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クレア拉致される、けど予定通りなんだな。

クレア司令官炸裂!

クレア拉致される、けど予定通りなんだな。


「やはり認識阻害の何かを使っているな。ベス追跡を開始する」


<りょうかーい>


朝早くからロビーの端で隠れ降りて来るのを待っていたロレーナ。クレアの姿は確認できるのだが、イマイチちゃんと顔が確認出来ない。ベール状の認識阻害幕を使っているからだ。パートナーのベスはシャトルで待機、サクッと拉致した後に呼び出しトンズラするつもりらしい・・。


「さて行きますか、ちゃんと付いてくるかな」


ロレーナの気配を既に察知したクレアは、全く気にする事なくホテルの館内を歩き回り併設された美容室に入っていった。


「あ゛!外じゃないんだ、ああもう私の馬鹿!作戦変更しなきゃ」


全然予想だにしてなかったホテル内の美容室に入るクレアを見て、自分のバカさ加減に今更気が付いた。


「うふふ、お馬鹿さんね!となると出て来るところで何かするのかしら」


「クッソ、こうなったら混乱に乗じて拉致してやる!」


嘲笑う笑みを浮かべる余裕のクレアを見て怒るロレーナはとんでもない事を思いついた。それはベスから受け取っていたスモークを厨房の裏手に放り込んだのだ。間も無くしてモクモクと煙が立ち込め煙探知機が作動、ジリリと非常ベルが鳴り響きホテルスタッフが慌てて火元の確認を行なっていた。


「お客様、火災報知器が作動したようです、セットの途中ですが非常口から外に避難してください」


「わかりました」


まだセットの途中だったが、従業員に言われ非常口に向かうクレア。扉を開き中に入るといきなり手を引かれ、それと同時に背後から脇腹あたりに硬い金属物がグイっと押し当てられた。


「叫んだら死ぬわよ、黙ってエレベーターに乗りなさい」


「あらあら、強硬手段に出ましたか」


「五月蝿い、さっさと歩け!」


2人は薄暗い廊下を、非常灯の明かりを頼りに荷物用エレベーターに乗り込み駐機場に上がっていった。


「ねぇロレーナ、集合時間って何時なの」


「んっ?2時間後の0900時だ、余り時間がない。あれ?なんでわたしはペラペラと喋っているんだ?あれ?」


「そう、わかった」


クレアは終始抵抗する事なく大人しくしていたが、エレベーターが駐機場に向かう途中、ロレーナの精神を操り集合時間を聞き出す。もちろん喋った内容はリアルタイムにアーネストにも届いていた。


「おはようございます、アーネストです。アイアス司令ランデブータイムは2時間後の0900時です」


<助かりました、艦長代理が強情で時間を白状しなくて困ってました>


「はは、やはりそうでしたか、それではそちらに向かいます」


<お待ちしています>


ーー


クレアがまだ寝てる頃の偵察艦隊のお話・・・。


「艦長代理、サブフレーム立ち上がりません!」


「えっ?」


メインフレームが立ち上がる前にサブが立ち上がるのだが、モニター画面にはオフラインの文字が並んでいた。


「あっメイン起動開始しました、しかしCICとAiが起動しませんオフラインのままです」


「原因は何だ、これじゃ丸腰と同じだ!」


「今原因究明を行なってますが、艦橋に権限を移して手動で動かしますか」


「とりあえずそうだな手動で広域スキャンだ、迅速に安全確認を急げ!武器は艦橋から直接操作を行う」


再起動を終えた偵察艦隊はCICとAiが起動してない状態だ。ダリダは手動で広域スキャンを行い安全確保を急いでいた。砲手は砲塔を回し作動確認を行っている。


「ジャミングカウンター完了、無線使えます」


「砲塔、対空砲火、ミサイル動作問題なし」


「艦長代理、四方100キロに艦影無し」


「ふぅ〜、これで一安心だ、悪いけど照準は手動で行ってちょうだい。確認を終えたら補助エンジン始動」


「了解しました」


多少問題あるがメインフレームは正常に起動、あとはエンジン再起動を待つだけとなり一安心したダリダだったが、落ち着かないのか艦長席を離れ窓の外を眺めていた。


「人感センサー、赤外線センサー共に正常に起動、周囲に熱源無し」


「えっ?」


レーダーモニターを見て報告したレーダー手は問題ないと言い放ったが、外を眺めていたダリダは信じられない光景を目の当たりにして、手に持っていたティーカップを床に落とした。


