名代、クレア指揮官
アーリーに異変が
「んん!ああ・・」
朝早い時間、旗艦フォーレストの薄暗い貴賓室のベッドの上ではクレアがアーネストに跨り営みの最中だった・・。
「んっ?クレア・・・なんで上に乗っているのかな」
「だって・・・アレが・・」
ほんのりと紅を指し、蕩けている半裸のクレアはとてもセクシーだ。朝から艶かしい表情を浮かべている。
「ソレ、朝の男の生理現象感ですけど・・」
「うん、そうね、ンンッ、けどまだ・・」
トレミー星団周辺を軽く調べながらクーンに戻る命令を出し、そして貴賓室に入るなり抱きつかれそのままベッドイン。食事が終わり食後酒をソファーで飲んでいると密着していたクレアは気分が盛り上がり2戦目。そのまま就寝したのはいいが、朝、アーネストは重みを感じ目を開けると目の前にクレアが蕩け、押し殺した声を上げていた。そう、男の生理現象を勝手に楽しんでいたのだった。
「積極的すぎじゃないクレア」
2人で過ごす時間が増え、乾いていた心が満たされると次は肌を求め合うのがごく自然な流れだ。アーブラハムのホテルでは常に監視され楽しむ訳にも行かず、悶々とした日々を送っていたのだ。
「うん、だってホテルはアレだったし、戻ったら数日は・・」
アーリーの事を考え、けどアーネストと一緒に過ごしたい、そんな気持ちが見え隠れするクレアはとても可愛らしい。しかし朝から襲ってくるとは思いも寄らなかった。
「クレア、もう数時間でカラミティー星団に入るよ」
「うん、だから、もう少しだけ・・私を愛して」
「分かった」
そして数時間後・・・。
「アーネスト陛下お帰りなさいませ!」
「戻ったよ」
クーン城横の駐機場にいつものように着陸し、タラップを降りたアーネストとクレアの前には綺麗に整列した侍女達が並び出迎えてくれる。
「アーネストお帰りなさい!」
先に探検が終わり既に戻っていたアーリーがいつもの笑顔で出迎えてくれた。飛び込んで抱きつくかと思いきや少し様子がおかしい、と言うか大人しかった。
「アーリー、なんか静かだね」
「うん、お話があるのお茶しながらでいいかな、ウフフ」
優しい笑みを浮かべるアーリーは普段と違いとても慈愛に満ちていた。
ーー
「ねぇ2人とも聞いて、わたし出来たの」
「おおアーリー、いつもと違うと思ったけどそういうことだったのか、おめでとう」
「やっぱり、あの意識は赤ちゃんなんだ。おめでとうアーリー」
クレアは意識を読み取ると、何と言うか慈愛に満ちた優しいアーリーと小さな鼓動を感じていたのだった。
「ありがとう、みんな!もうね意識があるんだよ」
「ええ、いつからなの?」
「わかるんだ凄い・・」
先月の予定日が2週間過ぎたあたりからアーリーは自分とは違う小さな意識を感じ取れると話し、2人は驚いたが、まぁアーリーならわかるでしょ、と最終的には納得してしまった。
「男の子の名前はアーネスト、女の子は私が考えるね」
「アーリー、意識でわかるんじゃないの?」
「ウフフ、楽しみが減るから私はそこまで意識を読まないわ」
まだ膨らみが無いお腹を触りながら話すアーリーはとても幸せそうだった。
ーー
「おお!アーリーが懐妊だと、それはめでたいな」
早速アーノルドに報告したアーネストは、祝電を受ける事になった。
「はい、ありがとうございます。代わりにクレアを立てるつもりですが勉強に数週間必要となり、探査の予定が遅れてしまいます」
「良い良い、丁度、長期休暇を出そうかと考えていた所だ、ゆっくり子育てをするが良い」
「ありがとうございます。クレアは司令官でサポートで一緒に行く予定です」
「そうか、休暇明けから頼むぞ!」
アーノルドは機嫌が良かった、宇宙探検が順調に進みフォーレストから生体エネルギーを輸入し不安定だった地方のエネルギー問題解決。畜産物や野菜なのど輸出も始まり景気が良くなってきたのだ。さらにラインスラストとに技術移転に伴い莫大な資金がデルタリアに齎されることも一因だ。
「承知しました」
もちろんエルシーにも連絡したのだが・・・。
「アーリー様、おめでとうございます!」
「ありがとうエルシー」
と、お祝いの言葉を頂き、エルシーは自分の事のように大喜びだったが、アーネストと会話するととんでもない事を聞いてくるのだった。
「アーネスト陛下!妊娠するコツを教えてください!」
「はっ?いや、それって、あの・・」
