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初めてのクーンと新装備

アーリーとロレーナは妊婦仲間です。

ケネス「アーリー様、ディスティアのお客様が到着しました。謁見の間に御移動お願いします」


グスタフとミランダはお客様なので検疫は事前に済ませていたが、ロレーナ達は全員まとめて行うので少し遅れて城に入ってきた。クーンに到着して以来、案内人が同行する程度で彼女達には特に監視も手錠もなし、行動抑制の首輪をはめられるわけでもなく行動に関しては比較的自由だった。とは言えクーンで逃げてもすぐに死ぬか捕まるかの2択しかないのだ。


「アーリー、先頭の彼女がロレーナだよ」


「うん私と一緒だね、もう一つの鼓動が聞こえるよ」


アーリーは既に感じていたのか、先頭を歩き入室してくるロレーナを見てもう一つ生命が宿って居ることに気がついていた。一通り挨拶が終わりそのまま客間移動してお茶会を始める事となった。


「ロレーナさん、貴方は城近くの宿舎で生活してくださらない、身の回りの世話をする侍女を付けるわ」


「ええ、侍女ですか?監視じゃなくて?」


「ここからは逃げれないし勝手に森に入ると危ないからね。そもそも逃げ出したくても無理でしょ人間少ないし」


「ええ、確かに・・人間少ないですね」


「私がお客様って言えば誰も手出ししないから安心してね」


「はい・・」


「あの、私たちは牢屋に入るのでしょうか?」


他の艦長達はロレーナは身重なので個別に保護される事に関して不満はないのだが、自分達の処遇が気になるのか心配して聞いてきた。


「あなた達も一緒に住むかしら、けど、そうね無職ってのもヒマを弄ぶでしょ、働いてもらおうかしら」


「農作業とかですか?身体を動かす方が気が晴れていいと思います」


「そうね身体を使う仕事ですか、うん、それならキツイけどアレやって貰おうかな」


アーリーはわざと目線を下に外しゆっくり士官達を見渡す。キツイ仕事と言われ更に舐め回すように見られている双丘と相まって彼女達が想像した仕事は一つしか思いつかない。


「ま、まさか・・・身体って」


「だって捕虜だし、獣人達は気にしないわよ逆に喜ぶかな。うん凄く喜ぶよ」


「ひどいよそれって」


「満足しないとおかわりするから大変だけどね〜」


「お、おかわり・・そんな身体がもたないわ」


「そう?多くて3回くらいよ」


「え゛、そんなに”性豪”なの?」


「アーリー様、まさかその働くって・・その職業って・・」


アーリーの悪戯に嵌った士官達は完全に勘違いしていた。ロレーナは部下を心配して流石に問いただそうとしていたが無視して話をさらに進めるのだった・・。


「まぁ、皆んなタフだよ、特に満月の時は血が沸き立つのか凄いわよ」


「うひゃー、こ、壊される!」


「ええ!、私達、人権無視を飛び越えて蹂躙されるの(大汗」


「ククッ、もうアーリーって遊んでるよね」


隣りで黙って笑いを堪えていたクレアはアーリーの悪戯に気が付いた。


「ウフフ、貴女たち勘違いしたでしょ!」


「へっ?」


「働くのは厨房だよ、みんないっぱい食べるからね!」


「あはは、あは(汗」


「ふぅ〜、もう!女王様の冗談はキツイです〜」


アーリーは悪戯する事で微妙な距離感を無くそうと思っていたようだ。緊張していた士官は引きつりながら笑っていた。


クレア「アーリーは精霊女王、絶対的権力者ですが争い事や人権を無視するような事はせず、皆と仲良くやっていければと考えているのです」


「そう、貴女達はこれから規律を守り生活して頂けるのであれば、牢屋に入れたり人権を無視するような事は致しません」


「わかりました、私たち右も左も分かりませんが宜しくお願いします」


「ウフフ、それじゃ城の食堂で頑張って働いてね」


「はい!ですが何故この様に寛大なのでしょうか」


「貴女達はクーンに刃を向けていません。ですから私は敵対する事はしません。ただそれだけ」


「向けた場合は全力で贖うと」


「ディスティアの事はアーネストから伺っています。ですから有事の際は覚悟して下さいね!」


「そうですね・・」


ロレーナ達士官は、敵意を向けないアーリーを信用し真面目に与えられた仕事を務めるのだった。


ーー


グスタフをアーリーと共にデルタリアに送り出したアーネストは、クーン宇宙軍本部に向かっていた。その車内ではミランダが猛烈アピールしていたのだった。


「ミランダさん、本部の内部は許可されたところしか撮影しないでね」


「勿論わかってます!」


「ねぇミランダ、そんなにアーネストの横にくっ付いて撮影できるの?」


アーネストにピッタリ寄り添うミランダを見たクレアがツッコミを入れる。嫉妬心ではなく意識を読めるからこそ弄っている様だった。


「ええ、そうですよ。離れると声が取れないじゃない」


「ふーん、私がマイク持ちましょうか?」


「いえ、そんなお手を煩わせるわけには」


「じゃ、私が撮るね!アーネストにベッタリな感じでいいかしら」


「わわわ、それはやめて流せないから」


「ほら、シャトルの中じゃ無いとくっ付け無いから遠慮しないでいいわよ」


「クック・・」


「もう!」


ニッとサムズアップするクレアを見たアーネストは噴き出しそうになっていた。


「ミランダ、参考の為に聞くけどフェデラリーには結婚に関して制限はないの?」


「大昔、共和国が一つになる前、国際結婚には制限がありましたが今は無くなりました。ですがヒャンド自治区に住むヒャンド人とはほぼ結婚しませんね」


「ヒャンド人?ああ、あの自治区って違う人種なんだ・・」


