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正体と断罪。

マーベリックってバカですよね。

「わわわ」


アーリーの手先が青く光り始め、向けられた男はビビっていた。


「アーリー、多分敵じゃないよ見たことがある」


「は、はい、申し遅れました。私は外務事務次官補のカルヴィンです。そちらの方がアーリー女王様でいらしゃいますよね」


「はい、私がアーリー女王ですが何か?」


クーンの王族がデルタリアに入国しパーティーに参加する事が外務省に伝わってはいたが、極秘来日という事で静観していた。しかしその会場で殺人未遂事件が起きた事を知り、参加者の一人、ラッセルに問い合わせをした所、女王本人と知り慌てて探していたのだ。


「ウヒャ!アーリーって女王なの・・・」 


クレアには正体を女王であることを教えてなかった。アーリー女王と言い放った彼女を見て、急に今まで普通に接してきた事に対し罪悪感が今更ながら出てくるのだった。


「そっか、教えてなかったね!」


「は、はい。今までのご無礼お許しください」


「気にしてないわよ、それでカルビンさんだっけ、なんで分かったのよ」


「防犯カメラを解析してホテルに滞在している事がわかり、先ほど伺ったのですが既にお部屋を出られていたので、従業員に話を聞き病院に向かうことがわかりここに来たのです」


「そう、私は今からマーベリックっていう貴族を捕まえに行くところなの邪魔しないで」


「はぁ、そう申されてもデルタリア国王と以下、上級貴族の皆様が議場にてアーリー女王様来日の挨拶を希望しておりまして、勿論非公開なのですが如何致しますか」


「うんわかった、けどね・・」


アーリーは快諾したがカルヴィンにとある条件を出した。それはもちろんお馬鹿なマーベリックの出席を要望したのだ。


「アーリー、何か悪巧みを考えていないかい?」


「ふふふ、私を怒らせた罰よ!クレア悪いけど一緒に来てくれないかしら」


「はい、勿論です」


「クレア、大丈夫か?」


「うん、私も頑張らなきゃ!けど、ちょっと肩を貸してよアーネスト。アーリー様、少しお借りしますわね」


「いいわよ、気にしないで」


「よいしょ!イタタ」


起き上がるクレアを手伝うが傷口の表面がまだ痛むのか苦痛の表情を浮かべていた。そしてアーリーが着替えを手伝い準備万端だ。


「さあ行きましょう、そうそう刑事さんこのバカ医者を留置場に入れたら、追いかけてきてね」


「ええ勿論です女王様」


「良い心がけね、ふふ」


そして肩を貸しながら歩いている最中、アーネストに密着しているクレアがある事に気がつく。


「スンスン!・・・ねえアーネスト、あなたからアーリー様の匂いがするわよ、もしかしてホテルって・・嗚呼、大人の階段を登ったのね」


「そ、そうだね・・」


数時間とはいえ仲良く一緒に寝てれば流石に香水やら体臭は移ってしまう。クレアは恥ずかしいというより残念な表情だ。指摘されたアーネストは言い当てられ、神妙な表情を浮かべる。


「いいな〜、あなたに抱かれたかったよ・・・」


「ねえクレア、アーネストに抱かれたければあなた側室になれば?」


「は、はい?今何と」


ここでアーリーはクレアを側室にならないかと言い放つ。もちろん最初から迎えるつもりだったらしくこの場が一番効果があると思ったようだ。言われたクレアは諦め顔から一転、驚きはしたが悪い気分では無いのかコロコロと表情が変わり、最後には赤くなり始める。


「何よ、不満なの?どうせデルタリアから誰かしら送られてくるわよ」


「いえ・・・・恥ずかしいだけです・・・」


「それなら決まりね!私ねあなたなら心許せるの、ぜひクーンに来て頂戴、よろしくねクレア」


「アーリーさん。。。わたしでいいの」


「俺の意見は無視か?」


「あなたもクレアなら良いでしょ」


「まぁね、2人とも諦めた者同士だし問題は無いね」


そのやりとりを聞きアーネストと結ばれることが現実味を帯び、顔が更に真っ赤になり始めるクレア。


「よろしくねクレア」


「もう、ばか!そんな話こんな状態でしないでよ、恥ずかしいじゃない!」


肩をアーネストに借りている不恰好な状態で、側室の話が決まり更に顔を赤らめているクレアだった。


「悪い悪い」


「もう、アーリーさん強引なんだから!もしかしてこうなると先読みしていたの?」


「まぁ、なんとなくね!ふふ、話が早く済んでよかったね」


アーリーは自然に仲間になったクレアに本当の理由は説明しなかった・・。


「はぁ〜、決断早すぎよ!」


そしてデルタリア議会棟に到着したアーリー達は即座に控室に通された。


「クレア、あなたはここで休んでてアーネスト一緒にいてあげてね」


「うん」


アーリーが移動中ヒール魔法でクレアの傷口を修復したので、痛みは随分引いたみたいだが恐る恐る椅子に腰かけていた。


「出番はモニター見ていれば中の様子わかるよね、挨拶の最後にあなたを王として紹介するね」


「そうだね、その時は事前に移動するよ」


「ふふ、それじゃ行ってくるよ、ねえアーネスト!キスして」


スッとアーネストがアーリーを抱き寄せ軽く目の前で軽くキスした。


「あわわわ」


「行ってくるよ!」


唇が離れると同時にアーリーは、シュンと魔法でおばさま姿に変わるとキリッとした表情で颯爽と部屋を出ていく。


「切り替えが凄い、流石女王だわ、わたし絶対アーリーに敵わない・・」


「勝ち負けじゃないよ元から芯の強い人だと思う、けど大丈夫だよ優しいよ彼女は」


「ふん!あんなに大胆になれないわたし」


クレアに近づき頬を優しく触れそのままキスをするアーネスト、軽く触れ合う唇は程なくして離れいきなりのことで混乱したのか一息ついて文句を言い放った。


「もう!駄目よアーネスト、もうバカ!あなたも大胆すぎよ!」


「よろしくね、クレア」


「恥ずい・・」


恥ずかしいクレアは顔が赤くなり見られたく無いのかギュっとアーネストに抱きつき、ふと目の前のモニターを見ると丁度アーリーが入場するのか一斉に出席者が立ち上がる場面が映し出されていた。


