続報、アーネスト電波ジャックの件を編集
色々動き出しました。
アーブラハム宇宙軍の取調室では捕虜にしたディスティア軍の尋問が行われていた・・。
「アルビーン艦長、協力感謝します」
「私は命令されて様子見に来ただけだ、まさか返り討ちに会うとは夢にも思ってなかったよ」
「ディスティア艦隊の規模を最後に教えて頂きたいのですが」
アルビーンは終始反抗することなく大まかな情報を教えてくれた。まとめると宇宙軍を編成し有用な惑星を見つけ知的生命体が存在する場合は植民地として統治、そして資源などを採取しディスティアを発展させることが最優先だと。そう教えてくれた。彼らの考えは搾取型植民地政策なのだ。
「流石に戦力を教える訳にはいかないが、我々の艦隊はほんの一部に過ぎん、それしか教えられない」
「わかりました、アルビーン艦長は協力的でしたのでこれ以上の尋問は行いません」
「そうか、それは助かる・・・」
安堵するアルビーン、諜報部がドアの向こうで自白剤を使えとの言葉が漏れ聞こえていたのだ。
「あと、とても残念な報告がありまして、副官の方はお亡くなりになりました」
「どうした、自害でもしたのか」
「簡単に話すならそういう事です、目を離したすきに窓から飛び降りました」
「そうですか、総統閣下を盲信していたから耐えられなかったのだろう」
万歳を繰り返していた副官は終始反抗的な態度で会話もままならず、アーブラハム軍も困っていた。痺れを切らした諜報部が自白剤を投与。艦隊構成、武器のスペックなど洗いざらい喋らせた。そして薬が切れ尋問が終わり医者が診断中に隙をついて抜け出した。本人はその尋問中の記憶が残っていたらしく、最後に”総統閣下申し訳ありません”と言い放ち飛び降りたのだった。
ーー
「こ、この艦隊数は凄すぎる・・」
報告書を見るなり青ざめるのは総統代理のレリオだった。武器性能に関してはデルタリア軍とほぼ同等なのだが、その数が問題だった。ディスティア艦隊の総数のは何と100隻を超えとても強大なのだ。
「総裁代理、この情報をどう扱いましょうか、公表すれば国民が確実に動揺し不安になります」
「マル秘だ、これは隠せ、デルタリアにも知らせるな。それなりの戦力を持ってるとお茶を濁せ」
そして軍部からディスティア軍の情報が総統府に持ち込まれたが、国民不安を恐れ全てマル秘処理されてしまうのだった。
「か、畏まりました」
「まさか、エリアスには伝わってないだろうな」
「はい、得られた情報は限られた数人と諜報部しか知らない筈です」
「そうか、あいつに知られると後々大変な事になるからな。アーネスト陛下と裏で繋がっている」
王族派のエリアスは軍のトップとして国防大臣職を拝命していた。これは国民から熱狂的に敬愛されている王族を要職に就かせることで、弾圧など行わないと言う帝国の態度を表す為だった。しかし今回の情報が公表されると不安が広がり、ただでさえ落ち込んでいる帝国支持率が下がると思ったのだろう。これが悪手とは考えず隠蔽してしまった。
ーー
「す、凄く人達が集まりましたね」
「ははは、そうだね、床抜けないかな?」
CMに入り一旦中継が中断、周りを見渡すと溢れんばかりの人で埋め尽くされていた。
「これで友好的に接してくれたら最高ですね〜」
クレアと呑気な話をしている脇ではミランダと他局が言い争いをしていた。
国営放送記者「ミランダいつまでやるつもりなの、早くこっちに回しなさいよ!」
「だから、まだ降りるって指示がないのよ」
普段なら絶対この様な言い争いは起こらないのだが、流石に今回は皆苛立っていた。というか殺気立っている。
「もう、CM開けたら代表で流すしか無いわね。ねぇそうした方が良いよね」
