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オードネイ

アーリーの旧姓はアーリー・オードネイです。

話が一段落し、屋敷を出たアーリーとアーネストは両親が眠っている森の中の墓地に向かった。


「うん、一度しか来ていないから覚えてないわ!ねえ探そう」


「メンディエタだっけ?」


「ううん違うよ”オードネイ”よ、メンディエタは女王になって変えたの」


アーリーはミシェーラに言われ名前を変えた。それは貴族達に顔が知れ渡っていたからだ。


「身元を隠す為か、アーリー・オードネイ・・」


「ふふ、くすぐったいね」


昔の名前で呼ばれ恥ずかしがり微笑むアーリーは可愛らしかった。そして50基ほどある墓石を見てまわり、文字が掠れて中々進ま無かったが1つ1つ見て回りやっと見つけた。


「あっ!これかな?あー、これかも・・・・・これだ」


墓石を見つけ名前をなぞりながら読み取ると彼女の顔に優しさが溢れ始める。


「お父さん、お母さんただいま。ねえ見て!ウィルにそっくりでしょ、紹介するね私の大事な人のアーネスト、ウィルの子孫だよ」


「・・・・・・」


墓石は何も語りかけないがアーリーは自分の思いを綴る。


「やっと・・やっと・・会えたんだよ。もう辛い思いはしなくて良いんだよ。もう、我慢しなくて良いの。ねえお父さん、お母さん、私を祝福してね、天国で見守ってね」


「アーリー・・・おお凄い、凄いよアーリー」


その言葉を聞きアーネストはジッとアーリーを見つめていた、すると全身から六色の祝福の光がが溢れ始めそれが墓地に広がると急に成長した花達が咲き乱れ始め、2人はゆっくり立ち上がり、少し恥ずかしそうに抱き合いそしてキスをする。