「おい、嘘だろ、何だこの巨大な戦艦は・・」


「だ、代理・・後方モニターに戦艦多数確認、レーダー反応無し」


ダリダの乗る司令船の真横にステルスを解除して出現したエルフォード。距離にして200m程だ。そして僚艦の背後にデルタリアの戦艦が現れた。


<アーブラハム帝国、アイアス准将と申します。大人しく降伏してもらいたいのだが>


いきなり艦内にアイアスの声で降伏勧告が響き渡り、いやでも緊張感が走り慌ただしくなり始める。


「アーブラハム帝国だと・・・緊急戦闘配備!補助、メインエンジン緊急起動!」


「補助エンジン起動、メインエンジン始動しませーん」


「艦長代理〜、主砲にエネルギーが充填できませーん、ミサイル安全装置解除できませーん」


「レーダーは正常ですが敵艦感知しません!」


次々に上がってくる報告はどれも聞きたく無い内容ばかりだった。


「クッソ、既に乗っ取られていたのか」


流石に報告を聞き現状を掌握したのかダリダは肩を落とし、全て諦めるしか無かった。


<それでは再度お聞きします、降伏しますか?>


「わかった降伏する、乗組員の安全は確保されるんだろうな」


<勿論だ、女の子達には手を出さんよ今からそちらに向かう>


「クッソ、そこまで知っていたのか・・わかった後部ハッチを開けるからそこに入ってくれ」


<了解した、だが自爆行為は勘弁してくれないかアルビーン艦長の消息を知りたいだろ>


「ツッ!我々の目的も知っているのだな、わかった・・」


<分かっていると思うが一応伝えておく、生命維持装置はこちらでコントロールできる>


「クッ、分かっている。敵対行動をとるつもりは無い!」


<了解した>


こうして1人の犠牲者も出さずに偵察艦隊は完全無力化され、数十分後アイアスは偵察艦の後部ハッチに到着したのはいいが、出迎えた船員達は銃を構え警戒心丸出しだった。


「男子禁制です!」


「入ってきたら殺す!」


「女の園に土足で入り込むな!」


何やら土豪が飛び交い、シャトルのハッチを開くと3個の赤いレーザーマーカーが飛び込んできた。


「はぁ〜、こいつら礼儀って知らんのか?なんだこの塩対応は、副長、悪いが船を動かしてくれないか」


<了解、微速前進で岩塊を離れます>


熱烈歓迎を受け頭を抱えるアイアスは強硬手段を取りたく無かったのだが、時間も迫ってきたのでこの船を動かす命令を出した。


操舵手「わ、わわ、勝手に動いている。メインエンジン始動、あれれ、舵が効かない」


ズズズと突然、船が動き出した。慌てて操作しようとするが全て無効化され船員たちはモニターを眺めるしか出来なかった・・。


副長代理「艦長代理、こちらの制御は一切受け付けませーん」


「アイアス指令はまだ来ないのか」


「格納庫でトラブルになっているようですー」


副長代理が格納庫の画像を確認すると、女の子達が銃を構えているのが見えた。


「はっ?何で、迎えにいったんじゃ無いのか・・」


「・・・命令無視ですか」


「もう!私が直接行けばよかった」


そしてダリダは急いで後部格納庫に向かうのであった・・。


「ゴン!ぎゃ!」


「ゴン!げぇ、か、艦長代理」


「ふん!」


「ゴン!イッター、ひどーいー」


「お前ら後から略式全員軍法会議にかけてやる!覚悟しとけ!」


全員「ごめんなさーい」


ダリダが直接迎えに行き、戦闘状態の女の子達にゴンゴンと大目玉を喰らわし事なきを得た。


「アイアス指令、大変申し訳ない事をしてしまってすみません」


「いえ、平和にお会いできるのが最初のミッションですので」


貴重な時間を無駄に消費したが何とかダリダと接触することが出来た。早速、艦長室に案内され現状の確認と乗務員の安全を約束。そして本題のフェデラリーに滞在しているロレーナ達との集合時間を聞くが頑固に喋ろうとはしなかった。


