明かされたユリエルの秘密と情熱的クレア
ユリエルとクレアのお話しとディスティアです。
皆で食事中、ユリエルの能力が明かされる事になった。
「おい!聞いてないぞ、その能力はなんだ」
「ああ、この子ね未来が見えるらしいのよ。それもかなり正確に」
「マジ?」
「ウッソ?」
「最近気がついたんだよ、あのね最初はウーって唸ってたけど。よく観察して意識を読むと未来が見えて警告じゃないけど何か教えてくれるの」
ユリエルは予言の能力は生まれながらにその存在能力が異常に高い。最初に気がついたのは勿論アーリーなのだが、妙に精度が高いことに気がついた。例えば、マーマー、チューと言った日はアーネストと交わり、アーネ、ネンネと言えば一緒に寝てると気がついたらしい。他にも侍女を指差しブーと言い放つと次の日、食器を落としたり。ケネスを指差し笑うとオムツ交換の時にお小水を引っ掛けたりと何かと予知するのだ。
「だが、俺たちの営みが見えるって理解しているのか?」
「そうね、調べたんだけど記録が少なくて、ここまですごい能力は自我が発達すると消えるらしいんだけどね」
「もう、覗かれているようで嫌ね」
変な想像をしているのか顔が赤いクレア。勿論、即反応するのはアーリーだ。
「じゃ、今晩は私が楽しもうかしら」
「本日はご遠慮願います(キリ」
キッパリ言い返すクレア。既に予定に組み入れられているのか、未来は変えられないのかどっちなのかと考えると面白くなってきたアーネスト。
「久しぶりに3人で集まろうか?」
「いいね」
「いやよ」
「クー、チュ〜(ジト」
「わわわ、やめて、覗かないで」
ジッと見るユリエルの視界を塞ぐようにクレアは手を伸ばし、さらに避けようと身体が斜めになり悶えていた。
「キャハハ、クレアは決定なんだ」
「もうもう!今日は私も飲みます!」
反応が面白いのかユリエルに弄られるクレアだった。だが、ムカついたのか禁断のトロりんエルフ酒を結構飲んでいた。
「クレアは久しぶりだよね〜」
「うん!今晩はたっぷり愛して貰います」
結局、予言通りだったとさ。
「入るよクレア」
「お待ちしていましたのです!ヒック、アーネー抱いて〜」
部屋に入った早々、目に飛び込んできたのはスケスケランジェリー姿なのだが、ある筈の下着は穿いてないし、そして超大胆だ。ヤバいテンションのクレアはいきなり抱きつきキス。
「今日はたっぷりねアーネ!」
「おう、任せろ!」
そして予言通りに、熱く情熱的な夜を過ごしていたが、アーネストの元にラッセルから緊急連絡が入った。
<アーネスト、アーブラハムの恒星圏内にディスティアが現れた>
「わかった、すぐ行く」
「緊急連絡入ったの?」
「ああ、すぐに飛ばないと」
「忙しいねアーネ、ありがとうたっぷり愛してくれて!」
丁度、クレアは満腹で戯れあっていた時だったのでギリセーフだった。アーネストは急いで艦隊本部に向かうのだった。
「あなた、行ってらっしゃい」
「アーネ、気をつけて」
さすが本妻、ナイトガウンのままだが見送りに出てきてくれた。
「ありがとうアーリー、クレア」
「精霊の加護があらんことを」
綺麗な奥様2人に軽くキスしてシンフォニーバードに乗り込んだ。エルフォードは既に出発準備を終え、静止軌道上で待機中だ。優雅に離陸すると主翼が展開し、星が輝く星空に消えていくのだった。
ーー
「3番艦に攻撃集中、艦橋が消し飛びました」
エルフォードの左舷を守っていた戦艦がディスティア軍の前後からの集中砲火を浴び、シールドが崩壊、崩れる様に艦橋が吹き飛ぶ。
「クッソ、数に物を言わせて集中砲火か!」
「陛下、一旦下がりましょう」
