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惑星ガルーダ

囚人の星に送られた2人の運命は・・。

惑星ガルーダ、またの名を”罪人の星”と呼ばれ、一部の関係者しかその場所を知らない。


その星は殆どを海で覆われ、唯一の陸地は、九州ほどの大きさの大陸と孤島が点在する程度だ。宇宙から眺めれば青と白の織りなす美しさを奏で海好きには堪らない所だが、その惑星に辿り着くには相当な苦労と労力が必要だ。


Ai「重力変動警報発令、220方向に磁場確認」


警報と同時に強力な磁場の影響で艦内の重力が不安定になり、一瞬フワッと浮遊感が漂う。


艦長「ここは何度通っても嫌だな」


「はい、操船も気が抜けません」


この名のない暗黒星団はトレミー星団に近い事から一部として扱われ、言わば小さな異物のような存在だ。またブラックホールが多数存在し暗黒星雲に包まれたその場所は船の難所と呼ばれ、ガルーダ星に向かうのも一苦労だ。以前、その星の資源探査を行ったがこれといって有用な資源は発見されず放置されていたが、そのアクセスの悪さが逆に監獄として有用と考えられ20年ほど前、地殻をマントルを弄り広大な土地を造成したのだった。


「ガルーダ宇宙ステーションに接岸完了、セキュリティー問題なし」


「よし!囚人を移動し交代要員が乗船しだい直ちに離岸せよ」


「了解」


この星に直接降りる事は出来ない、それは脱獄防止の為だ。宇宙ステーションにすら長距離無線機を設置していない。連絡を取る場合は船の無線機を使用するほかなかったのだ。それほど徹底した脱獄防止が施されていた。


看守「囚人番号ZX2389」


アルド「。。。」


「おい、お前の事だ」


「ふん」


太々しい態度の男はもちろんアルド元総統だ。だがフェイスマスクを被り前が良く見えないのか看守に引きずられるようにシャトルに乗り、目指すはこの星を維持するために必要な生体エネルギーの生産拠点、ブルムード管理棟だ。


「ほれ見えるか、あれが中央管理棟だ。だが貴様は直接処刑場に向かう」


「ふん!」


宇宙ステーションに繋がっている大気圏移動用トンネルを抜け、雲を抜け、見えてきたのは中央管理都市ガルーダだ。管理棟に隣接された長い滑走路とそこから四方5キロほどに広がるビル群も見える。しかしそこに降りる事無く方向を変え、遥か遠くに見える山脈を目指し飛んで行くのだった。


「ねぇアルドはどこにいるのよ」


一方、妻のコラリーはホテルで逮捕されて以来アルドとは顔を合わせてなかった。別のシャトルに乗せられ中央都市ガルーダの留置場に収監されていた。


彼女はアルドを利用し直接殺人犯罪は犯してないが、数件の幇助の罪に問われていた。


「旦那さんは残念ながら直接死刑執行の施設に行ったよ」


「そう、悪い事いっぱいしたから仕方ないわね。それで私はどうなるの」


「さぁ、管理官に聞けば、俺は知らない」


簡単に諦めツンとするコラリーはアルドと年が15ほど違い結構若い。その態度を見る限り彼の事は好きでは無かったようだ。


「そう、けどやっと自由が出来たわ」


その彼女は女優の卵だった5年ほど前、アルドが俳優訓練所を視察に出向いた際目を付けられ”気に入った”ただそれだけ一言で妻として娶られる。生活に不自由はなかったが、独裁者の象徴、総統の慰み者として扱われ伴侶としては決して扱われず、常に護衛の監視下に置かれ自由は無かったのだ。


ーー


アルドを乗せたシャトルはいくつかの山脈と稜線を超え、処刑執行の街ブルムードに到着した。その場所は盆地の様な地形になっており、一番高い場所に要塞の様な大きく特徴的な施設が聳え立ち、その下に広がる様に工場の様な建物と宿舎であろう低層階のアパートが並んでいた。


「ここが俺の終の場所なのか」


要塞の横の草原に降り立ったアルドは少しやつれ無精ひげが伸び、クレアを狙っていたあのギラギラしていた独裁者の威厳は消え失せていた。その落ちぶれた彼はゆっくり周りを見渡していた。


「今から会うのは所長だ、まぁ最初で最後だろうけどな。ほら歩け」


引き渡しに訪れた職員はそう言い放ち、アルドは窓の無い部屋に放り込まれた。そして数分待つと紺色の制服に身を包んだウルバーノと名乗る所長が現れ、アルドを見るなり使えないと言い放った。


