何もできんわ!
2人は街に出て大変な目に遭います
2人が向かったのはショッピングモール内にあった美容院だ。とりあえずメイクで誤魔化そうとしていた。
「ねぇ、不細工に見えるように化粧してもらえるかしら」
「お客様を不細工にですか?十分お綺麗ですが」
戸惑う店員、そう二人ともとても綺麗に見えるので躊躇していた。
「そうよ、頼めるかしら」
「お客様がお望みでしたら構いませんが」
30分後!化粧が終わり早速街に行くと・・・。
「君、可愛いね!化粧変えたらすごく化けるよ」
「そのプロポーション最高だね!」
「ちっちゃい可愛いね、お二人さん!」
「あ゛ー!」
「化粧位じゃダメですね〜」
即座に退散するのだった・・。
「ねぇ、ダサい服ないかしら!」
「承知しました。此方の商品は如何でしょう」
化粧で失敗、次に向かったのは衣料品店だ!
「よし、これなら!」
「ディスティアでしたらドン引きですよ、絶対笑われますね!」
店から出てきた2人は豹柄のジャケットに長めの革パン、足元はルーズソックスに9センチ高のピンク色のヒール。絶対あり得ない組み合わせだ!そして次は大丈夫と思い街中に出てみた!
「おお!流行の先取りしてるぞあの2人!」
「すごく細くて可憐だな」
「え゛!」
「ないわ〜」
「てっ、撤収!」
この後、カツラを被ったが効果無し。次に制服なら大丈夫と思ったが意味無し。逆に制服フェチが寄ってきてカオスに。
「子供服ならいけるよね!」
「ええ、確かにナンパの対象から外れますよね」
衣料店でもSSサイズがギリだった二人は子供服売り場に向かい、適当にコーデして貰いいざ!
「キャー!」
「うへへ、いいトコのお嬢様だな」
「兄貴身代金ガッポですね」
通りを歩いても確かに子供認定されナンパは無かったが、大柄な男二人に抱えられシャトルに無理やり乗せられそうになった。
「スタン!」
「バババ!ウギャー!」
間髪入れずに電撃スタンを掛けて誘拐犯を撃退!悲鳴を聞いて野次馬が集まると、男どもの目線が二人に突き刺さる。
「もしかして少女モデルだよね、絶対そうだよね!」
「売り出し前の地下アイドルでしょ〜」
「わわわ」
「いやーん、違いまーす」
慌てて撤退する二人、しかし男達が執拗に追いかけてくる。
「待ってー、サイン頂戴!ていうかシャツに書いて」
「一緒に写真お願いしまーす」
「イヤ!」
「逃げないで〜、待て〜」
何故か強烈にしつこかった。逃げても逃げても追ってくるのだ。それは場所の問題だ。フィギュア関係のお店が集まる言わずと知れたアレの聖地なのだ。この危険な場所にお人形のような二人が迷い込んだのだった。
「面白いニャ」
「あー、もうおかしくておかしく、腹筋崩壊しそうです〜」
「いやー、すげーモテっぷりだね」
そう、3人は彼女の行動を観察していたのだ。クレアはその格好とか化粧とか男達の反応が面白すぎてずっと笑っていたのだった。
「マーカーを取り付けたから後はミーシャが尾行するニャ」
「よろしくね、クレアの魔力をこれ以上消費する訳にいかないんだ」
「ニャ!ニャ!」
尾行は認識阻害の布を纏ったミーシャにお任せして、アーネストとクレアは一旦ホテルに戻るのだった。
ーー
「あー、楽しかった!」
「ディスティアの女の子はデルタリアと大差なかったね」
「上司らしき女性は結構童顔でしたね」
「だから狙われ追われたんだろ」
「キャハハ、思い出しちゃった」
ホテルに戻った2人はロビー横のラウンジでお茶を飲み休憩中だ。
「あっ、やっと捕まえた!」
ミランダが2人を見つけ近づいてきた。アーネストを探していたのだろう。
「グスタフは大統領府に向かったんでしょ」
「そう、そうなのよ、それでね。各局から個別インタビューの要請が来ているの出てもらえる?」
ミランダはフォーレストの詳細を記事にして映像と共に全局に配信。その後、アーネストと連絡が取れる彼女を頼り取材依頼が殺到したのだ。
「ふむ、大統領との会談が済まない限り無理だな」
