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総統の妻、コラリー現る

悪女出てきました。

エリアスは移動しながら諜報部員に指示を出していた。先程クレアを愛でていたニコニコ王子から一変、真剣な為政者の表情に豹変していた。


エリアス「今回指示を出した関係者の身柄確保にむかえ」


「了解しました、既に通信記録を追い身柄確保に向かっております」


「ああ、これでアルドまで繋がりが分かれば一気に引き摺り落としてやる。僕はロボの補給のため一旦戻るよ」


「わかりました、情報が入り次第お伝えします」


一方、エリアスが出て行き、のんびりしているとホテルの支配人が訪れて来た。今回の件で謝罪に来たようだ。


「大変申し訳ありませんアーネスト様、お怪我はありませんでしょうか」


「帝国派の連中に熱烈歓迎を受けてしまったね、そちらに被害は無いかな」


「恐れ入りますアーネスト様、破損した部分は保険で修理いたしますので問題ありません。それより安全のためお部屋を変えた方が宜しいかと」


支配人から提案を受け部屋を変えることにしたのだが何か様子がおかしい。強烈な不安な意識が読み取れるのだ。アーネストは部屋を出る際、支配人にこう呟いた。


「次の部屋には誰か待っているのか支配人」


そう呟くと真っ青になって”従うしか無いのです”と小声で返してきた。


「ミーシャ、暴れていいよ」


「ニャ!ニャ〜」


暴れていいとアーネストに言われたミーシャはスキップしながら嬉しそうだった。


ーー


そして支配人に案内され入った部屋には、20代半ばと思われるそれなりの美貌を持つ女性がソファーに座り、周りに黒服の護衛が取り囲みアーネスト達をじっと睨んでいた。


「わ、私はこれで」


支配人はビクつきながら部屋を出ていくと、足を組み直しながらその女性が話し始める。


「悪いわね、私はアルドの妻のコラリーよ」


「初めまして奥様、クレアと申します」


即座に挨拶をするクレアはコラリーからドス黒いオーラを感じ少し緊張していた。アーネストもその意識を読み取り少し怪訝な表情になった。


「あらあら、そんなに警戒しなくても宜しいのに、私はただクレアさんとお話したいだけよ〜、2番目に妻にしたいんだってさ」


何と無く他人事の様に話すコラリー、だが不思議な事にアルドがクレアを娶ることに対しての嫉妬心が全く読み取れ無かった。


「コラリーさん、今回の不始末をどの様にお考えですか」


アーネストがコラリーに対し今回の事を正すと、いきなり不機嫌な顔をし睨みつける。


「なんで従者のあんたが私に指図するのよ!」


「はぁ、熱烈歓迎され黙ってろと、それともクレアを誘拐でもするつもりなのかな」


その発言で一気に部屋の雰囲気が悪くなり黒服の腕が腰の後ろに手を回し、戦闘態勢直前の格好に、ミーシャは腰のナイフに手を掛けた!一発即発状態だ。


「ふん、アルドが気に入ったて言うから見に来たのよ、まぁ確かに美人だね」


「ふん、受け取りの間違いだろ、俺のクレアは誰にも渡さん」


「キャー!うれっしいですぅ!」


アーネストの”俺のクレア”を聞いたコラリーはさらに顔が歪み、クレアは大喜びだ。


「あんたが旦那さんなんだ、まぁどの道死んでもらうけどね」


「なるほど、ここで引き渡す算段だったのか」


尋問の際、身柄確保後の話はどうでもいいので聞かなかったが、この部屋に連れてくるまでが作戦だったと今更気がついた。


「そうよ、非常用出口を使って連れ出すの、アルドに頼まれたか仕方ないのよ逆らえないし、さぁ死になさい!」


パチンと指を鳴らす音が合図となってミーシャが黒服に向かって飛び出した!


「ニ゛ャー!」


「うわぁ!」


両腕を広げ黒服2人の首に飛び掛かり薙ぎ倒し、振り返るとバスバスバスと低音が響き、銃撃を受けたミーシャが吹き飛んだ!


「ギャ!」


「くそ猫め!」


倒された黒服が立ち上がりながらミーシャに文句を言い放ち、アーネストに銃を向けようとしたが、そこにある筈の物が無くなっていた。


「ギャー、手が手が!」


「あ゛ー」


血が噴き出す手首を見て大声を上げると同時に、横の黒服も手首を切られ呻き声が上がる。


「ニャ!、抵抗すると次は首ニャ!」


「えっ?」


2人は手首を切られ蹲り、3人の前には撃たれ死んだ筈のミーシャがナイフを握り仁王立ちしている。良く見ると3ヶ所胸に穴が空き血が流れていたが、それもはもうすでに止まっていた。


「おい君たち動くと死ぬぞ、もう止めようよ」


「クッソ!死ねネコ!」


「ニャ!」


アーネストが忠告したが諦めの悪い一人の黒服がミーシャに銃を向けるが、シュッと鋭く短い風切り音がするとズルっと手首が腕から離れボトンと床に落下。


「ギャー、手が手が」


「だから無理だよ、人間じゃ剣筋すら見えないだろ」


「ひゃ!」


猫パンチより早く残像すら見えないミーシャのナイフは既にコラリーの首に食い込んでいた。


「殺すなよ、けど動いたら知らんけど」


「ニ゛ャー!」


「こ、殺さないで・・手、もう手を出さないから」


自信満々なコラリーはパチンと指を鳴らしたが、20秒後に自分の首にナイフがあてられ、青ざめた表情に変わっていた・・。


ーー


別れたエリアスの行動は自分の父親であるマリアーノの忸怩たる思いを知っているのだろう物凄く早かった。証拠品とアルドの指示した記録を検察、議会に提出、軍部にはロボの戦闘映像を流し早朝には逮捕できる体制を構築し一息ついた時、アーネストからコラリーの身柄拘束と悪行が知らされる事に・・・。