所長「俺がここを取り仕切る所長のウルバーノだ。オッサンは駄目だな使えない」


アルド「それで死刑はいつなんだ!」


「ふむ、元気はいいが歳を取りすぎて労働者としては使えんすぐに執行だ」


「五月蝿い」


職員「所長、即日ですか?吸収処理は健康診断後ですよね」


「なんだそれ」


「そうだなそれが1番かな、明日は身体検査だから明後日たのむ」


「わかりました、午前中に仕込めば午後執行できますね」


「そうだな」


「答えよ、吸収処理って何だ!」


一言交わした後はアルドの質問を無視、事務的に進め処刑の日も適当に決まった。


「おいアルド明日の晩飯は何が食べたい、最後だから望みを可能な限り聞いてやる。処置の事は知らなくていい」


「ふん、血の滴るステーキでいい」


「そっか、魔獣の肉で悪いが味は保証するよ」


「ふん!」


やっと話せたと思えば、最後の晩餐の希望を聞かれただけだ。質問にちゃんと答えないのが頭に来たのかアルドの顔は歪み、とても嫌な表情を浮かべていた。


ーー


二日後、医務室に連れてこられたアルド。


「なんぜ吊り下げる、答えよ!」


「痛いけど我慢しろよオッサン」


話を聞かない職員の手には釘打ち機に似た装置が握りしめられ、アルドは立たされ両手を天井に蔓され足は床に固定されていた。そして職員は手慣れた手つきで、ブシュ、ブシュと連続で体中に半透明のクサビの様な器具を体に埋め込んでいく。当たり前だが激痛が走り大声で悲鳴を上げていた・・。


「ギャー、痛い痛い!」


「だから言ったろ痛いって」


職員は何度も行っているのだろう慣れた手つきで胸部が終わると、背中にも打ち付け数分もしないうちに合計40本ほどの楔が刺さっていた。


「さて終わりだ、早いから楽だだったろ」


「ふ、ふざけるな、この痛みなんとかしろ」


「ホレ、痛み止めだ」


職員は無造作に口の中に封を切ったアンプルを差し込むと、苦くて顔が歪むが痛みが引くと思いそれを飲み干す。それは即効性の薬なのか数秒で目が虚ろになり目線は空を切っていた。