「やっぱそうよね〜、話したんだけどさ〜、じゃグスタフ次第か」
「面倒だから直接会いに行くかな」
「えっ、まじ?どうやって入るのよ」
「ああ、認識阻害膜とクレアの精神魔法で何とかなるかな」
「ミーシャの分しか持ってきてませんよ、それに魔力が少なくなっています!」
「何なの、その反則技」
「仕方ない今日はのんびりするか」
「うんうん、部屋でのんびりしましょう! うふふ」
ピッタリとアーネストに寄り添うクレアを見てミランダはムッとしていた。
「もう、見せつけないでよ!」
「ミランダ、あなたアーネスト狙っているでしょ!」
「な、何でわかるのよ、あっ、もしかして魔法でわかるとか」
「そうよ、あなたの意識は好意で満ち溢れているわね!」
「わわわ、バラさないでよ!」
言われたミランダの顔は真っ赤に火照り恥ずかしそうだった・・。
「あー、もう、やっと戻ってこれた」
「しつこかったですね〜」
「お茶しよ、お茶!休憩、休憩!」
「はーい」
ロレーナとベスがホテルに戻ってきた。そのままアーネスト達の近くの席に座り寛ぎ始める。
「ねぇ、見てアーネスト。掃除のおばさんみたいな格好になってるよ!」
二人を見つけたクレアは笑っていた。それはその姿が面白いからだ。見たまんま掃除係のような薄いブルーの上着にノータックのズボン、頭には頭巾のような被り物。結局この姿が一番ダサく、且つ仕事中に見えるのかナンパされないようだった。
「まぁ、確かに仕事中に見えるな」
「大変だったでしょうね」
優しい眼差しで二人を見ていると、ロレーナが気がつき目が合ってしまう。
「あら、あの子って駐機場で立っていた女の子じゃ無いのかな」
「ああ、プロポーション抜群で小顔の女の子か!どれどれ」
素顔が気になるのか、ベスは振り返りクレアを見ると少し変わった反応を示す。
「うわぁ!予想通り小顔で可愛いわ・・・・嗚呼抱きしめたい」
「ベス、ここは違う国よ変な気起こさないでね!」
「嗚呼、指と舌で蹂躙したいな〜」
欲情してデレ顔のベス、それを見たロレーナは頭を抱えていた・・。
「こいつ変態だわ・・・んっ?何であの子はあの姿で素顔を晒せるのよ!」
さすが艦長、洞察力が違っていた。クレアの容姿と美貌を見て自分達との違いに気が付いた!
「ありゃ、コッチをじっと見てますわよ」
「まぁ遅かれ早かれ俺の顔はバレるからな、別にいいよ」
「ねぇ、あの女二人フェデの人間じゃ無いわよね、クレア様とちょっと系統が違うし」
感がいいミランダは1発で気がついたらしく、見た目と顔立ちで判断したようだった。
「ミランダ、彼女達は別な惑星から調査に来ている異星人だよ」
「ほ、本当、本当なの」
ミランダが慌てて席を立ち上がろうとしたが、即座に止めたアーネスト。
「あー、やめた方が良いぞ、クーンとしては敵性国家と判断している国だから」
「えっ何それ、敵なの」
「それが大統領に会う理由の一つだ、テレビで発表はするなよパニックになる」
「それくらい分かってるよ、出せないよそんな事、証拠もないしスクープとして出せないわよ」
お互い顔を見合わせるような状態だ。落ち着かなくなってきたのでアーネストとクレアは部屋に上がることにした。
「それじゃ部屋に入って休憩してるから」
「いいな〜、私もその休憩に混ぜてよ」
「おい!盛大な勘違いした振りすんな!」
「だってアーネスト好みなんだもん!」
プッと頬を膨らませるミランダ、顔の濃さと仕草が釣り合っていない。意外に可愛いところがあるようだ。
「うわぁ〜、直球投げてきたわそれも私の前で、あなたそれ不倫よ」
「うん、知ってるわかってるよ身分も違いすぎるし、言ってみただけよ」
「それじゃね」
少し残念そうなミランダさんは部屋に上がっていく二人を恨めしそうに眺めていたのだった。
ロレーナ「ねぇ、ちょっと、あの女の子クレアって呼ばれなかった?すごく可愛らしいよね」
アーネスト達が席を立って直ぐにコソコソと話し出す二人。
ベス「はい、確かにそう呼ばれてましたね、女神クレアとは彼女のことなのでしょうね。ちょっと待っててください」
