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殺意と悲劇。

激おこマーベリックは殺意を貯め込み・・・。

「畜生、畜生、畜生、畜生、畜生、畜生!殺す!絶対殺す!!」


ドス黒い殺意のオーラを吐き出すマーベリック、アーリーはその憎しみの意識を感じたのか踊りながら話しかける。


「アーネスト、あいつ何か仕掛けてくるわよ強い殺意のオーラが見えるの」


「ん?マーベリックか、流石精霊女王様だね」


「冗談言ってる場合じゃないでしょ、激昂してるわよ」


「そう?ちゃんと君を守るよ、けど怒らせたのは君だよ」


「まぁそうだけど、うふふ頼りにしているわよ」


宝石店を出た時の事を思い出し、フッと笑ったアーリーそしてアーネストは少し口角を上げた。


「俺のプライドを!!」


マーベリックは隠し持っていたナイフを取り出し袖の中に隠す。そしてホールの外周をゆっくり歩き回り機会を伺っていた。ダンスをしている2人はステップを踏む毎に不規則に移動し、中々2人に近づく事が出来ない。


「うふふ、お馬鹿さんだね殺気が漏れ漏れだよ」


それは、殺気を感じたアーリーが上手く移動しているからだ。そしてマーベリックは手下を睨み2人を指差し、首を横に切るハンドサインを送った。


クレア「何やってのかなマーベリック」


不審な行動をしているマーベリックに気が付いたクレアはその様子を座りながらジッと見ていた。


「あいつ2人を追っているわ、アーネストも避けているみたいね」


そして執拗に追い回すマーベリックの手元にナイフの柄が一瞬見えた。


「ヤバいよヤバいよあいつナイフ持っているよ、アーネストに知らせなきゃ!」


立ち上がったクレアはマーベリックの後を追い始めるが、走ることはマナー違反だ。出来る限り早歩きで距離を詰めようとしている。


「ほらよっと、これで移動できないだろ」


「チッ、こいつら」


アーリーとアーネストは微妙にマーベリックと距離を取っていたが、手下達が連携して退路を塞ぎながらホールの角に追い込む。そして動きが制約された2人に駆け寄るマーベリック。


「待ってろアーネスト貴様を殺す!絶対許さない!」


「急がなきゃ、急いでアーネストに知らせなきゃ」


ドレスが邪魔で早く動けないクレアは早くアーネストに知らせる為にスカートの端をつまみながら走り出す。


「ほらよっと」


「クッソ!」


マーベリックの動きを見ていたアーネストは突っ込んでくるマーベリックをステップを上手に使い回避したり、足をかけて転ばそうとしていた。


「あのバカ必死ね」


「うん、早く運営が気がついてくれないかな」


「クソー!」


刺し損じたマーベリックは執拗に追いかけたが、交わされ勢いが付いた状態でアーネストの方を振り返る。しかしナイフは前に向いたままだ。その凶器の先はアーネストに危険を知らせようと走って来たクレアとぶつかってしまう。


「ドン!キャ!」


衝撃を受けマーベリックが正面を向いた時目に飛び込んで来たのは痛みで歪んだクレアの表情だった。


「ンンッ!」


「えっ?」


「キャー!」


マーベリックは混乱し後退りをした拍子にナイフが抜け、刃先に付いたクレアの血を見て怖くなりその場にカラーンっとナイフを落とす。異変に気が付き近くで踊っていた女性が悲鳴を上げ、マーベリックは恐怖と混乱で腰が抜けたのか、その場で尻餅を付き、ただ呆然とクレアをみていた。


「あわわわ・・・」


クレアは脇腹を刺され立っていた。ドス黒く赤いシミが止まる事なく急速に白いドレスを染め上げていく。そして声にならないうめき声を上げる彼女は急速に血の気が引いていった。


「うっ、くっ!(これは  止まらない  やばいよ・・・・」


刺された脇腹を押さえながら恐る恐る見ると、ドクドクと生暖かい液体が手に纏わり付き溢れ出てきていた。出血を止めようと両手で押さえるが指の隙間から絶え間なく漏れ確実に生命を奪っていく。


「駄目・・アーネスト助けて・・」


「クレア!」


アーネストに助けを求め力なく呟くと、フッと一瞬意識が遠のきそのまま崩れるように力なく倒れてしまう。アーネストは急いでクレアの元に駆け寄り、傷口を手で塞ぎ上半身を抱き抱え、医療キットを急がせるが設置場所が遠いのかスタッフは慌てるだけだった。