「僕の大事な”お人形様”に、そんなことするやつは絶対許せない!今から緊急招集を行うんだ!」


「王子、マリアーノ陛下にご連絡を」


「わかった!」


と、なんとなくベクトルの違うエリアスは予定を変更しマリアーノに連絡、直ちに議会招集と身柄拘束のお願いをだした。


「なんと、アルドがそんな指示を出していたのか、こ、これは緊急事態要綱に当てはまるぞ、議長に連絡だ!」


「分かりました!」


深夜の時間に差し掛かろうとしていたが、マリアーノは構わず議長を叩き起こし議会を開かせるのだった・・・。


ーー


慌ただしい夜もふけ、早朝アーネストの元に一人の男が訪れていた。


「アーネスト国王様、今回の件、先ずは謝罪を受け取って頂きませんか、本当に感謝しかありません」


深夜の議会でアルドを糾弾するために出席していたのだろう、少しやつれた表情を浮かべるマリアーノは報告とお礼を述べるためにアーネストが宿泊しているホテルに現れたのだった。


「アルド総統は結局どうなりました」


「はい、議会は紛糾しましたが、流石にデルタリアとクーンの特使に対し行った行為は余りにも酷すぎると帝国党内から批判が上がり緊急逮捕権を行使し身柄を拘束。本日の午後、総統解任決議の議会が開かれます」


「わかりました、私も出席しましょう」


「えっ、本当ですか」


アーネストは議会で挨拶しアルドを断罪し、帝国党の党員を押さえ込もうと考えていた。


「私が話をすれば余程のことがない限り解任決議は可決するとお思います」


「なんとお礼を述べていいのやら、感謝するしかありません」


ただひたすら頭を下げ、感謝の意を表すマリアーノだった。


ーー


「なん、だと・・クレア特使が出席だと・・」


被害者が自ら議会に出席するとは誰も想像すらしてなかったが、議長席の横に静かに座るクレアを見て1人の議員が勝手に未来予測を始める。


「ヤバいぞ苦労して結んだ和平条約を破棄されたら、ラインと共に攻めてくるぞ!間違いない」


デルタリア、クーン、ラインスラストは軍事同盟国だ。敵対すれば間違い無く攻めて来ると、誰しも簡単にその考えに辿り着く。


「デルタリアとの戦力は互角だが、3カ国相手にすれば負ける・・」


「どうする、総統には消えて貰うしか無いのか」


「相手次第、結果次第だな」


「ああ」


帝国派の議員達はアルドをこのまま総統と据えておくと碌な事にならないと考え始めていた。


「これより会議を始めます、その前にアーネスト国王より今回の事件に対しお話があるそうです」


「ええ!!アイツ国王だったの?」


「身分を隠していたのか・・やられた」


議長の一言で議場はザワザワと騒々しくなり動揺を隠せないのか、場の雰囲気が混沌としていた。


「初めまして皆さん、私はクーン精霊王国国王アーネスト・ウェブスターと申します。冒頭いきなりですが今回の事件は大変心を痛めております。エリアス王子の助けが無ければ私は亡きものとされていたでしょう。我妻クレアの誘拐を企て実行した独裁者アルド総裁が君臨するのであれば和平条約は破棄、今後敵性国家としてラインスラストと共にそれなりの代償を支払って頂く事になります」


いきなりの牽制パンチを繰り出した。アーネストは単に国内問題と片付けるのではなく国家間の戦争に発展する可能性があると楔を打ったのだ。それにより一気に帝国党は糾弾に賛成すると思ったのだ。


「クッソ、あいつが国王だったなんて」


「おい、それより代償って戦争だろ」


「アルド総統を擁護すれば戦争って事か・・・」


アーネストの話を聞き、帝国派議員達の顔色は悪くなる一方だ。


アルド「俺が返り咲くと戦争か・・軍部はあの2人を始末してくれないかな、無理か・・」


同じ頃、逮捕監禁されているアルドは議会の中継を特別独房で食い入るように見ていたが、話を聞き自分には明るい未来がないと想像するのは簡単だった。


「こりゃ終わったかな。いや待てよまだ諦めるわけにはいかない」


しぶといアルドの考えは、一部の過激な議員達と同じだった。


議員A「ウググ、監禁されている総統を救い出すか」


議員B「軍部の協力が無いと無理です、それよりアーネストを捕まえて人質に取り交渉材料にした方が有利かと」


諦めが悪い議員達はアルドに忠誠を誓い、彼の考えと共に突き進んできた重鎮共だ。

自分たちの利益しか考えて無くアルドを切る選択は微塵も持ち合わせていないのだろう、とんでも無い事を言い始めた。


「よし分かった、軍部に連絡を取るのだ」


「まさか会議の最中に誘拐を行うのですか」


「いやそれは流石駄目だろ、帰り際に誘拐するのだ」


「わかりました、手配します」


とんでもない行動を起こし始めるアルド支持者たちだった。


宜しければブクマ評価よろしく!お願い!

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