ベスはカウンターに向かい、レンタルタブレットを借りてきて何やら動画を検索していた。
「何か情報あったの?」
「あのですね、女神クレアってこの星の人間ではありませんね」
ベスは早速、女神クレアと検索し始めると、<美人異世界人、女神クレア> <クーンの女神クレア> <絶世の美女は異世界人!>など、数万に及ぶ検索結果が現れ、さっきまで近くにいた彼女が女神だと確信を得る。
「何それ、どういうこと」
「男性がクーン王国のアーネスト陛下、女神クレアは側室だそうです」
「ちょっと、中継の内容をもっと精査して情報を得ないと」
「ノーカットは結構長いですね、部屋で見ましょう」
部屋に上がった2人はひたすら録画を確認して情報収集するのであった。
ーー
少し前、グスタフは総統府でクレメンテと打ち合わせをしていた。
「大統領、アーネスト陛下から重要な情報を頂いてきました」
「うん、良い情報なら聞くよ」
「残念です悪い知らせです」
「もう、いや!」
イジけていたクレメンテは少し立ち直ったが、それでもいつもより変だった。普段はもう少しシャキッとしているはずなのだが・・・。
「大統領、失礼ですが何か悪いことでも起こったのですか?」
「うん、僕の可愛いペットのムーランちゃんが死んじゃったの・・」
「あ、あれね、デブ猫ね」
グスタフは理由を知ると瞬時に頭を抱えることになった・・。
「デブ言わないで!もう帰って!」
可愛がっていた猫が死んだことは知っていたが、その事が原因でここまで精神的に不安定になるとは思わなかったグスタフだった。
「わかりました、明日朝出直してきます」
「そうして!」
現在、精神的に不安定なクレメンテはまともな判断が出来ない、仕方なくグスタフは一旦引き上げることにした。一晩経てばもう少しまともになるかも知れない。そう思うのであった。
「はぁ・・・俺が大統領やったほうがマシだわ・・」
ーー
「はあ、疲れたわね」
「ええ、機密漏れを心配してタブレットを持ってこなかったのが敗因ですね」
録画を確認していた2人はひたすらメモ用紙に情報を書き写していたのだ。普段ならタブレットに読み込ませれば簡単に編集できるのだが、久しぶりのペン作業は想像以上に疲れたのだろう。ソファーに座る二人はぐったりしてた。
「彼らが来る前の閃光は戦いの最中に起こった何かだね。多分爆沈したのかな」
「ふむ、で、勝者がデルタリア連合艦隊、クーンは協力者で王、アーブラハムは同盟軍ですね」
「その線で間違いないけど、この星は戦艦どころか宇宙に上がるだけで精一杯な国よ。わざわざ来るメリット無いよね、資源目当てならわかるけど」
ロレーナは情報を整理したが行き詰まっていた。まさか自分達が原因とは露程も思っていなかったのだ。
「艦長!クレアを拉致して記憶を見ましょう!」
「ええ、2人でやるの?」
「時間も迫ってますし増援呼べないし、本国に帰る可能性もありますよ」
「あなたって意外に冷静ね、てっきりあの子で遊ぶのかと思ったわ」
「うへへ、少しは楽しみますよ〜」
美味しい物を目の前にした犬のように涎が垂れていた・・。
「やっぱ変態趣味だ」
「ふん!快感を得るのには趣味は関係ありません!」
キッパリ性癖は関係ないと言い切るベス、快感に対してどんだけ貪欲なのだろうかとロレーナは悩むばかりだった・・。
「もう知らない!けど確かに時間がないよね」
彼女達の滞在時間は残り40時間を切っていた。増援も呼べず尻に火がついた2人は無謀なクレア拉致計画の作戦を立てるのだった。
「さて、準備しないとね!」
気を取り直したベスは七つ道具箱から即効性の液体麻酔薬を取り出し、小さな針に塗り始め、小型発射装置にそれをセットし手首に巻いた。次に粉末状の薬品を指輪に仕込む。どこかのタイミングで眠らせて拉致する考えらしい・・。
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