デルタリアでお買い物!
アーネストを引き連れお買い物です。
金満女王を連れデルタリアの観光名所を巡り、昼は最近人気のあるレストランに向かった。
「おお懐かしいね、これまだ作っているんだね、けどちょっと違うかな・・」
アーリーはメニューを見て懐かしんでいた。それはデルタリアの農家で良く食べられている”ビーンズスープ”だ。ここのレストランでは5種類の豆を使っていたが実際は1、2種類が普通らしい。
「アーリーはそれを選ぶの?」
「いや・・・やめる・・・他のにするよ」
アーリーはタブレットのメニュー表を見ると少し悲しい顔になっていた。昔を思い出したのかもしれない、その表情を見たアーネストは少し面白い料理を紹介する。
「ほら、これなんか最近流行っているよ」
それは、一言で言えば「たこ焼き」日本のたこ焼きに似ているが中身が肉、チーズなど多彩な具が選べ、ソースもトマトソース、チリソースなど色々選べ、付け合わせに色とりどりの野菜が乗っかっている。
「おお、これ!カラフルでかわいいね、これにするよ」
「わかった、僕が注文するね」
「よろぴく!」
そして15分後、出来立てのそれが運ばれてくると早速ソレを口にしたアーリー。
「いただきます!」
「あっ!それ・・・熱い・・」
「パク!ギャー・・・熱い!熱い!ヒィー、水!水!」
当たり前だが、出来立て熱々のまま一口で食べたアーリーの口の中が火事になっていた。
「ほら早く飲んで」
「コクコク、ぷはぁ〜、モグモグ!うん美味いよこれ!!」
「もう、慌てて食べないでねアーリー、田舎もん丸出しだね・・・」
「田舎者言うな!わかったよ、ゆっくり食べるわよ」
その後はゆっくりデルタリア料理を堪能、メインが終わり最後のデザートが出てくるときにアーリーの”頬”にソースがついている事に気がつく。
「アーリー、左の頬にソースついてるよ」
「え、まじ?取ってよ、ねえ、取って!!」
「もう、自分で拭いてよ!」
アーリーは身体を乗り出しアーネストに頬を近づけ甘えてきたが、断る理由が思いつかず、優しくナプキンでソースを拭ってあげた。
「ふふ、ありがとうアーネスト」
「!!もう、僕じゃ無いんだからね!」
破壊力抜群の笑顔を見たアーネストは、一瞬ドキっとすると恥ずかしいのか少し俯く。
「ふふ、こんな楽しい食事なんて何十年ぶりかしら、本当にありがとうアーネスト」
「いえ、喜んでいただいて幸いです(棒」
「もう、連れないなー、”僕も楽しいよアーリー”の間違いでしょ!」
「そうですねー(棒」
恥ずかしさを隠したいのか、わざと棒読みで対応しているアーネストの心は実は乱れていた。
「もう!」
食事が終わり店を出たのはいいのだが、予定を聞くとアーリーはまだ宿泊先を決めて無かった、そして要望を聞くとアーネストの家に泊めてと言い出す。
「こら!君を連れて行ったら何て言い訳するんだよ」
「”女王様”を連れて来た”で”いいじゃん!だめ?ダメ?だーめー??」
アーネストの左右を、顔を振りながら駄々をこねるアーリーはとても楽しそうだった。
「駄目です!無理です!絶対大騒ぎになります」
「それじゃ〜、クーンで知り合った王族の恋人って言えば!」
「な!、恋人??なおさら駄目です!クーンの王族って言ったらもっと大変なことになりますって!」
歯に衣着せぬ大胆発言でまた一瞬”ドキッ”とするアーネスト。アーリーは因みに好意が芽生えているのは分かっていたので、その心情にあわせて効果的な発言を繰り返していた。
「”パンピー”じゃ駄目なの?」
「なんでスラング知っているんですか?」
「ナイショ!けどケチなのね、クーンは変な階級無いからみんな大らかよ」
「クーンと一緒にしないでください!普通に若い娘をいきなり家に泊めると色々問題が発生するんです!ホテルを探しましょう」
そして高級ホテルに向かったが部屋が小さいと文句を言い放ち、”値段は関係ない広い部屋”とわがままを突き通し、数軒まわり結局デルタリアで一番高級なデルタミラージュホテル、特別スイートルーム”一泊150万”のお部屋に決まった。
「ここで良いかな?うん、ここなら我慢できるよ」
「・・・はぁ〜(引き」