「仕方ない、3番艦を巻き込んでジャンプして撤退だ!」
交渉中のフェデラリー共和国を避け、ディスティア軍はアーブラハム帝国恒星圏内近くに集結。連絡を受けたアーネスト率いるデルタリア艦隊20隻は現場に急行。ジャンプアウト直後、別働隊に挟まれいきなり交戦状態に入ったが、敵の総数が40隻を超え圧倒的不利な状況に陥り、撤退を余儀なくされたのだ・・。
エイナル「ククク、前後を挟まれ集中砲火すれば落ちるんだなデルタリアの戦艦は」
今回の作戦の発案者エイナル中将はディスティア軍の中でも特に優秀な指揮官だ。アーネスト達の行動を読み、射程距離ギリギリの所に現れると予想、予備隊を後方に送り込み挟撃を行ったのだ。
「エイナル司令、アーブラハムまで進軍しますか」
「いや、今回はジャンプ阻害装置の確認だ、全くあいつら厄介な物を開発しやがって」
星団連合はこれまで遊んでいた訳では無かった。アーネストはアーブラハム、ラインスラスト、クーン、デルタリアの技術者達を集めジャンプ阻害装置なる物を共同開発。ディスティア軍が侵略して来ることが明白だったため準備を進めていたのだ。
「狭い範囲ですが恒星圏内に入った後はジャンプできません。装置を叩きに行きますか」
「偵察隊の報告だと大型素粒子砲と一緒に並べているらしいぞ、迂闊に近づいたらこっちに被害が及ぶ他の手立てを考えねば」
「試しにミサイルを撃って反応速度と射程距離を調べましょう。威力も分かるはずです」
「ああ、飛ばしてくれ」
恒星圏内に存在する惑星にその装置は設置してある。それも至る所に無数に配置してあるのだ。それも簡単に壊されないように大型素粒子砲とワンセットだ。もし不用意に近づけば被害が出ることは間違いなかった。今後、圏内で戦う場合、射程距離を念頭に作戦を立てるしかない・・。
「対艦ミサイル発射!」
ディスティアのミサイル駆逐艦から発射されたミサイル30発は阻害レーダー施設に向け一直線に飛んでいく。
ーー
フェデラリーで交渉中のグスタフは次なる手を打ってでた。
ベス「交渉人の方に述べます。捕虜収容所は極めて快適であります」
「日頃はどんな作業に従事している」
「食糧確保を兼ねた農作業を行い汗を流しており皆健康であります」
「くっ、ちゃんと管理しているのか」
「ええ、健康状態も良く、風紀正しく生活してますよ、何か問題でもありますか?」
「いやない、すまんが作業中の動画を見たいのだが」
次の会合では捕虜に健康状態の確認させ付け入る隙を与えなかった。だが居場所のヒントが欲しいのか動画が見たいと言ってきた。
「はぁ、それは遠慮しかねます。場所の特定されやすいのでこちらの写真で勘弁してください」
「ふざけるな、その場所に案内しろ!実際に見るまでは納得できん」
ひたすらディスティアの嫌がる事を繰り返すと、交渉人は激昂し会議は紛糾してしまったがこれも想定内だった。ひたすら時間を伸ばすためだ。
「わかりました、次回お見せしましょう」
「のらりくらりやりやがって!」
先延ばしすればするほどディスティアの世論は悪くなっていった。いつまで待っても捕虜が戻ってこないからだ。世論調査の内容を見るとエドガーはいつもお怒りだがこれもフェデラリーが生き残る為には必要なのだ。
エドガー「捕虜を見つけ出して強制的に連れて帰らせろ、支持率が10ポイントも下がった」
ゾラン「次回、収容所を見せると申しましたので、位置を特定して強襲艇を向かわせます」
「これ以上引き伸ばされるのは面倒だ。君とあろう事が何故そんなに交渉に時間がかかっておる」