「大事にしてね、あなた」


「うん、もちろん大事にするよアーリー」


両親とウィルの墓に結婚の報告を済ませた2人は屋敷に戻り今後の話を始める。


「さあ、もう一仕事あるわよ」


「行く前に一つ聞きたい、君はクレアを側室にしてもヤキモチ焼かないのか?」


「なんで?仲良く2人でアーネストを愛し合えば気にならないでしょ!!」


うーん、本妻特権で余裕なのか単に大雑把なのか、判断が分かれるところだが、仲間を欲しているのは間違いなかった。


「嗚呼、考えただけで体が悲鳴をあげそうだ。。。」


「ほら、早くいこ!」


グイグイと引っ張られシャトルに向かったアーネストだった。


ーー


「いきなり訪れて大丈夫なのでしょうか?」


クレアを側室に認めてもらうため3人は王宮を訪れ、陛下との謁見を待っていた。


「暇ならすぐに取り次いでくれるよ」


クレア「いや、それは流石に無いわ(汗」


アーネスト「今頃物凄く慌てていると思う」


「エヘ!」


そして15分後、慌てて時間調整したらしく即座に陛下の私室の客間に案内された。


「アーリー女王様、お早いお戻りですね(汗」


「はい、ハリウェル家のクレアさんを連れてきました、もちろん陛下の許可をもらう為ですわ」


「す、凄い行動力ですね(大汗」


「お久し振りです陛下」


綺麗なカーテシーを決め挨拶をするクレアは、初めて私室の客間に入り緊張しっぱなしだった。


「ああ、久しいのクレア」


「はい、直接お話しするのは去年の誕生祭以来になります」


「其方は本当にクーンに行っても構わないのか」


「勿論です、何ら問題ありません」


「そうかクレアありがとう」


「いえ、お役に立てて光栄です。ですが陛下いきなり決めると貴族達の不満が噴出すると思われます」


「上位貴族らも先程君らのアーリー女王との関係を見て不満はでないだろう問題ないぞ」


「はい、ありがとうございます」


緊張しているとは言えさすがクレアだ。不満が出ると予想し陛下から確実に言質を取りに行く。


「この事は晩餐会の時に発表するとしよう」


「ねえ、アーネスト晩餐会って?」


「君の歓迎会だよ」


「。。。(ふん!夜はアーネストとベタベタするつもりだったのに!」


執事「すみません、お時間になりました」


謁見は10分程で終了、ちょっと残念顔のアーリーはすごすごと王宮を後にした。


ーー


そして始まった晩餐会は陛下の挨拶から始まり、40歳オーバーに化けたアーリーが壇上に呼ばれ、その場で17歳の本物アーリーに戻ると・・。


「おおお」


「まじかよ凄い!」


「魔法を初めてまじかで見た・・」


大きなどよめきが起き、大量のフラッシュが焚かれ、テレビカメラが映し出すその艶姿に全国国民がテレビの画面に釘づけになり、程なくして会場が静かになると国王陛下が説明を始める。


「これが本来の姿のアーリー女王だ、このような若い姿を見て自分に余計な詮索が入らないように変装していたのだ。それではアーリー女王一言お願いします」


「皆さま、今まで隠していた事を最初にお詫び申し上げます。この様なありのままの姿を晒すと好奇な目で見られることは間違いなく、失礼とは思いましたが先程の姿に変装しました」


「なるほど、たしかに」


「やられた、こんな麗人だとは」


「皆様が疑問に思っていることを今から述べたいと思います、まず私は未婚」


「まあそうだろうな」


「二つ目、私はデルタリアのとある農家に生まれた普通の娘でした。当時出会った男性と恋に落ち未来を語り合う関係でしたが訳あってその方と結ばれること無く別れた直後、前精霊女王ミシェーラに呼ばれ私は精霊女王になりました」


「えええ」


「そ、そうなのか・・・」


「デルタリアの科学技術が発展するにつれ、気軽に往来する事が出来なくなりました。その時からデルタリアと離れた生活が始まり三百数年、私は1人クーンの発展の為に全力を注い参りました」


「えっ?300年?」


「はい、私は不死です」


「えー!」


「まじ?」


「すげー!」


「350年の時を経て、クーンに貴方たちが訪れたことにより、こうしてまたデルタリアの土を再度踏む事が出来ました」


「そうだったのか!」


次にアーネストが呼ばれ2人仲良く並んだその時、陛下が爆弾発言をする。


「この若き2人を見ている全国民の皆さま、本日デルタリア共和国はクーン精霊王国と固い絆で結ばれました。それでは紹介しましょうクーン精霊王国、新国王アーネスト・ウェブスター!」