流石女王!200平米の部屋で広い寝室、豪華な浴室など上級貴族でも躊躇するような部屋を見て我慢できると言い放ち、アーネストは思い切りドン引きだった・・。
「ねえアーネスト!今、引いたよね、ねえ引いたよね!!」
「ええ、下級貴族には全く無縁の部屋ですから」
「それなら貴方も泊まっていけば良いじゃなの、部屋ならいっぱいあるでしょ」
「アーリー様、わたしには不釣り合いな宿なので遠慮致します」
「あら気にしなくていいよ、お金は私が出すしそれなら問題ないよね」
「駄目だ、遠回しに行っても理解しないらしい、それでは今日はこの辺で失礼します」
頭を抱えていたアーネストは帰る宣言を言い放つと、間髪入れずに”夕食は1人じゃ嫌”と言い出し困らせ、なかなかうんと言わないと次にアーリーはデルタリア議会に文句を言うと脅し始めたが開き直り全力拒否。。。
「ふん!女王様を放置する親善大使がどこにいるのよ」
「はーい!ここにいまーす。はい!はーい!」
「貴方、私の力を知らないようね、強制的に配下にしてやるんだから」
「え゛! やめて、マジお願い!」
精霊女王の前ではどんなに魔法に優れていても無力だ、ヴァン!と部屋が揺れ、アーリーの手のひらに青白い光が集まり強力な精神魔法を今にも発動しそうだった。それを見たアーネストが少し困った顔をするとフッとその光が消える。
「良いわよ・・もう行きなさい1人でなんとかするよ」
諦め横を向くと凄く悲しそうな表情を見せるアーリーを見たアーネストは急に罪悪感が湧き思わず助け舟を出してしまう。
「わかったよ、夕食まで付き合うよ!」
その言葉を聞いた瞬間、途端に”ニッ”と笑顔になり振り返るアーリー。
「ふふ、貴方やっぱり優しいいよね!」
「・・アーリー、計ったな」
「だって、わたし・・・」
先ほどとは違い俯き、本当に悲しい顔になるアーリー、可憐なその顔を見たアーネストの鼓動がド!ドド!と強く打つ。その悲しむ顔を見て動悸が強くなった自分を恥ずかしく思ったのか意外な行動に出る。
「アーリーまだ時間がある、明日のパーティー用の装飾品を買いに行こう!」
「そんなの、いらないわよ・・・」
「本当にいい出会いがあるかもしれないよアーリー、君はとても美しいちょっとでも装飾品があればもっと輝いて見えるよ」
「えっほんと?けど光り物に頼りたくないけどね」
「うん、アーリーは無くても凄く素敵だよ」
両者「・・・・(赤」
思わず美しいと本音が出てしまうアーネストは少し赤面、その告白とも取れる言動と表情に反応し瞬時に真っ赤になって俯くアーリー。
「ほら、行こう!ほら早く!行こうよ(赤」
「あっ!アーネスト・・・(赤」
アーネストはアーリーの手を握り、彼女は拒否する事なくアーネストに引かれ一緒に外に出る。
「もう、アーネスト!強引なんだから!」
恥ずかしさと戸惑いと嬉しさが混じる笑顔のアーリーは、自然な気持ちでお互いを意識しあっているこの状況が実は物凄く心地よかった、
「ふふ、君も楽しそうだよ」
「そうだねアーネスト楽しいね!」
まるで恋人同士のように街に繰り出し、そして向かった宝石店・・・。
店員「お客様、パーティー用でしたら、こちらの落ち着いた感じの髪飾りとネックレスと耳飾りの3点セットがお買い得ですよ」
アーネスト「これいくらなの?」
「320万になります」
「・・・・・(駄目だ高すぎる」
「ねぇ、アーネストどうしたの?」
綺麗な顔立ちのアーリーの、その美貌に負けない宝石は店員が見立て、選ぶ品があまりにも高価だった。アーネストはその宝石の値段を見て、今更ながらに格の違いを意識してしまい少し諦め顔になった。
「いや、ちょっと高いかな・・」
「失礼ですが、奥様でいらっしゃるのでしょうか、それともお付き合いしている方なのでしょうか」
「ち、違います。今回お忍びで来られた他国の王族の方を案内している者です、急遽パーティーに出る事になりまして装飾品を求めに来たのです」
「・・フン!」
アーリーはその言い回しを聞くと少し不満顔になりアーネストは困り果てていた。見かねた店主は身分がしっかりしてそうなアーリーを見てレンタル品を勧めてくる。それはダイヤを何個も散りばめたとても高価な3点セットの装飾品だった。購入すると1000万は下らない商品だ。
「はあ、それはとても助かります」