いきなりの質問で困惑するアーネスト、返答に困り果てていた・・。
「ほら、体位とか、回数とか、色々あるでしょ!」
恥ずかしがる事なくズバズバ聞いてくるエルシーは、羞恥心より子供ができる事の方を願っているのか積極的だ。
「エルシー、自分の周期を確認して、ヒールで体調を万全にすればいいのよ、体位に関しては上に乗らなきゃ大丈夫よ」
「それ、やってますが中々恵まれないのです!回数ですかね、濃さなんでしょうか」
「いや、なんだ、女王同士の会話にしちゃ過激だな」
「だって、相談できる相手が少ないんだもん、エルフって性欲少ないし、できればラッキーとしか思ってないし、私には計画がちゃんとあるのです!」
「うふふ、あのね、”ご奉仕”の時にチャームを少し掛けて興奮させるのがいいよ」
「おい!」
「まぁ、アレですね、あの時ですね、わかりました!」
「こら!」
可愛らしい舌をチロっと出すエルシー。もちろんアーネストが画面を見ていない時だ。
「体外受精とか使えば良いんじゃないの?」
「それダメなのです、ちゃんと体内受精じゃないとを家督を譲れないのです」
いわゆる試験管ベイビーは、悪意がある者が介入し取り替えた場合とんでもない事になる可能性があるのでご法度らしい・・。
「もう、エルシー後で詳しい話をするよ、プライベート回線を使うわ」
「わかりました、後ほどご教授お願いします」
アーネストの前では話せないような過激な内容なのだろう。2人とも笑みを浮かべていたよ・・。
ーー
アーリー率いるデルタリア探検隊はトレミー星団外を探索していた。だがステルスシステムを持たない宇宙軍は距離を取る傾向が強く、いまいち確信に触れる証拠を入手できず苦戦していた。そしてアーリーの名代としてクレアがその責務を負うことになった。
数週間後・・・。
「もう、これじゃ電波以外解析できないじゃない!」
「クレア司令そうもうされても、相手のレーダー索敵範囲を考えてこのくらい距離を置かないと」
アーリーの名代クレア司令はデルタリア探検隊、フォーレストを旗艦とし戦艦10隻を率いてその指揮を任されていた。しかし安全距離を取るとどうしても今一歩成果があがらなかった。
「クレア、はやる気持ちは分かるが、司令官は乗務員の安全も考慮しないと」
「そうですけどー」
今回アーネストがサポートする形でデルタリア探検隊に加わっていた。クーン宇宙軍は長期任務というか、ずっと休みが無かったのでまとまった休暇を出し、フォーレスト以外の戦艦は整備ドッグにいれたのだ。因みにアーブラハムを支援する形でフェデラリー国監視活動の一部を引き受けていた。
「ふむ艦長、フェデラリーに進路変更」
「情報収集でしょうか」
「そうだ、アーブラハムと交代時間には早いがゆっくり探査しながら行けば丁度いい」
「わかりました、進路変更020.135」
「了解」
数時間後、最初に出会ったフェデラリー国近くのアステロイドベルト地帯に到着、その場所は本星から200万キロほど離れた場所にあり、数万年前、数個の超巨大隕石と惑星が衝突し大量に岩塊が飛び散り、長い時間をかけ恒星軌道に残ったのだ。その長さ200万キロ以上、幅は数十万キロに及び、惑星の夜空から見るその壮大な帯は”宇宙の雲”と呼ばれていた。
「近くで見ると単なる大きな岩なんだね」
集合場所に向けのんびり流していると、クレアは初めて入るベルト帯に浮遊する岩塊を至近距離からみて呟いた。
「ははは、そりゃそうさ」
「司令、アーブラハムから連絡が入りました。フェデラリー星の反対側に13隻の所属不明艦を探知したとのこと」
「わわ!いきなりですか!」
「ほれ司令、指示を考えて出さないと」
アーネストは作戦モニターをマップに切り替えそれぞれの位置を表示した。アーブラハムはフェデラリーに近いアステロイドベルトの中に隠れ、クレアの艦隊はそのずっと後方だ。不明艦隊は星を挟んで反対側、約300万キロ離れた位置で待機中だ。
「司令、アーブラハム艦隊5隻は引き継ぎ監視を行うとの事」
「ふむふむ、我々も停船して様子見ですね、全艦、大きな岩塊の影に入って停船。観測用アンテナ展開」
「クレア、距離を取れ密集すると見つかり易いぞ」
「了解、密集陣形解除、離れて観測開始」
「あれが謎の好戦的なアンノンか・・」
今まで順調に和平交渉が出来たこと自体奇跡だ、アーネストは流石に不安を隠せないのか珍しく爪を噛んだ・・。
