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襲撃、狙われるクレア

クレアさんの操が危ない!

案内役「次はエリアス王子になります」


「うわぁ〜、本当にお人形の様なお方ですねクレア様!」


いきなりそう語るのは王子のエリアスだ。晩餐会が始まり帝国関係者との挨拶があらかた終わりを迎え、頃合いを見ていた王族派が集まり始めると、挨拶の為近付いてきたのだった。


「うふふ、エリアス王子初めましてクレアと申します」


「うん、嫁を探せと言われているけどクレア様なら申し分ありません!」


「残念ですが王子、私はクーン王の側室、既婚者ですよ」


「はっ?側室なの、そうなの、うーん残念だ。そうだよねこんなに綺麗だしね!」


驚愕の事実の前に残念顔でがっくり肩を落とすエリアスは中々わかりやすい奴だ、おまけに裏表が無さそうな気のいい王子だった。


「クレア様失礼します、緊急の要件が御座いまして、王子、ちょっと此方に」


「ごめんねクレア様、またお会いしましょう」


「はい、またの機会をお待ちしております」


エリアスが話をしている途中、執事が現れ急いで離席して行くのだった。


「ふむ、怒られるのかな?違うよな」


「面白い方でしたね、思考も中々良い感じでしたよ」


「そうだね、敵対する事はないかな、王と同じで嫌味がないと言うか育ちが良いと思うよ」


「ふふ、私襲われちゃうかな」


「こらこら」


そして呼ばれたエリアスは盗聴を気にしているのか国王派の幹部部屋まで移動していた。


「王子、密偵からの報告です。今晩クレア様を強奪するとの情報が入りました」


「なんと、客人を誘拐だと!」


「はい、宿泊先のホテルにテロリストが誘拐を行う体で襲い、人質交渉はしない方針の帝国が拒否しそのまま行方不明にする模様です」


「わかった僕が助ける、アレの準備をしてくれないか!今から地下工房に向かう」


「アレとはあのロボですか」


「そうだ、そのために開発してきたんだ、ここで使えば性能を認め陸軍は一気に王国派に傾くよ」


なんだかとんでもない事をしでかしそうなエリアス王子、さすがロボットオタクだ!自分が製作した奴と使うらしい。勿論アーブラハムには人が乗って戦う簡易型ロボはあるのだが、その試作機は防弾性能、攻撃力を大幅に向上させた近未来型ユニットだ。


「わかりました!準備します。お任せ下さい!」


執事はクレアが側室とは知らない、これが縁になり繋がると勘違いして頑張るのだった。


「さぁ目覚めよ僕の相棒!」


一時間後、武器装備、燃料補給を終えたエリアスはコックピットに入るなり電源を入れ起動、キュイーンと始動音が鳴り響くとパネルに火が入り、シュッと瞼の様なアイマスクが外れ目覚める人型汎用戦闘ロボ、その勇姿は高さ2.5mほどで室内戦を想定したコンパクトな機体、生体エネルギーを電源に採用、強力なモーター、堅牢な装甲、各種センサー、武力制圧のための超高速ガトリングガンなど、機甲歩兵の原型といわれる近接戦特化型歩兵ロボットだ。


Ai「起動シーケンス完了」


クイッと出力レバーをニュートラルの位置に動かすと、ヒュンヒュンと発電機の音が響くと同時に固定用ハンガーのフックが外れロボが動き出す。


「この子の実力を思い知れ!」


可愛い痛いキャラのステッカーが貼ってある戦闘用ヘッドマウントディスプレー付きのヘルメットを被り、操作パネルの脇にはそのロボの3頭身フィギュアを置き準備万端だ!搬送用キャリアカーに乗り込み向かうはクレアの宿泊先のホテルだ!


ーー


一方、晩餐会は無事終わりホテルに戻ると、アーネストは早速武器を取り出し準備を始める。ガサゴソとタクティカルベストを羽織り細かい装備品を装着、見た目は既に特殊部隊だ。


「ヒョェ〜、初めて見ました〜、カッコイイです〜」


「調べたけど武器自体大差ないからね、この装備で大丈夫だ」


そして準備が終わりまったりしていると、正面玄関からパパパと銃声が響いて来た。


「凄いね、正面から来るとは荒技だな」


「そうですね、けど一般人風ですわよ、テロリストの体ですかね?動きはプロですけど(笑」


上から望遠鏡で眺め、警備とやり合っているテロリスト(プロ)を眺めクレアは冷静に特徴を教えてくれた。


「ミーシャは下にいるのかな?」


「たしか、何か感じるから見回りに行くとか言って、先程出て行きましたけど」


この作戦は正面玄関で銃撃戦をし、その隙に上空から屋上に降りて強襲する手筈だ。玄関で派手にやり合えば上空なんて気にならないし、テロリストが強襲艇を使うなど夢にも思わないはずだ。


「やっぱ来たニャ!」


ミーシャは遠巻きに旋回待機していた動きの怪しい船に気が付き、メイド服の上にタクティカルベストを装着、腰のホルスターに大口径ハンドガンと大型ナイフをぶっ刺し、屋上で待機していたのだった。少し経つとオスプレイをスリムにしたような強襲艇が近づきスルスルとロープが落ちて来たが、獣人の足を生かし素早く移動、それを一纏めにすると窓掃除用大型ロボに括り付けた。


「おい、ロープがロープが」


「隊長これじゃ降りられません」


慌てる特殊部隊の隊員達、それを嘲笑う如くポチッと仕掛けていた爆薬のスイッチを押した!