「ええ、フェデラリーは基本単一民族なのですが、ヒャンド人だけはDNAが全然違うんです」


「ふーん、」


「アーネスト陛下その事はあまり知らない方が宜しいかと、彼らは共和国の恥部でして・・」


「悪いけど詳しく教えてくれないか、後から知るより良いでしょ」


「・・・」


「無理なら教えなくてもいいよ」


「わかりました」


ミランダは少し考えた後、ヒャンド人の事を教えてくれた。とは言っても仕事で必要な程度の知識だった。彼女曰く街中で滅多に見ないので誰も気にしてないとのことだった。


「何故その人たちと結婚しないの?」


「はぁ、一言で言うなら働かないんです。ですが一部の有能な方は私達と結婚したがっていますが基本お断りしてます。後々面倒なので・・」


要は血縁関係を結びたく無いらしい。特にヒャンド人が女性の場合は忌み嫌われることが多いそうだ。


「分かったありがとう、助かるよ詳しい事がわからなかったんだ」


アーネストは歴史を調べ自治区が存在する事は知っていたが、ヒャンド人に対しての内情までは調べる事が出来なかったのだ。


「実はこの自治区代表者の奥さんの1人がフェデラリー出身なんです、詳しい経緯は知りませんが数十年前話題になりました」


「えっ?一夫多妻制なの?」


「ええ、彼らにフェデの常識は通用しませんので・・」


「・・・(うんクレアは絶対関わらせない様にしよう」


この時アーネストはヒャンドとは極力関わらないようにしようと心に決めるのだった・・。


ーー


クーン宇宙軍本部に到着したミランダはクレアと案内係に任せ、アーネストはウラッツェンが務める武器開発部に向かった。


「ウラッツェン、試作品はできたのか」


「はい陛下、ディスティア軍が使用していたこの装備はすごいですね。押収した物を使って試作品は完成しています」


アーネストはディスティア軍が耳に装着していたイヤフォンの様な通信機を押収し、ウラッツェンに解析と試作品制作を頼んでいたのだ。


「結局これは通信機なのか?」


「これがですね、通信も兼ねたマルチ支援装置です。言語登録が済んでいるなら即時に翻訳し、声帯をコントロールして会話が可能です」


モジュールと言われるこの通信機は、翻訳機としても使え、タブレットとリンクすれば自分の健康状態も一目でわかる優れものなのだ。


「す、凄いな、だから違和感なく喋っていたのか。これがあればスピーカーは必要ないな」


「はい、ですが装着の際に結構な痛みを伴います。一度装着すれば外すことはほぼ無いのですけど・・」


「君は試したのか?」


「はい、何度か試しました。慣れれば大丈夫です」


「それでは私も試そう」


「えっ、装着します?最初は痛いですよ」


「俺がやればみんな安心するだろ」


捕虜に尋問した時も皆同じ様な話をしていたそうだ、ここはアーネストが装着して見本を見せれば皆怖がらずに装着すると思い、思い切ってつけてみることにした。


「これを耳にイヤフォンの様に入れるだけです」


「分かった」


アーネストは言われた通り右耳にそれを差し込むとものすごい違和感と共に、喉の辺りが痛くなり頭痛も始まった。だが3分ほどで急速に痛みが引き、なんと無く右側に重さを感じるが気にならない程度だった。


「それでは通信を試しますので、頭の中で私の事を考えてくださいそのまま繋がります」


「分かった」


ウラッツェンに言われた通りに頭の中で考えると普通に話す事ができた。だがいまいち反応が遅かった。


「どうですか、考えるだけで通話が可能です。とりあえず言語解析が進んでいるラインスラストとは普通に喋れます」


「なるほど、そうか、んっ、もしかしていまこれを使って喋っているのか」


「はいそうです。既にワルワラと試してとても良いです。細かい表現まで理解できますね」


「そ、そうか・・」


言語が違う2人の営みは今までどうやって翻訳していたのか少し気になるアーネストだった・・。


「量産化についてですが、チップの再設計が必要でして許可をお願いします」


「うーん、意外に使い勝手が悪いというか遅いな」


「この試作機は通信用サーバーかタブレットとリンクすればバッファ領域が増えてサクサク使える様になります。将来的にはクーン標準言語に置き換えれば単体でも軽く動く筈です」


「分かった、量産化は許可する。だがラインとアーブラハムとの規格は統一してくれよ」


「もちろんです、既に各国の技官と協議が進んでいます。ディスティアにハッキングされないようにブロックチェーンの構築の話まで進んでいます」


「仕事が早いね、それじゃ頼んだよ」


「わかりました。それとアーリー女王様に頼まれた小型機の試作機が来週、城に届きますので楽しみにしてください」


「話は聞いている、楽しみにしているよ」


因みにワルワラが命名したハミングバードはまだ出来上がって無かった。鳴き声はすぐに再現できたらしいが、エンジンが思いのほか出力が上がらず苦労していたのだった。


「そう言えばエルフォードは初めての大規模改修に入りますよね。今回僕の設計したエンジンを積む事にしました」


「そうか、速度が早くなるのか?」


「速さより立ち上がりに重点を置いた設計です。大きいので低速時の応答性を良くして、良く曲がるようになります。もちろん作戦スピードも10%ほど上がります」


「ははは、星団最速じゃないか」


そう、エルフォードは改修前でも作戦スピードが抜群に早いのだ。ウラッツェンの開発するエンジンは特に強力で、次世代標準型戦艦に搭載が決まっていた。


宜しければブクマ評価お願い!

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