「アーネスト、わたし、わたし、あなたに教えようと」


「いいか、しっかり意識を保て、もう喋るな!」


アーネストは刺された箇所を見て表情が曇る。その、止めどなく溢れ出る黒い血がその証拠だ!急所を刺されればいくら強く手で押さえていてもそれは止まることはない・・。


「・・・(嗚呼、出血のスピードが早すぎる、このままだともうすぐ死んでしまう!」


医療キットは新館に置いてあるらしく急いで連絡したらしいがまだ来ていない。彼女を抱き抱えたまま無情にも時間だけが過ぎていく・・・・・。


「ハァ!ハァ!ハァ!」


数分たっただろうか、急激に出血したクレアは呼吸が短く早くなり始めていた。


「。。。(ヤバイ、早く止血しないと」


「アーネスト・・・・」


「しゃべるなクレア」


「寒いの、寒いのよアーネスト」


「クレア」


「ハッ、ハッ、ハッ、寒い、ねぇもっと抱きしめて・・」


彼女は小刻みに震え始めた。血液が少なくなり体温が急激に低下している証拠だ。


「キットはまだか!」


「今、連絡が取れました5分ほどで来ます」


「だめだ、もう5分は経過している間に合わない、救急車はまだか!」


「・・・・」


虚しく首を振るホールスタッフ。刃物で内臓を傷つけ更にナイフを抜いてしまい出血のスピードが早まっていた。緊急医療キットか病院ですぐに処置しないともう数分で意識がなくなりそのまま心肺停止を迎えてしまう。


「アーネスト・・・どこにいるの・・・ねえ・・・貴方がぼんやりとしか見えない、ねぇアーネスト・・・私、もう死んじゃうのかな・・」


「君を抱き抱えているよ、クレア、クレア、しっかりするんだ。クレア」


「ハッ・・ハッ・・ハッ・・ねえ・・もう・・だめね」


「どうした、しっかりするんだ」


「さい・・ご・・に・キ・・スしてよ・・ア・・ネスト・・・」


「ああ、いいよ」


アーネストは見る見る弱まるクレアはこのまま死んでしまうと判断。そして彼女の最後の願いを叶えるために優しくキスをする。


「あ・・あっ、・・・あ・た・・・か・・い・・よ」


「クレア!」


「あ・・り・・が・・・・・・と」


その言葉を最後に彼女の意識は遠のき、既に瞳に光がなく瞳孔が開き始め、アーネストは何度も名前を呼ぶが答えることは無かった。


「ねえアーネストもう死んだわ、早くクレアを寝かせて後は私に任せて」


「なんでだ、どうしてだ、まだ死んでない」


アーリーの言う通りだった出血は止まり脈も鼓動を伝えない、そして諦めたアーネストはクレアを優しく床に寝かした。


「離れてねアーネスト、彼女は死なせない!私に任せて」


「ああ、まかしたよアーリー、君が頼りだ」


ヴァン!ブン!ダンスホールの空気が揺れアーリーの手に光が集まり始める。周りで見ていた人達は何が起きているのか全く分からないのかただ呆然と眺めている。そしてクレアの前に跪き祈るような姿勢で目を瞑り呟く。