「さようならニャ!」


ドーンと大きな音がして固定金具が吹き飛び掃除ロボは落下していく、隊員達は慌てて銃を構えたがミーシャがハンドガンで牽制、身動きが取れないまま数秒後、強襲艇は重さに耐え切れずゆっくり地上に落下して行った。


機長「ダメだ重すぎる」


隊員「うわぁ〜、助けて・・・」


「面白いニャ!」


だがそんなに甘くは無かった。離れて待機していた予備機が発砲しながら接近、ミーシャは慌てて隠れたが執拗に追いかけ回されていた。


「動きは軍隊ニャ!」


ーー


一方ホテル正面玄関では・・・。


「大人しく降参すれば殺さない!」


警備とやり合っているホテルの正面玄関にキャリアカーが到着しハッチが開くなり、ギー!凄い数の弾を吐き出すガトリングガン、間髪入れずに小型ミサイルが飛び出し物陰に隠れていた不審者が吹き飛ぶ。そして正面玄関にいたテロリスモドキは余りの過剰攻撃にただひたすら伏せるので精一杯だった。乗ってきたシャトルはあっという間に鉄屑化、そして諦め武器を捨て両腕を上げた。


「降参します」


「玄関制圧完了!」


そう、それはあの王子が操縦するロボだ、テロリストは警備に任せ次に向かうはクレアが宿泊している最上階、ブースターに点火しバババと大きな音をたて宙を舞って行く!


「クレア様、今行くから!待ってって僕の大切なお人形!」


大事な人形を救い出す?ちょっと違うテンションでやる気満々の王子だった・・・。


「ニ゛ャー、動けないニャー」


同じ頃、ミーシャは物陰に隠れ身動きが取れなくなった。少しでも顔を出すと撃ってくるのだ。通常なら煙幕を使うのだが流石に持ってきてなかった、手元にあるのはフラッシュバンくらいだ。


「ニャ?」


ギューン!バババと騒がしいブースターの音を立ててあのロボが屋上現れ、すかさず強襲艇のエンジンを蜂の巣に、すると爆発炎上し片翼が吹き飛ぶがフラフラしながら片肺飛行で離脱を始める。エリアスは中々の猛者っぷりだ。


敵「中に、室内に急げ!」


だが強襲艇が離れる間際、6名程のテロもどきが降り立ち室内に侵入してしまったのだった。


ーー


エリアス「ふむ、無線機は空軍が使用しているデジタル、軍靴とマシンガンは特殊部隊用だね。この装備はパンサー部隊かな」


クレア「それであんた達、アーブラハム空軍の特殊部隊なのね」


「はい、そうです。空軍特殊空挺部隊ブラックパンサーです」


建物に侵入したテロもどきは速攻でミーシャが無力化。現在アーネストの部屋に連れてこられ尋問の最中だ。最初は無口だったが装備を詳しく調べられ、王子がこれは空軍の特殊装備品でパンサー部隊が使っていると言い放つと捕虜達は諦め素直に自供を始めたのだった。


「それで、命令の内容は」


「王子、私たちが受けた命令は屋上より侵入、最上階スイートルームに宿泊しているこの写真の女性を確保するのが任務でした」


「ニ゛ャー!」


ジャキンとナイフを取り出し、ドンっと机に突き立てる怖猫顔のミーシャ。


「わわわ、ほ、本当です、信じてください」


「うひゃ!ややめて、もうやめて」


侵入した兵士は近接戦が大得意なミーシャに追い立てられ、発砲するが人外な反応速度で避けられ次々に無力化、わずか2分で全員ナイフで峰打ちされ失神、その時の様子を思い出したのか全員怯えている。


「ミーシャ、嘘をついていないナイフをしまってくれないか」


「ニャ、ニャ!」


そうアーネストが言い放つと、バーサーカー状態ですごい形相のミーシャは普通の可愛らしい猫顔に戻り兵士たちは安堵のため息を漏らす。


「嗚呼・・助かった」


「証拠は押さえたけど、この後はどうするアーネスト」


「ここは王子に任せるしかないな、エリアスお願いできるかな」


「はい!勿論です。ですがその前にクレア様の手を握って良いですか」


「勿論ですエリアス王子、助けていただき誠に感謝します」


エリアスは差し出されたクレアの手をギュッと握り締めると、ニコニコしながらうんうんと頷き、それはまるでフィギュア人形を愛でるような恍惚の表情に変わる。


「嗚呼、本当に綺麗だクレア、君は僕の理想のお人形だ!」


「・・・・うん、全然方向が違う愛で方だな」


「。。。(引」


生暖かい目で見るアーネスト、引き攣って冷や汗をかいてるクレア、ニコニコご満悦なエリアスは満足したのかゆっくりと手を離した。


「ありがとうクレア、君のおかげで生身の女性に興味が湧いてきたよ」


「そ、そ、そうでございますか、それは宜しゅうございますね・・(汗」


エリアスは礼を言うと少し残念そうにしていたが、人の妻を横取りする様な考えは持ち合わせていないのだろう素直に諦めたようだ。そして連絡を受けた王族直轄の諜報部員が訪れると素早く指示を出し、捕まえた兵士と共に部屋を出ていった・・・。


宜しければブクマ評価お願いします。

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