「おおおお!!」


上級貴族は既に知っていたが、知らされていない他の貴族から大きなどよめきが起きる。


「あいつは下級貴族のアーネスト!いつの間に??」


「新国王だと!!」


騒めき立つ会場、アーリーが”そう”と一言喋ると一気に静かになる。


「あの時別れた男性の末裔が彼、アーネストなのです!」


「なんと!ウェブスター家と繋がりがあったのか」


「凄い・・」


「これは泣ける話だな・・」


「私と彼は運命に導かれ再び出会う事が出来ました。もちろん初めて出会った時、即座に子孫と分かりました。しかし私はその事を隠し接し彼を見極めようとしました」


「冷静な女王だね」


「私なら喜んで顔にでるわ」


「彼が帰国する際、一緒に婚活パーティに出る事を決め、結果アーネストは私を選んでくれました」


「凄い話だな」


「ああ、そうだな」


「だが、アーネストが選ばなかった場合はどうしたんだろうか?」


周りから聞こえてくる、呟きに答えるアーリー。


「彼が私を選ばなかった場合・・・ただ、待つだけです、ただそれだけ」


その言葉を聞き出席者は、アーリーは途方もない時間を費やしこの時を待っていたと即座に理解し感銘を受けたのだった。


「待つだけ・・・」


「私はクーン精霊女王ですが元は皆様と同じデルタリアの民です、分け隔てなく接していただければ幸いです」


挨拶が終わると盛大な拍手が巻き起こっていたが、陛下が頷くと呼ばれたクレアは静かに壇上に上がってくる。


「さらにめでたいことの報告がある、クレア・ハリウェル、アーネスト陛下の側室を命ずる」


「喜んでお受けします、陛下」


側室を命じられると微笑みを浮かべ軽く一礼をするクレア。


「ええ!」


「まぁ、そうだろうな」


「何かの間違いだろ」


「皆聞け、数日前のダンスホールの件は皆知っておるだろう、クレアはその時の当事者だ。アーリー女王が危機を救ったのだぞ」


「しかし!それだけの理由では!」


どこからか上位貴族の席から批判が飛んでくる。


「んっ?アーネストと相思相愛だが不満があるのか?」


「なんと!」


「アーネストも望み、クレアもそれを望んでいる。ましてやアーリー女王自身が望んだ相手だ、これ以上強い絆を結べる令嬢がいるなら紹介して欲しいな」


「わ、わかりました陛下・・」


「流石陛下、軽くいなしたよ」


「ふん!俺にも活躍させろアーネスト!」


「そうですね〜(棒」


これだけ餌が撒かれれば静かな晩餐会で終わる筈はなかった・・・。


ーー


その後、優雅に楽しめる筈と期待したアーリーだったが、乾杯が終わるや否や押し掛けてくる貴族の対応に四苦八苦していた。既に挨拶しようと長蛇の列が並んでいた・・。


「なんて素晴らしいお話なんでしょう、感動しましたわアーリー様・・」


「アーリー様、見た目と爵位だけで判断する貴族達にキツイ鉄槌を下したこと感謝します・・」


「わ、私の娘も是非側室に・・・」


話を聞き感動する者、下級貴族であろう婦人からは感謝の言葉、クーンとの関係を繋ぎたいのか側室を必死になって送ると言い放つオッサンの相手をしていたアーリーは対応に疲れ、一旦お色直しと言いアーネストの元に向かうのであった。


「アーネスト、少し休ませて」


次々に押し寄せて来る貴族対応に疲れたアーリーがゼィゼィと息を切らし戻ってきた。


「はい、此れどうぞ」


今度はワインを割るスプリッツァーでは無く薄めのハイボールだ。


「ゴキュゴキュゴキュ!プッハー!たまらん!」


席にも座らず受け取った酒を一気に流し込むアーリーを見て、クレアはその呑みっぷりに唖然、アーネストは腰に手を当て飲む姿を見て頭を抱えていた。


「こらオヤジだぞ、腰に手を当て飲むな!」


「だって〜、何も飲めず食べれずだよ!」


「仕方がないよ~、今日は君が主役だ」


「もう、後でたっぷり愛してもらいます!」


「わかった、君の気が済むまで付き合うよ」


「イヤーン!」


横で聞いていたクレアが過敏に反応しグイングイン頭を横に振っていた。


「し、刺激が強いわ・・・」


「あら、一緒にどう?だってもう側室でしょ」


「あうあうあう」


衝撃の誘い文句に理解不能になるクレア。


「アーリー弄るなよ、正式には明日からだよ」


「そっか、今日はお預けだね」


「は、はい、そうさせて下さい」


執事「アーリー様、休憩はお済でしょうか」


アーリー「・・・」


3人で盛り上がっている所に陛下の執事がアーリーを呼びにきた。周りを見渡すとお話がしたくてしょうがないのだろう。テーブルを囲むように皆が目を輝かせその時を待っていた。


「す、凄い人達ですね・・(呆」


「ほれ、頑張って!」


ジッとアーネストを見つめたアーリーは、無言でおかわりをコクコクと早飲みにして立ち上がった。


「うん、がんばるよ!」


宜しければブクマ評価お願いします。

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