「我、アーリー・メンディエタ精霊女王が望む、6精霊たちよクレア・ハリウェルの命の火を呼び戻せ」


アーリーの手から光がクレアに乗り移り全身が光り始める。


参加者「ななな、なんなんだあれは!」


傷口はドレスに隠れ見えないが血で染まった表面の生地がヒクヒク動いているのがわかり、アーネストはその様子を間近で見て思う。


「・・・(傷口が塞がっているのか?」


「・・・(そうよ」


「・・・(おっと、意識が読めるのか?」


「・・・(そう術中はね、近くの人の意識が漏れてくるの」


頭に直接喋りかけてくるのはもちろん目を瞑ったままのアーリーだ。蘇生は進みクレアの顔色が戻ってきた。


「傷口は塞いだわ内臓の修復も終わった、今は造血中だけど全量は再生できない、すぐに覚醒するわ」


術中は集中力が必要なのだろう、呟くように途切れ途切れに状況を伝えていた。


「充分だよアーリー」


蘇生術が終わると光が収まり、クレアの表情は眠るように穏やかになっていた。


スタッフ「医療キット届きました!」


「遅いわ、持ってこい!」


「クレア!」


やっと医療キットが運ばれて来たアーネストが大声でスタッフを呼ぶと、それに反応するかのようにクレアは目覚めた。


「アーネスト・・・わたし生きているの?」


「そうだよアーリーが君を救ったんだ、精霊の力だよ」


「えっ?本当、アーリーさん」


「ふん!アーネストとキスしたことは許さないからね、クレア!」


にっこりしながら、きつい冗談を飛ばすアーリー。


「ふふ、最高のファーストキスでしたわ、美味しくいただきました!」


「まだ血が足りないから今から点滴を入れるよ、ほら腕を出してクレア」


「うん、ありがとうアーネスト。イタタ!腹筋を使うとまだ痛いよ」


アーネストは慣れた手つきで医療キットの中に入っている点滴用の生理食塩水をセットし点滴を始め、そして少し経つとドタドタとカプセルを押しながら救急隊が到着した。


救急隊「患者さんはどちらですか」


スタッフ「こっちだ早く!」


医療カプセルベッドが運び込まれ、隊員が即座にクレアをその中に収める。アーネストは刺されたが傷口を塞ぎ点滴を開始したことを伝える。


「こんなに出血しているのに・・なんで止血できるんだ」


救急隊は床に広がる大量の血痕を見て傷口が塞がっていることに驚いていた。


「クレア、今から病院だもう家族には連絡が入っていると思う、だから安心してね」


「うん、ありがとう」


「後で様子を見に行くよ」


「うん待ってる、アーリーさんありがとう」


「ふふ、貴方は寝てなさい」


「はい!」


搬送用カプセルの蓋が閉まると重力キャンセルされ、ゆっくり浮かび上がり静かに運ばれていった。


「アーネスト、あのバカどうする?殺す?」


「おいおい、物騒なこと言うな」


「ほら、貴方がクレアに付きっきりだったじゃない、暇だし逃げそうとしてたからあいつを殺したり蘇生させたりして遊んでたのよ」


「・・・・・・・(呆」


「どうかしまして?」


「だから廃人みたいになっているんだな」


マーベリックは憔悴した表情で正座し目は虚しく空を切っていた。


「そうよ5回くらい蘇生したかな、相当精神的に辛い経験した筈よ」


「拷問なの?まぁ仕方ないか」


「そうよ、強制蘇生は拷問に使用するんだよ、そのくらいは罰は受けて当然よ」


刑事「アーネストさん、こいつが刺したのですね」


「は、はい。警察の方ですよね」


救急隊に刺されたと連絡をした際、同時に警察に連絡が入ったらしいが、何故か刑事がやって来た。


「ええ、この惨状は駄目でしょうね」


ダンスホールの床に広がる大量の血痕を見て刑事が顔をしかめる。


「いえ、彼女が蘇生して生き返りました、いま病院に運んでいる最中です」


「はぁ?」


「それでこいつは連行するんですよね」


「オラァ!」


「グェ」


アーリーが蹴って転がっているマーベリックを指さし、経緯を簡単に説明するが上位貴族と聞くと刑事は諦めた表情をした。


「はぁ、上位貴族ですか・・揉み消しそうですね」


「あなたお疲れの様子ね」


マーベリックを蹴って満足したのか、スッキリとした顔をしているアーリー。アーネストはその表情を見て少しだけ引いていた。


「ええ、夜勤明けでいきなり呼び出されました、家が近くなので・・」


「ほれ、こっちを向いて」


「えっ?」


今度は空気が揺れることはないが、ブン!と小さな音がするとまた光が集まり始めた。


「精霊に次ぐ、この刑事の疲れを癒し給、ヒール!」


アーリーがヒールを発動すると青白い光が全身を覆い、所々吸い込まれるように流れていた。


「おおお凄い、気持ちが良いです。嗚呼、疲れが抜けていきます」


アーリーは疲れている刑事にヒールを掛け、ついでに悪い箇所も修復、元気一杯になった刑事は軽く敬礼をするとマーベリックを連行していった。


ーー


刺された直後のお話・・・。


アーネストがクレアに付きっきりだった頃、正気に戻ったマーベリックは早速逃げ出そうとしていた。しかしアーリーがバインドを放ちあっけなく御用、そして拷問が始まった。


「おい馬鹿!死ね!」


「ひっ!あっ!(死亡」


「甦れ!」


即死魔法を発動するとマーベリックはポックリ逝った。だが速攻で強制蘇生魔法で復活させる。


「ああああー!頭が、頭が!うぎゃ~」


クレアに施した緩やかな蘇生とは違い、強制蘇生の場合は拷問でも使う最悪な蘇生方法なのだ。マーベリックは頭を抱え正座した状態で床に突っ伏している。相当辛いのだろう顔は見えないが脂汗が出ていた。


「うふふ、これって最高の気分でしょ」


「いや、やめてくれ、辛い、辛すぎる。はぁはぁはぁ」


「ふん、これ位で終わると思うなよ、死ね!」


「ひゃー、うっ!(死亡」


「ほれ、甦れ!」


「うわああああ!はぁはぁはぁ・・・ひゃー、ひゃー、や、やめてくれ〜」


「五月蝿い!まだまだよ、死ね!」


死ぬ瞬間は強烈な不安感と共にブラックアウト、そして蘇る際に脳が自分を認識する時に強烈な不快感、不安感、絶望、喜びが入り混じる狂気の世界を体験、これが相当辛いとアーリーが言っていた。普通は3回位でギブアップするらしいが、激おこアーリーはこれを5回以上、送り返したらしい。当然遊ばれたマーベリックは完全に怯えきっている。


「ひゃー、ひゃー、つ、辛いやめて、もう止めて・・」


「おい!馬鹿!」


「ヒャー、ヒャヒャー!や、やめてくれ、もうやめてくれ」


「それなら誠意を見せろ!クレアの蘇生代金は10億で我慢してやる」


「そ、そんな大金」


「じゃ、死ね!」


「うっ!(死亡」


「甦れ!」


「うひゃー!もういや゛ー!」


「おい馬鹿、ちゃんと払えよ」


「はは、はいー」


お怒りアーリーはトコトン拷問を繰り返すのであった・・。

宜しければブクマ評価お願いします。

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