アーリーとアーネストの身分証明書を確認すると、問題なく貸し出せることが決まり当初の予算の半分ほどで借りることができた。
「色々ありがとうございます」
「また当店をご利用ください次回も必ずサービス致しますから、それでは明日お待ちしておりますアーネスト様」
レンタル品の予約を済ませ代金を支払い店を出た2人・・。
「ねえ、私が買っても良かったんだけど」
「流石にそれは・・俺、一応貴族だし、一緒にいて君が買った事が広まると親に迷惑がかかる」
俗に言う貴族の足の引っ張りあいだ。店主が実名を伏せて話しても勘の良い貴族は調べ上げ突き止め、それをネタに少しでも相手の格式を落とそうと企むものが多いのだ。
「ねえ、あの場面でだけど、恋人同士だけどお金のない庶民の2人って言ったら、安くしてくれたのかな?」
「えっ!アーリーと恋人同士?」
アーリーはアーネストの反応を見るためにわざと恋人同士と言い放つ。
「冗談よ、もしもって話よ!」
「多分?少しは引いてくれたと思うよ」
「ふふ、今度違う店に買いに行くとき恋人同士って事にしようよ、ほらこうやって手を繋いで見せつければ完璧じゃない!」
アーリーに対する意識は色で例えるならピンクだ。もう既に次の段階に入ったと確信すると、もっと距離を縮めるために恋人握りでアーネストの手を握った。
「や、やめてアーリー、心臓に悪いよ」
「どうしたの、ドキドキしてんの?」
「・・・・・(赤」
お返しと言わんばかりに手をギュッと握るとアーネストの顔が更に真っ赤になる。
「ふふ、さっき私の顔を赤くした罰よ!」
「女王様の冗談はきついですー」
「ふふ、ねえお茶しましょ」
「・・・はい」
なぜかそのまま離すことなく、お互いを見合うと良い雰囲気のまま手をつなぎ、近くのカフェまで歩いていった。だがお茶の後ドレスに靴など買い物に付き合わされる羽目になる。そして極め付けは下着だった。もちろん強引に店内に引き込み2人で品定めをしていた。そして、あっけらかんとしてたアーリーがお店の中で炸裂する。
「ねえ、クーンとは違うから選んでよ!だって男性の好みわかんないし!」
「や、やめて店員さんにお任せすればいいよ・・わわわ!!」
「ねえ早く選んでよ。ドレスの場合下着は違うって貴方が言ったのよ、コルセットにガーターベルトにフルバックショーツだっけ?それにストッキングはドレスに合わせるんだよね」
「きゃー、やめてー!」
女性客A「ジー(何よエロいわね、あの子そんな趣味なの」
女性客B「あの歳でガーターベルトなんて変態ね!下着でで興奮するタイプなのかしら」
女性客C「えっちね〜」
「周りの客の目線と呟きが超痛くて冷たいよー」
「ねえ、アーネスト!!早く!」
「嗚呼、終わった・・」
「お客様、お呼びでしょうか・・」
アーネストは渋々店員さんを呼び、3名で決めるのであった・・。
「チクショー、変態扱いされたじゃねーか!」
「うふふ、ありがと」
いろいろ買い物に付き合わされたアーネストは思い出したように突然重要なことを思い出す。
「あっ、そうだ!君の参加票提出しないと」
「何どうしたの?そんなの送ればいいじゃないの?」
「いや、それが本人確認があって、直接事務局に直接行かないとダメなんだよ」
「えー面倒臭いー、行かなきゃダメなの?」
「確かこの近くだよ行こうよ、記入して証明書の確認だけだからさっさと終わらせよう」
そして向かった事務局に向かいアーネストの紹介者という事で登録を済ませたが、買い物はさらに続くのであった。
「んっんー!結構大量に買ったわね、アーネスト」
「あの〜私、荷物持ちなんでしょうか・・・」
爆買いして凄い量の荷物を持たされているアーネスト。
「わたし〜、か弱いし〜、重いもの持った事ないし〜、お願いアーネスト!」
「はいはい」
「ハイは一回でしょ!」
「・・・奴隷扱いに抗議します!」
「仕方ないわね夕食は高級レストラン奢るから!」
「・・・・この金満女王!」
「なにか言いまして?」
「いえ、なにも」
アーネストはムカついたので超高級レストランを予約し、アーリーを案内する事に・・。
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