<ああ、20分も行けたから仕方ないな、各局に流す様に手配するよ>
「そうして、皆な殺気立っているのよ」
<ははは、まぁそうだろうな>
「みんな聞いて!今から代表になるから順番に質問してね」
「サンキューミランダ」
「もう、仕方ないけどこれで借りは返したからね!」
弱小チャンネル7は日頃から他の局にお世話になっていたが、今回の事で随分借りは返したはずだ。ミランダはそう思って自分を納得させるのだった。
「はーい、本場始まりまーす」
先程まで2人で頑張っていた出先は、他局のAD数名が手伝いに入りいきなり大所帯になった。
「アレレ、まだまだ続きそうですね」
「そうだねカメラの数も増えたし」
「アーネスト陛下、今から流れを説明します。代表質問が終わりましたら御三方それぞれに個別質問を致します、よろしいでしょうか」
「構わないよ、国交に関しての詳しい話は引き続き勘弁してね」
「承知しました!」
中継が再開するとフェデラリー国の全てのテレビ放送はアーネスト達で埋め尽くされる事になった。5分程で代表質問が終わり次に個別質問に移ったのだが、1番人気はクレアだ!まるでアイドルの様な扱いになっていた。
カメラマン「クレアさん写真を撮るのでポーズをお願いします!」
「ええ、この国ではどんなポーズがいいのかしら・・恥ずい」
恥ずかしがる彼女は軽く横を向き笑顔を振りまくと、パシャパシャとシャッター音が響き渡っていた。
「おお、可愛いですね!こちらもお願いします」
「いやーん」
「それにしても絶世の美女ですねクレア様」
「そ、そうなのですか」
フェデラリーの女性達は顔が濃く、一つ一つのパーツが大きくそれなりに綺麗なのだが、クレアと比べるとひと回り大きな感じだ。小顔でボディーラインが細く見えるクレアが珍しいのか、羨ましいのかわからないが凄い人気だ。
「ええ、華奢な体つきで出るとことは出ていて、フェデラリーの雑誌モデルより綺麗ですよ」
「わわわ、ほ、褒めないで・・・恥ずい」
「あはは」
奥ゆかしいクレアは可愛らしく思われたのか、恥ずかしがる彼女をみて皆優しい眼差しを送っていた。
記者「友好的に接してくれるのですねアーネスト陛下」
「はい、敵対することなど微塵も思っておりません」
「そうですか、それを聞いて安心しました」
アーネストには政治担当者が群がり、アイアスの元には軍専門記者が集まっていた。
「アーネスト様、そろそろ戻るニャ、エルフォードが降りてきて空が大混乱してるニャ」
どこから現れたのだろう、するりと人をかき分けミーシャがアーネストの元にやってきた。首都上空に鎮座しているフォーレストは余りにも巨大で定期便の航路を邪魔していたのだ。
「ね、猫!うわぁ〜」
「獣人なの、本当にいたのね」
フェデラリーには人間族しか生息してないらしく、猫族のミーシャを見るなりみんなびっくり、一瞬会場がシンと静かになってミーシャを一斉に見詰める。
「アーネスト陛下の護衛ニャ!」
ジャキンとタガーとナイフを交差させると、怖がるどころか皆、関心していた。そう、剣筋が全く見えなかったらしい・・。
「おお、剣筋が見えないな、カッコイイです」
「ミランダさん、悪いねそろそろ一旦引き上げるよ」
「はい、色々ありがとうございました。でもどうやって帰るのですか?」
「呼ぶニャ!」
少し経つとキーンとけたたましい音が目の前から響き渡るが姿が全く見えなかった。
「それではまたね」
ステルス解除しビュンと姿を表す小型シャトル、長めの板のようなタラップが横に伸びた状態で徐々に近づいてくる。
「う、浮いている、凄い、反重力装置を使っているのか!」
軍事専門家らしき記者が浮いているシャトルを見てその原理を問いただしていた。
「そうだよ、正確には重力キャンセラーだよ」