ーー
ディスティア軍は資源を探しにトレミー星団を訪れフェデラリー国を発見した。その際、アーブラハムと一戦を交え同じ技術力を持つ違う国が存在する事を知り、一旦引いたのだが再度様子見に来ていた。
副長「アルビーン艦長、この星の資源を採取する場合、全面戦争になりかねませんね」
「総統は構わないとは言うが、資源確保の為に貴重な戦力を投入してまで争えば割に合わない」
「はい、戦力はそれ程強力ではありませんが、地上戦に移行した場合長期化する恐れがあります」
「それより違う国がここを監視してる事が気になる、あのベルト帯を精密探査だ」
「了解」
数分後・・。
「艦長、アンテナらしき金属物を感知しました」
「主砲発射!」
ディスティアはフェデラリーは敵とは思っていない、だが監視している他国の船は脅威と思っているのか、いきなり攻撃を開始する。
<アーブラハム側>
Ai「ロックオン信号確認、砲撃来ます」
レーダー手「艦長、着弾まで2秒」
アイアス「岩塊に着弾するから慌てるな」
そう艦長が言った矢先にズンと船体が大きく揺れ観測用アンテナがバラバラに吹き飛んだ。
「観測用レーダー破損!」
「慌てるな、ゆっくり反対側に進路を取り離脱、他の船は指示があるまでそのまま待機、プランCを実行する」
「了解」
「プランCですか、4隻で挟撃ですか?」
「あほ、これで突っ込んで来たらデルタリア艦隊が回り込んで挟撃だ、相手が慌てた所で俺の艦隊は隙をついて突撃するんだよ!」
「あっ、そうかこの状況はそうですね。各艦に告ぐ戦闘態勢に移行し敵に見つからないように。プランC発令」
「了解、戦闘態勢で現状維持、プランCに移行」
「今回デルタリア艦隊は旗艦フォーレストと共にアーネスト陛下が乗船している。間違いなく俺の思ったように動く、その時は遅れるなよ」
「了解!」
やはりアイアスの読みは正しかった。砲撃後、逃げる戦艦をを追ってディスティア艦隊は全速力で突っ込んで来るのだった・・・。
<ディスティア艦隊目線>
副官「アルビーン艦長、戦艦らしき艦船、逃走を図ります」
「ふん、逃げるのか!全速前進、殲滅戦だ」
「艦長、周囲探査が済んでいません」
「構わん、逃げるならとっくに姿を表す」
以前アーブラハムとやり合った際は5:3とディスティア軍優勢で、一言交わした直後砲撃され所詮多勢に無勢、即座に撤退したのだ。その報告書を読んでいたアルビーンは逃げ出した戦艦が一隻または自分の艦隊の数以下と判断し追い始めた。
「障害物が多くて砲撃できません」
「追いつけば問題ない、急ぐんだ」
逃げ出したアーブラハムの戦艦はアステロイドベルト沿いをアーネスト達が待機している方向に舵を切っていた。これは後ろから砲撃されない為だ、だがこのまま進めば交差する可能性があった。
<アーブラハム、アイアス目線>
「いいか、相手がアステロイドの中に入ったら転身して恒星圏外方向に進むんだ」
「了解、ですが後方から砲撃されます」
「ふふふ、奴らは通過時に減速するんだよ、それで距離が開く」
「そして出た瞬間にデルタリア軍が後方から強襲ですか」
「ああ、そうだ。プランCはこのために組んだ」
<待機中のアーブラハム艦隊目線>
「観測手を船外に、敵の動きを逐一報告!」
「了解!」
電子双眼鏡を装備した工作兵がそれぞれ船外に出て隠れている岩塊の上に移動し観測を始める。この行動はプランCを命じられ無線封鎖した時点で艦長の考えを読み解き行動しているのだ。
「いいか、3点測定をするから先頭の戦艦をトレースするんだ」
「了解」
それぞれお互いの距離を測り、接近してくる戦艦を三角測定することで距離が、そしてトレースする速度を割り出せば相手の速度が判明する。そのデーターを元に自艦の位置を動かし相手の索敵外に移動させるのだ。
「距離25000、速度3700」
「敵索敵外に移動、微速前進」
「了解」
測定結果を聞き戦艦をゆっくり移動させていた。そして自分達の出番を今か今かと待っている。
「第2戦闘体制、主砲にエネルギー充填、ワープシーケンス開始」
「了解!」
決戦の時に向けて着々と準備を進めるのであった・・・。
因みに プランAはアステロイド帯を挟んだ砲撃戦、Bは中に隠れつつ攻撃、Cは相手を誘き出して挟撃すると大まかに事前に決めていたのだった。
宜しければブクマ評価お願いします。