「アーリー・メンディエタ、クーン精霊女王様、入室です!」


議長の紹介と共にアーリーが会議場に入るなり一斉にバババババ!と凄い拍手の渦が巻き起こるが、気にせずキリッとした表情のまま演説台に向かっていた。するといきなりアーノルド国王が近づき自ら握手を求めた。


「アーリー女王様、お会い出来て光栄です。デルタリアは貴女の突然の表敬を心より歓迎します」


アーリーは知らされていた流れとは異なる動きをする国王を笑顔で迎え固く握手を行う。


「アーノルド国王陛下お出迎え感謝致します、事前連絡をせず訪れたこと申し訳なく思っております」


「お気になさらず、急ぎ挨拶を行たかったのです」


アーリーはこの時アーノルドの言葉と意識を読み取り友好的と判断した。


「ささ、皆に挨拶をお願いします」


「アーノルド国王、失礼します」


アーノルドが自席に戻り着席を確認すると軽く会釈をし、演説台に立ち周りを一瞥すると挨拶を始めた。


「この度、急なお願いにも関わらず、この場で皆様に挨拶できる事、大変嬉しく思っております。皆様が知っているアーリー・メンディエタは仮の姿、今の私の姿がクーン精霊女王のアーリー・メンディエタ本人です」


「おおー、魔法なのか・・」


「すごい麗人だ」


話が終わるタイミングで魔法の偽装を解くアーリー。その美貌を目の当たりにした出席者からは響めきが起きるが構わず話を続けた。


「まず初めに身分を隠しデルタリアに来日した事お詫び申し上げます、それと申しますのも最後にデルタリアを訪れたのは数百年前」


「えっ?今なんと?」


「えええ」


「その時と街の様子が変わりすぎたため、一度この自身の目で見て確かめようと思ったのです。皆様驚いているとは思いますが、私の年齢は・・・・・」


少し間を開け話す興味あるその年齢を全員が固唾を飲んで待っていた。


「350年と17歳です」


「はっ?」


ざわつく議会場、正に理解不能な状態だ。


「前精霊女王に呼ばれた時の年齢は17歳。その時から見た目は変わっておりません。ここ、デルタリアは精霊の力が減少し信じる者も少なくなりました。私のような特異体質を理解できないとは思いますが、普通の人間とほとんど変わりありませんので恐れずに接して頂ければ幸いです。それともう一つ疑問が湧くと思いますが、わたしは生まれも育ちもデルタリアです」


「おおお」


「私は精霊女王としてクーン、デルタリア、フォーレストの三つの惑星をずっと見守っていました。これからも見守っていく所存ですので皆様お力添えよろしくお願いします」


挨拶が終わり、軽く会釈すると一斉に拍手が巻き起こるが・・・。


「この場をお借りして最後に大切な報告があります」


拍手が止みその言葉を聞くとシンっと静まり全員が注目するなかアーネストが下手しもてから入場、クレアは入り口奥で待機、そして横に来るとフッと笑みになるアーリーが爆弾発言をする。


「それでは紹介します、クーン精霊王国”新国王”アーネスト・ウェブスター!」


「ええー!」


「あいつは下級貴族のアーネストじゃないか!」


「どういうことだ!」


「あいつはクレア嬢殺人容疑者だ!誰か捕まえろ!」


驚く上級貴族達、その中で場も弁えず大声で1人叫ぶ貴族がいた、そうテディー侯爵だ。彼はマーベリックの話を真に受け、言われるがまま逮捕状を出しアーネストを当たり前のように非難、それを聞いた貴族達は動揺を隠せない。


「みなさん静粛にお願いします、テディー侯爵様、貴方が出された逮捕状の内容に間違いございませんか」


「そうだ、息子のマーベリックが目撃者だ、アーネストが殺したと言っている」


「はて、私が蘇生した”クレア”さんは生きていますよ、うふふ今からお呼びしますか」


「な!死んだ人間を蘇生できる訳ないだろ、刺したのはアーネストだ俺が見ていた。病院に運ばれた時はまだ生きていたがあいつが何かしたんだ!」


呼ばれ控えていたマーベリックがいきなりしゃしゃり出てきて説明し始める。それも白々しく自分が目撃者だと言い放ち、クレアを昏睡状態にしたのはアーネストだと言い始めた・・。


「凄いね、ここまで厚顔なんだアイツって」


「アーリー、あいつの親父もバカだとは思うが罪はない、息子は奈落の底まで落としたほうがいい。ほら見てクレアがお腹抱えて笑っているよ」


「ふふ、あの子も大概ね!」


「キャハ!いてて。。」


議場の死角でこっそり様子を見ていたクレア、笑うとまだ少し腹筋が痛むのか笑いながら苦痛の表情を浮かべている。


「マーベリック、貴方バカだからしょうがないわね」


「何だと、今の発言は俺を侮辱するのか?そうだとしたら問題になるぞ」


「はて、真実を述べて何の罪になるのかしら、クスクス」


「アーネストを捕まえろ!逮捕だ!」


場も弁えず大声でアーネスト逮捕と言い放つマーベリックはアーリーの余裕の表情に焦っていた・・。

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