く行きましょう」


作戦モニターに映るエリアスは待ちきれないのか、艦長席から身を乗り出して出発の時を待っていた。


アーネスト「そう焦るな、先発隊の連絡をノンビリ待つんだ」


クロウ星団の端に位置するフェデラリー共和国を避け、正反対側の位置に集結した連合艦隊は、戦闘態勢を敷いたまま先発隊の連絡を待っていた。


「エリアス、間もなく偵察艦は識別圏内に入る筈だ」


「はい!」


同じ頃、ディスティア帝国艦隊は混乱の最中だ。エドガーが死にクーデターを恐れた軍部は戦艦全てを係留、又は停船させ、数十隻の駆逐艦を哨戒活動に向かわせていた。


副官「この状況はヤバいぞ、早く艦隊を立て直して動かさないと!」


エイナル「いやまて、陸軍の士官達の動きが怪しい。諜報部の報告を待つんだ」


エイナル達、士官の殆どは司令部の命令で地上に降ろされていた。それもクーデターを警戒しての事だった。どう考えてもやりすぎだった。


事務官「エイナル中将、諜報部、柱のステン局長が国家反逆罪で処刑されました」


「なんだと、諜報部の柱は国家反逆罪で処刑だと」


暗殺ではなく処刑と聞いて驚愕の表情を浮かべていたが、さらに悪い報告が上がってくる。


「側近や近い人物が実際に殺されています。殺人予告の報告が多数上がっています」


「なんだと処刑だぞ、このタイミングを狙っていたのか」


それもその筈、エドガーが作り上げた5柱の殆どが暗殺された上、その柱に近い連中も殺害予告を受けたり、実際に行方不明になり大混乱していたのだ。極めつけが諜報部のステンだ。それも処刑だ、それを知った士官達に動揺が走る。


「総統に可愛がられてた奴らが狙われるのは分かるが、柱の子飼いの連中もねらわれているのか」


「なぁ、空軍の柱は白昼堂々、視察先のホテルで襲撃された。間違い無く組織的な犯行だ。協力者も多数存在する筈だ」


「何で組織的とわかるんだ、あっ、まさか」


「そうだよ”女の視察《情事》”の最中にだよ」


その柱はホテルで密会、それも行為の最中に至近距離から後頭部に銃撃を受け死亡。一般人ならともかく、SPが入り口で見張っている最中の出来事だ。犯人は忽然と消え、愛人は薬で一時的に記憶喪失。 用意周到に準備しないと出来ない犯行だ。


「結構ヤバくないか、本当にクーデターが起きるぞ」


「だから、俺たちはここに集められて監視されてるんだろ」


沸々と溜まっていた不満が、エドガーの死をきっかけに一気に吹き出し始めたのだ。


ーー


先方の偵察艦は作戦時間になるとジャンプして消えていった。目的地はもちろんクロウ星団内のディスティア帝国だ。しかしこの船は旧型艦なので一時間ほど移動に時間が必要だった。あの二人は艦橋に入りのんびりしていたが、今まで電源が入らなかった一部の装置が目を覚まし、起動させると慌てることに・・・。


「うわぁ〜、ペイジいきなりモニターにマップが現れたぞ。これって防衛装置を回避する奴だ」


「ディスティアってジャンプ中の艦船を攻撃できるのかな、流石に無理だよね」


それは恒星圏外に設置してある防衛用の砲撃を回避する航路システムだ。これを起動すると防空識別圏内を通過する際にロックオンを回避出来るらしい。だが決してジャンプで通り抜けてはならない。


「たぶん、ロックオンを回避するための識別マーカーだと思うよ、これ結構近くまで行けそうだよ」


思いっきり勘違いしていた。通常は防衛施設の近くでジャンプアウト。そこから衝突を避けながら誘導されて本星に向かうのが正式な使い方だ。


「じゃ、1番近くで!」


その起動した装置を操作すると、防空識別圏手前まで伸びていた予定航路軌道が砲台を避けるように微妙に折れ曲がりながら恒星圏内近くまで伸びていった。さすが自国の船だけあって結構な距離まで近づくことが出来るのだった。


「じゃ、ここで」


ラッセルとの作戦会議で決めた座標を無視して、新たな目的地をポチっとペイジがボタンを押したが、別段変化はなく艦橋から見える流星のような景色は変わることはなかった。そして数十分後。


Ai「 5分後、ジャンプアウトします」


「わわわ、格納庫に行かなきゃ!」


5分後、バシューンとジャンプアウトした一隻の偵察艦。間髪いれずに一台のシャトルが格納庫から飛び出し距離を取りリモートで操船するはずだった・・・。


「離れろ、早く離れろ、急げペイジ」


「んっ?何でこのシャトル動かないんだ?燃料入っってないよ」


慌てる狐族の2人は血相を変えていた。それもその筈、船のログにあった1番近い座標を選びジャンプすると防空識別圏より深い恒星圏内にジャンプアウト。おまけにシャトルには燃料が入っていなかった。


「ねぇルイジ、このシャトルってリモート装置積んでないよ」


「はっ!そうだ、エルフォードに積みっぱなしだ」


「ガーン」


この場所に来て初めて間違いに気がついたのだ。作戦会議終了後、リモートを行うシャトルに乗って偵察艦に乗らなければならなかった。そう、二人は遊びながら宇宙遊泳をして乗ったのだ。


「やばいよね、引き返そうか」


「駄目だよ、命令違反で確実に軍法会議で処罰されるぞ」


「そういえば、ラッセル准将が俺たちの働き次第で戦況が変わるって言ってたよ」


「よし、こうなったらクーン宇宙軍の意地を見せるときだ!」


後戻りできない二人は、変な使命感に燃えこのまま作戦続行の道を選んだのだ。


「そうだね、けど俺、この作戦が終わったら”結婚”するんだ」


「駄目だよペイジ、フラグ立っちゃうよ、きっと死んじゃうよ」


「だって、お前も戻ったらミーモと結婚するんだろ」


「うん、そう、俺も作戦が終わったら結婚するんだ・・あー!フラグ立てちゃったよ」


何とも間抜けな二人はフラグを立てまくっていた・・。


「俺、結婚したらすぐにマイホーム買うんだ」


「僕もだよ、ルイジより大っきい家買うんだ、やっぱ結婚したらシャトルも新車にしたいな」


「よし、手柄を立てて報奨金を貰おう」


「うん、がんばろー、けどこのまま放置で良いかな」


「管制官とやり取りしないとダメでしょ」


「だって見てよ、もうあれ本星だよね」


「うーん、座標は確かにそうだね。けど近くない?」


「周りに船はいないよ、まちがえた?話だとわんさか飛んでるって聞いたよ」


「うーん、行けるとこまで行こう!」


適当な2人はバンバンフラグを立てまくりながら、ズンズンとディスティア本星に近づくのだった・・。


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