表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/431

腹上死は混乱を起こすのよ

まさかの腹上死

高級娼館ではエドガーが物凄く、激しく楽しんでいた・・。


「どれ、今度は君の味見をするとしようか」


「うふふ、もう3回目ですけど大丈夫ですか?」


エドガーは薬の効果で大砲の仰角は45度に保たれ元気一杯。戦勝祝いの事もあって大いにハッスル。久しぶりに延長戦に入っていた。


「なに久しぶりだからな、たっぷり楽しみたいんだよ」


「うふふ、最初はご奉仕しましょうか」


「そうだな、いや先に君の味を確かめるとするか」


「うふふ、それじゃお願い!」


いつもの神経質な表情はせず、ニンマリ満面の笑みがいやらしさを増幅させ、エドガーは少女を味わい尽くしていた。


「おお、君は凄いな、これはいいぞ」


「あん、ああん、閣下〜、激しいです〜」


汗をかき、ガンガン腰を振るエドガーはニヤニヤと笑みを浮かべて楽しんでいたが・・。


「ん?」


突然、何かがプツンと切れた。


「うっ(なんだ、暗くなってきたぞ・・・」


あれだけ激しかった腰がピタリと止まり、いきなり目が空を切っていた。


「あれ、もう終わりなの」


「。。。。」


「もう、寝ちゃったの?もう重いよ〜」


「。。。。」


崩れるように倒れ込んだエドガーの呼吸は止まり、瞳孔が開き始めていた。


「ねぇ、エドガー閣下、呼吸してないよ」


隣で絡んでいた女の子が異変に気が付き、エドガーの相手をしていた子に教えると、びっくりして伏せている顔を持ち上げると、目が開きっぱなしで視点が合ってなかった。


「イヤー、マジ、ねぇ起きてよ!」


エドガーは呼吸もせず目は開き、どう見ても死人だ。よく見れば瞳孔は開き始めていた。しかしまだ体温が残っているのでそれが逆に生々しい・・。


「緊急事態よ、誰か呼んで頂戴。みんな早く服を着て」


「あらら、変態おっさんは腹上死か、ザマァだな」


そうキツく言い放ったのは目の前で行為を見せていた男の子だ。それもその筈、ニヤニヤと見ていたエドガーは薬が効きたのか興奮して乱入。彼も餌食になっていたのだ。


「だ、誰かどけてよ~、重いよ〜」


女の子に覆いかぶさっているエドガーは放置されていた。そして急いで皆で動かそうとしたが・・・。


「あれ、もしかしてこれって、あなたのアレ痙攣起こしてない?」


「え゛!マジ、そういえばキューッとなったわ」


「これじゃ引き剥がせないよ」


「嫌よ死人と抱き合ったままなんて」


キューッとアレが締め込んで離れなくなったエドガーは死んでも尚、薬の影響がまだ続き萎まないのだ。そして慌てて職員と警備が入ってきたが、その惨状を見てなんとも言えない表情を浮かべていた。


「いきなりよ、いきなり死んじゃったの」


「おい、黙ってろ、今から運び出す」


そして運び出そうとするが、一体化して引き剥がせない恥部を見るや否や、そのまま2人を担架に乗せシャトルに運び込むのだった・・。


ーー


マグナスが部屋を出ていくと、秘書官は微妙な表情で報告書を読んだ。


「6時間ほど前ですがディスティア時間午前1時頃、エドガー総統閣下が高級娼館内でクモ膜下出血より急逝しました」


「はっ?娼館で急逝だと」


「はい、頑張りすぎたのでしょうか」


「早速、送り出した親善大使の仕事ができたな。どんなことでもいい情報を集めるんだ」


「承知しました」


情報を探ってこいといきなり命令された親善大使は全く慌てることなく、数時間後には詳しい情報を報告してきた。


<興奮剤を使用し長時間性行為を行ったことによる極度な血圧上昇が原因で、脳内動脈が破裂し、くも膜下出血を発症。そのまま腹上死したと思われます。既に病院関係者などから情報が漏れ始めてます>


詳しい情報を持ってきた大使は、その現場となった高級娼館で接待を受けたことがあったのだ。その時お相手した女性に連絡を取ると嫌がらずに詳細を教えてくれるのだった。勿論、報酬はそれなりに支払われるが、大使の人となりが良かったのだろう・・。