「それについては絶対にお教えできません!」


「いや、これは参ったな。ロレーナ指令には重要な任務をお願いしたいのだが」


「そう申されても、私が喋ると色々問題になりますので」


先程の下士官に比べ士官達は規律正しかった。だが代理のダリダはロレーナを捕虜にしたく無いのか、集合時間を決して喋ろうとはしなかった。


「諜報部を連れてきたら自白剤が使えるのだが、副作用が激しいのでこちらとしては遠慮したいんだよ。素直に喋ってくれないかな」


「そう申されても自爆行為を禁止した手前、これ以上譲歩できません!」


「うむ、その意気込みじゃ乗務員全ての命が掛かっても喋らないつもりだな」


「はい、勿論です!自白するのでしたら全員自死を望みます!」


「副長、君も同意見なのか」


「はい勿論です。因みに士官は喋りませんし下士官は時間を知りません。アイアス指令悪しからず」


自信ありげに答えるダリダと副長代理はテコでも動かなそうだ、それほど彼女達の決意は固かった・・。


<おはようございます、アーネストです。アイアス司令ランデブータイムは2時間後の0900時です>


「助かりました、艦長代理が強情で時間を白状しなくて困ってました」


<はは、やはりそうでしたか、それではそちらに向かいます>


「お待ちしています」


アーネストから情報が齎され少し安心するアイアス。後はダリダを説得するだけだった。


「アイアス指令、何か連絡でも入ったのでしょうか」


アーネストから齎された情報を聞き安堵したアイアスの表情と、その返答を聞いたダリアは何となく察知していた・・。


「2時間後ですね、ですが合流する前に言っておきたいことがあります」


「・・・・」


「別に悪い話ではありません。頼み事をするだけです」


「・・・」


ダリダは黙ったままジッとアイアスを睨んでいた・・。


ーー


ゴトンと音がするとシャトルの後部搭乗口が開き、クレアとロレーナが入ってきた。


「あれ?艦長いきなり連れてきたのですか」


「そうよ、ちょっと強引だったけど連れてきたよ」


「お邪魔しますね、うわぁ、何これレーションの匂いなの臭いわね」


「何よ、人質のくせに偉そうね。いま食事を済ませたのよ!」


ベスは朝食としてレーションを食べたばかりなのか、口をモグモグさせ空いた容器がコンソール脇に置いてあった。


「ほら、そこに座りな。ベス、ハッチをロックして」


食べ物の匂いが充満していたが、クレアは騒ぎもせず大人しく従い後部座席に座り、ロレーナは銃を構え警戒している。


「あの非常ベルは艦長だったのですね。そうそう私が待機している時に隣のシャトルが飛んでいきましたよ」


「おい、クレア。何か知っているんだろ!話せ」


「貴方には教えません!」


「はいそうですね!」


「えっ、艦長〜、納得しちゃダメですよ〜」


なぜか素直に諦めたロレーナを問いただすベスは変顔になっていた。


「はっ?そうだった。どこに行った!」


「言えません、もう質問しないで無駄だから!」


「はいそうですね!」


「えー、貴女何かやってるでしょ!スタンで拷問しようかな〜」


腰に手を置き不満顔でクレアの目の前に立つベスは今にも電撃スタンを放ちそうだ。


「ベス!シット!」


「ワン!」


クレアに命令されるといきなり座席にシュッバっとジャンピング正座をかますベス。


「あんた何やってんの!」


「はっ?、私ったら何やってんだろ(混」


「ロレーナ、シット!ゴーホーム」


「はい了解!」


クレアに操られベスは混乱中。ロレーナはシット、ゴーホームと言われ操縦席に座りシャトルを動かす準備を始めた。


「もう、貴女また何かしたでしょ!」


「いえ、何もしてません。それより上がらないと間に合いませんよ(ドヤ」


足を組み腕を組みドヤ顔で指示を出すクレア。もうどっちが偉いのかわからない状況だ。


「はっ!、そうだったもうこんな時間だ、上がらないと」


ランデブータイムが迫っていた事に気が付き、微妙に操られたが気を取り直したベスは、ロレーナと手分けして上がる準備を始めた。このタイミングでシャトルを降りようと思えば降りれるのだが、クレアは黙ったままその様子を眺めているのだった。


「それでは上がります!」


キーンとけたたましいエンジン音を響かせシャトルはゆっくり浮上、ホテルの駐機場を出るとグングン速度を上げ大空に消えていく・・。


「これでやっとアルビーンと会えるわ」


ホテルを出て安堵したロレーナ。しかし、ピー!と警告音が鳴り響く。


「ギャー、火器管制レーダーだ!ロックオンされた」


「じょ、上昇だ!」


「ほら、ベス急いで!」


「じょ、上昇だ!後方5機の機影確認!ステルス機だ」


操縦しているベスは、自分達が狙われると知るや大騒ぎだ。事前に知っていたのか5機のステルス機が後方に張り付いた。


「はい!あっ何で命令すんのよクレア!」


「いいから早く!ベス!ゴーホーム」


「ワン!」


アホな2人はクレアの操り人形状態だった・・・。


宜しければブクマ評価お願いします〜

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