総統閣下は強気で脅迫すれば簡単に終わると思っていたが、グスタフが思いのほか強かで苦戦するとは思ってもいなかったのだ。
「こちらの内情を分かっているのか時間稼ぎをしています。推測ですがグスタフのバックにクーン精霊王国のアーネスト国王が関与していると思われます」
「クーンの国王か・・・厄介な相手なのか」
「核融合技術供与など裏で手を引いているようです」
「うむ、フェデラリーに侵略すると後々面倒な事になるな」
「はい、アーブラハム帝国も控えております」
「切り崩していくか・・」
少しづつだがお互いの情報が判明し、星団連合と覇権主義のディスティアとの違いが明確になり始めるのだった。
ーー
捕虜施設見学の後、交渉は長らく暗礁に乗り上げ凍結されていた。
「時間もだいぶ経ちました。其方の事情もある事でしょう。今回10名連れ帰って下さい」
「はっ?半年以上交渉して10名だと」
「何を仰います前回収容所をお見せしたら次の日強襲艇で奪いに来ませんでしたか?まぁ此方としては誠意を表わすのでどうぞ連れ帰って下さい」
「くっそ、足元みやがって!」
相手の手の内は見えていたのでアーネストはエルフォードを使い、収容所の施設見学の後、全員乗船させ隠れていたのだった。
シェーラ「ヒャハハ、現れたな馬鹿ども!これでも喰らえ」
ガーっと大量の弾を吐き出すガトリングガン。そして銃撃を浴びせられ逃げ惑う特殊部隊の隊員達。
隊員「うわぁリモートで撃ってきたぞ、こんな事聞いてない警備の装備は貧弱と聞いていたぞ」
その誰もいない収容所に強襲艇が現れ特殊部隊が展開したが、所長は腰に手を当て大笑いしながら何機ものガトリングガンをリモートで乱射していた。
「あはは、ここには誰もいないわよ〜」
「撤収だ!撤収!」
慌てて逃げる隊員達だとさ。もちろん殺しはしなかった・・。
「映像は撮れたか」
「はい勿論です。早速ディスティアに送ります」
「メッセージを添えてくれ、当分の間交渉は凍結すると」
あくまでも強気のグスタフだった。
ーー
ゾランがいつもの転送でいなくなると、必ず頃合いを見てアーネストから連絡が入ってくる。勿論、盗聴の危険があるのでモジュール通信で且つ秘匿回線を使っている。
アーネスト「グスタフ、次回、不可侵条約の話を始めるんだ。餌として捕虜半分を返せば相手は納得するだろう」
グスタフ「陛下、それですとディスティア側に組みいる事になりませんか」
「それが狙いだよ、一旦星団側と距離を置いてフェデラリーは自国の安全確保を優先するんだ」
「わかりました。確かにこれ以上引き伸ばしは得策では無いですね」
今回、渋々10名の捕虜を返した事で世論は多少持ち直すが、この先、少人数ずつ解放すると逆にフェデラリーの印象が悪くなる可能性が出てくるからだ。
「頃合いを見て中立国家を目指すようにすれば良い」
「ありがとうございます。なんとお礼を言って宜しいやら」
「フェデラリーの植民地化を防ぐ最良の手立てだ。次回交渉に入る前に旧型艦を送る」
「宜しいのでしょうか、我々の技術はまだ未熟です」
アーネストはここでフェデラリーを中立国家にするために大きく舵を切ることを決め、クーンに保管してある旧型艦を送り防衛隊を結成させるのだった。
「悪いが技術流失の恐れがあるので、燃料に生体エネルギーは使えない、核融合炉を使ってくれないか」
「承知しました」
それから半年後、数回の折衝を重ね、フェデラリー共和国はディスティアとの不可侵条約を締結。だが星団連合とは表立ってコンタクトが取れなくなるのだった・・。
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