「なるほど・・」
「おーい待ってくれ、アーネスト陛下!ちょっと大事な話が」
大声をあげ人をかき分け近づいてきたのは勿論グスタフだ。シャトルを見てもう引き上げると感じたのか、必死に名前を叫んでいた。
「あの方は与党のグスタフ議員ですね」
ミランダは面識があるのだろう、アーネストにグスタフの身分を教えるだが・・。
「やっと政治家がお出ましか、それにしても遅いね」
「辛辣ですねアーネスト陛下」
「まっそれだけ平和ということか、仕方ないこの状態だエルフォードに乗せるか」
ハァハァと息を切らしやっと近づいてきたグスタフは、アーネストの前で軽く頭を下げ敵意が無い事を現していた。
「アーネスト陛下、すみません大統領の命を受け参上した次第です、私は議員のグスタフと申します」
「グスタフ君、一緒に来てくれないか」
「へっ?一緒にとは、まさかあの船ですか」
上を見上げるとエルフォードが空一面を埋め尽くしていた。アーネストが戻るため更に高度を下げたのだろう。
「そうだよ、一旦引き上げるところだ」
「わかりました、お願いします」
「私も一緒に行きたいんですけど!」
何故かミランダも行きたいと言い出した。一人増えても問題ないが周りの記者達も行きたそうな顔をしていた。
「ミランダ、乗ってもいいが君一人だけだ、中の様子はみんなに教える事を条件としてならいいぞ」
「ありがとう陛下!」
「乗るニャ!」
アーネストはクレアの手を取り仲良く乗船、ミーシャとアイアスもさっと乗り込んだが、グスタフとミランダは怖いのか腰が引けた状態で恐る恐る乗船。
「うひゃ!こ、怖い」
「うわぁ、押すなよ」
もちろんその情けない様子は全国に流れ、後に笑いのタネを提供するのだった・・・。
”腰抜けキャスター、ミランダ”
”ビビり議員、グスタフ”
なんとも不名誉な称号をもらうのだった・・。
ーー
アイアスはエルフォードに乗る事なくそのまま自分の戦艦に引き上げ、アーネストは艦内を案内していた。
「うわぁ~、映画の世界そのまんまだわ」
「それにしても乗組員が獣人ばかりだな」
2人はキョロキョロと周りを眺めながらお上りさん状態で移動。初めて見る多種多様な種族に興味深々だ。
「さてグスタフ君、フェデラリーの大統領に会えるのかな」
作戦室に到着したアーネストは早速話を進める。
「それがですね、怯え切って既に満身創痍状態なんです」
「成る程、だが会わないと話が進まない、君が代わりに行うか?」
「まぁいずれ大統領になる男だ、俺は構わんが皆反発するだろう」
何だか偉そうな事をアーネストの前で言い放ったグスタフの意識を読み取ると確かにヤル気に溢れていた。
「そうか、わかった君を代表者として扱おうじゃないか」
アーネストは面白いと思ったのかグスタフを代表者として指名、クレアはフッと笑い賛同したようだ。
「ありがとうございます、それにしてもクレア様はお綺麗ですね」
「ふむ、下でも絶賛していたが、そんなに綺麗なのか?」
「ええ、一言で言うなら究極の女性です、皆が目指す理想の姿です」
「いや〜ん」
頬に手を当てグイングイン恥ずかしがるクレアだった。
「クレア、君はアーブラハムでもモテてたな」
「そうですよ!今更知ったのですか」
うん、今日はずっと褒められて気分がいいのか、珍しく自画自賛しているクレア、別な意味で巻き込まれタイプなのかとアーネストはそう思いジト目で見ていた。
「アーネスト陛下、クレア様は俗に言う側室ですか?」
「まぁ、身分はそうだけど強制はしてないよ」
グスタフに話を聞くと王族は以前存在していたそうだ。だが残念ながら覇権主義の国に滅ぼされ数百年前に途絶えたらしい、だか側室の事は歴史で知っていたそうだ・・。
宜しければブクマ評価お願いします。