「現在のディスティア国内の様子はどうなっている?」


<もちろん大混乱しています。支持率は急降下中、30ポイントも一気に下がりました。詳細をデータでお送りします>


大使はこの後、数度に渡り詳細な情報を送って来た。だがその内容は酷い物ばかりだった。


「グスタフ、この情報はアーネスト陛下に送るのか。今ディスティアは大混乱中だぞ」


「ええ大統領、もう手配しました数時間で情報が伝えられます」


「仕事が早いな、流石だ」


「大使の仕事が早くて助かりました」


「そうか、わかった」


エドガーが死んで12時間後、親善大使の情報を持ったミランダがアーブラハムに向けて出発。途中緊急秘匿回線でアーネストにそのことが伝えられるのだった。


「私、ミランダだよ、すんごい情報があるんだけど」


<なんだ、新しい隠れ方か?貢物はいらないよ(笑>


「もう!、グスタフが結婚を同意してくれたんだから昔のことは言わないで、今でもあなたのことが忘れられないのよ!」


<イラン情報ありがとう、さて秘匿回線で連絡とはなんだ>


「あのねエドガーが腹上死したんだよ、だから国中大騒ぎしているわ」


<なん、だと>


「もうね、笑っちゃう情報なんだけど詳細知りたい?」


ミランダは報告書その物を持って何度も読み返し笑っていたのだ。


<いや、そっちの情報はイラネ。国内の情勢が知りたい>


「わかった、データで送るからよく読んでね。とにかくすごいから」


そしてミランダが伝えた内容は凄かった。問題は死に方だ、まさかの腹上死。これに関しては全く言い訳ができなかった。世論は現政権を白い目で見放し支持率が下がりまくったのだ。流石に好色過ぎる独裁者を許すほど甘くはなかった。アーネストは報告書を見て苦笑い。


<支持率が10%以下ってヤバいな、クーデターが起きてもおかしくないぞ>


「そうでしょ、けどね軍部がもっとすごいことになっているわ」


支持率急落により副総統では無理と判断。すると総統の椅子を狙って雨後の筍のように立候補者が乱立。それに同調したかのように軍部ではエドガーに可愛がられていた将校の中で、彼の権力を使いのしあがった連中はことごとく降格し、人前では言えないような非道の限りを尽くした勘違い野郎は秘密裏に暗殺され、軍内部は大混乱。艦隊は将校が激しく入れ替わり完全に機能不全に陥っていた。


<ミランダ、防衛隊に関する情報が手に入ったら教えてくれないか>


「うん、わかった。グスタフに聞いてみるよ」


<くれぐれも危ない橋を渡るなよ>


「心配してくれるの?うふふ、ありがとう」


<大事な協力者ですからね〜(棒>


「もう!」


とりあえず大役を無事終えたミランダは、アーブラハムに到着するとエリアスに情報を渡し、適当に名物料理の取材を行い知らん顔でフェデラリーに戻っていくのだった。


ーー


議長「アデール・ラファージュを正式にフォーレスト代表者とし、クーン精霊王国国王アーネスト陛下の元に送り出す事を満場一致で承認することと決りました」


アデールはフォーレスト議会に呼ばれ正式にアーネストの元に嫁ぐことが承認された事を議長が宣言をした。


アデール「わたくしアデールはアーネスト陛下の元に嫁ぎ、フォーレストとの絆を深める事をお約束したします」


カティーナ「我が国フォーレスト王国の為に選ばれたアデール。貴女は精霊に選ばれその責務を全うしなければなりません。その身を捧げることは大変名誉な事です。その名は永遠に語られる事でしょう」


宣言する初代女王カティーナはアデールの妹だ。気丈に話す姉を見て嬉しさと悲しみ両方の意識が混じり合い、最後は一筋の涙が頬をつたっていた。


「・・・・(お姉さま、どうかお幸せに」


アシル「ううう、クー!アデールが行ってしまう・・」


男泣きをしているのはもちろん父親のアシルだ。アーネストと直接会った事で隠し通せなくなり。溺愛していたアデールを差し出すことになった。予想はしていたが誰も反対せず完全に諦めるしかなかったのだ。


「それでは太古から伝わる伝統衣装に着替え、各地の族長にお披露目を行うように」


「承知しましたカティーナ女王様」


こうしてアデールは伝統的なエルフ族の衣装に着替え、フォーレスト内の各部族長にお披露目を行うのだ。だが、戦火が広がりの様相を見せている中ゆっくりとは回れず。略式で執り行い通常の半分以下の日程で各地を回らなければならなかった・・。


議会が散会するとアデールは女王カティーナに呼ばれ、私室に入るなりヒシっと抱きしめられた。


「アデールお姉さま、お久しぶりです!」


「おめでとうカティーナ、就任の挨拶が遅れましたね。もう酷いよランゲもお父様も教えてくれなかったのよ!」


私室に入ると女王としてではなく妹として接するカティーナ、アデールはそれに答えるよういつも通りの姉として接していた。


「ウフフ、あの二人考えて悩んで結局時間だけが過ぎたのです。城に入る前に聞きましたがしどろもどろな良い訳してましたよ」


軟禁生活が明け自宅に戻るとカティーナの姿は既に無かった。アシルに聞くと確かに言い訳がましい事を話した記憶が蘇ってきたのだった。


「カティーナ、貴女が女王に選ばれてとても嬉しいわ。私はアーネスト陛下の元に嫁ぎますけど、これからも仲良くしましょうね」


「はい、お姉様!もちろんです。さぁさぁ甘い物をご用意しましたよ。味が違うので分け合って食べましょう」


「ウフフ、あっ、これ美味しい生菓子だ」


「でっしょー」


女王になっても2人だけになれば、仲の良い姉妹に戻るのだった。

よろしければブクマ評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