「あ゛ー」


視線が合わず虚ろなアルドは屍のように動かなくなった。それは強力な薬物を投与され意識を飛ばしたのだ。


「おーい、無意識処理まで終わったぞ運んでくれ」


「おう、後は任せろ」


何事も無造作に扱われたアルドは搬送用のベッドに移され隣の施設に連れて行かれた。そして彼の意識は2度と戻る事はなかった・・。


ーー


中央管理都市ガルーダ。


取調室のような部屋に呼ばれたコラリーは、軍勤務の経歴も無く危険性がないので普通の女性として扱われ、行動抑制の首輪を装着しているだけでとてもラフな格好だ。


アマデオ所長「囚人コラリー、君は政治犯として収容された。独房で一生過ごすか、働くか選ぶ事が出来る。働けば金は手に入るし自由な時間も働き次第で手に入る」


コラリー「はーい、働きまーす」


手を挙げ即決するコラリー、来た当初は落ち込み暗かったが考え方を変えたのか明るく振る舞っている。


「おう、良い心構えだな。基本は農作業だが何か特技はあるのか」


ここガルーダに収監されている犯罪者の多くは政治犯だ、アルド政権になりその数が倍増していた。


「うーん、奉仕すれば自由になる時間が増えるの?」


「職業によって違うが、そうだな人が嫌がる仕事程特典はもらえるぞ」


政治犯としては珍しく若い女性のコラリーの全身を舐めまわす様に見ていたアマデオを見て、思いついた彼女はとんでもない事を云い放つ。


「もしかして、古来からある女の職業って人気ないよね」


そこそこデカい双丘を強調するように胸を張ると、アマデオの目線が一気に釘づけになった。


「ほほう、確かにそうだね。若い女性は極端に少ないな」


「あのね、わたしね名器なんだよ、もちろんアレよ、ほら吸い付くように柔らかくて30秒持たないわよ」


「ほほ、積極的だね。だがいきなりその職業を選ぶのか」


エロい視線で返す看守はとても彼女の身体に興味がありそうだ。


「けどねクッサイ労働者とか勘弁よ、だって総裁の女だったんだからねっ!うふふ」


とても囚人とは思えない艶やかな表情で所長を眺め、身体をくねらせまるで試せと言わんばかりだ。


「おおイイね。だがここは監視カメラがあるからな、試す訳にはいかないんだよ」


顔を近づけ集音マイクが拾えないほどの小さな声と艶めかしい目線を送りつつ彼女は呟く。


「じゃ、トイレで試そうか?ウフフ(小声」


「・・・んっ、ふふ」


そしてニヤけるアマデオはトイレに連れて行くと言い、コラリーを連れて部屋を出るのだった。


「おおおお、吸い付く吸い付く、ああもう最高だ」


「ねぇ、言ったでしょ!アン!」


所長アマデオは個室のトイレに入り、背後からコラリーの味見の最中だ。久しぶりに女を味わい、即座に彼女のその極上の魔性に取りつかれていた。


「嗚呼、最高の具合だよ、これなら金を払う価値はあるな」


「あなた味見したんだから、処遇はチャンとしてね!」


「おう任せろ」


「ウフフ、契約成立ね!じゃサービスよ」


コラリーは振り返り、持ち前の演技で艶かしい蕩けた表情を送り、キュッとアレを締め付けた。


「おおお、や、柔らかいだけじゃないのか・・」


「当然よ!」


女優の演技と魔性の名器が売りのコラリー、その魔性な下半身に魅了された所長は事が済むと高官用の高級コールガールとして登録するのであった。


「おい、彼女は高官専用コールガールとして登録しとけ」


「所長いいな~、良かったですか」


監視カメラをトレースし二人でトイレに入る所まで見ていた部下は、恨めしそうに役得所長をジト目で見ていた。


「チョット高いけど気が向けば相手するらしいぞ」


「ここは楽しみが無いスッからね、札束積みますよ」


「おお、アレは確かに試す価値があるぞ、初めてだったよあの気持ち良さは」


「そ、そんなに・・」


これといった楽しみが無いガルーダでは、彼女の存在価値はとても貴重だ。その美貌と名器を武器に高官達を骨抜きにしていくのだった。


ーー


「工場長、死刑囚を運んできました」


アルドを乗せた搬送用ベッドを押しながら二人の職員が入ってくる。


「珍しいな所長自らこんな場所に来るんだ。よし12番に運んでくれ」


「今回は俺が見届けて報告するんだよ」


工場と思わしき施設の中には直径2メーター程の大木が何本も並んでいる。その数は50本以上並んでいるが、枝は刈り取られ高さは4mほどしか無い。顔を描けばそれはまるでトレントの様な魔物に見える。


「この前のヤツもう一体化してますね」


「ああ、ヤクでボロボロだったから仕方ない、寿命だ寿命!」


「相変わらずすごい場所だな、まっ悪いことしたんだから最後くらい役に立ってもらわんと」


職員達が見てるそれは人体と幹が完全一体化し顔は既に木肌に近く変色していた。とにかくこの場所は一言で言うならとても気味が悪いのだ。そう、周りの幹には沢山の人の姿が見えるのだ。


「12番・・これだな、これにこいつを貼り付けるぞ」


「わかった、吊り下げるから待ってろ」


ワイヤレスリモコンを持った工場長は電動チェーンブロックを操作しフックを下げ、アルドの拘束器具に取り付け、そして適当に空いている木肌を見つけると慣れた手つきで職員が幹に押し付ける。


「この木は若いからすぐに馴染むよ」


その男が言った通り、すぐに木の表面の隙間から白い細い触手のようなものが大量にムニュムニュと音を立てながらアルドに絡みついた。


「・・・」


無意識なのか痛くないのか、眠るように目を瞑っているアルドはピクリとも動かず、下半身と腕は完全に取り込まれ、背中は幹と完全に一体化していく。


「もう拘束器具を取り外していいぞ」


「これが、この作業が一番気持ち悪いんだよな」


職員は手袋をはめ器具を取り外そうとアルドの身体を触ると、触手が伸びて絡みつく。


「うひゃ!」


気持ち悪いのか悲鳴を上げながら手早くバックルを外し引っ張ると、ズリュリュと気味の悪い音がしてベルトが抜ける。


所長「さて引き上げよう」


「そうですね、次の死刑囚が待ってますから」


作業を終えた3人は、アルドの事を全く気にする様子もなくその場から離れるのだった。


「まさかアルド総統がこんな惨めな最期を迎えるとはな」


「エッ!似ているとは思いましたが本人なんですね。思ってたより老けていてわかりませんでした」


「極秘に送られて来たんだよ、分かっているとは思うがこの事は喋るなよ」


「はい・・」


眼光鋭く所長が言い放つと職員はその意味を理解するのだった。


工場長「所長、吸収促進剤を与えて倍速処理するよ、その方がいいだろ」


「悪いね、頼むよ」


その大木は生命エネルギーを採取するためだけに遺伝子操作され作られた言わば回収装置だ。取り込まれた身体には定期的に栄養を与え生かす殺さずの状態を保ち、最後はその木の一部に変化し一生を終えるのだ。打ち込んだ楔は効率良く採取する為の器具だった。


宜しければブクマ評価お願いい!

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