ウサ耳少女救出作戦。
ウサ耳少女を助けるのです
2時間後、族長シャルロッテの所に3名の軍人が現れ、何やら話を始めていた。
「アンタが猫族の族長シャルロッテだな、ディスティア軍に協力してくれるのか」
「はいそうです。ディスティア軍は圧倒的な武力をお持ちですので、猫族としては争うより協力することを決めました。今回お会えできとても光栄です」
ディスティア軍の強襲艇は館近くの森の中に降り立ち、辺りを警戒している最中に一人のネコ族の男が白旗を掲げて現れ、族長シャルロッテはディスティア軍に協力したいので是非ともお会いしたいと話し、館まで案内をして今に至るのだった。
「そうですか、我らはこの星の様子を見に来ただけなのです。ですので敵対するつもりはありません」
「あら、攻撃は行わないのですか?それは嬉しい事ですね。それではお近づきの印に宴でも開きましょうか」
「いきなり宴ですか、いやはやそれは参ったな~、あはは」
「うふふ、可愛い女の子をご用意しますわよ!ゆっくりなさって下さい」
シャルロッテに与えられた命令は、機嫌を損ね無いようにひたすら接待をする体をとりつつ、彼らの目的である慰め用の女の子を与えることだ。そして目的の物資《娼婦》が手に入ると思った彼らは思わずにやけてしまうのだった・・。
「おお、話が分かるではないか、ただだとは言わん、若い女の子を都合してくれないか」
「うふふ、獣人の女の子の味見をしたいのですね。分かりましたすぐにご用意します」
そして数分後・・・。スティーグに連れられ部屋に入って来たのは超ミニスカート姿でネコ柄パンツがギリ見えそうな出で立ちの、お目めパッチリ若めのメイクを施したミーシャだ!それと奴隷の首輪を付けたワルワラが後に続いて入って来た。
「族長、お連れしました」
「おお、か、可愛い・・」
「結構上玉ですね・・」
二人を見た隊員たちは獣人に対し嫌悪感が無いのか、それとも性欲が目を曇らせているのか分からんが、いやらしく舐め回すような目線で2人を視姦していた。
「この女の子は一番若くて人気がある子です。それと狼族の女は最近捕らえ性奴隷として使われていた子です。二人共お好きにお使い下さい」
「それは助かる、悪いけど2〜3日お借りするよ。それとお礼と言ってはなんだが何か欲しい物はあるか」
「はい、気の済むまでご賞味下さい。そうですね欲しいものは緊急用医療キットを頂けたらと思いまして」
「君たちは使いこなせるのか、勿論それで良いなら構わんが」
「前回捕獲したキットを研究し使えるようになりました。とても便利で助かっています」
「そうかそうか、すぐに手配する」
勿論、医療キットなどシャルロッテ達は全く扱えない。これはジャガーの要望なのだ。薬品が是非とも必要なのだ。
「それでは私たちは失礼するよ」
「このような良好な関係が続くことを願っております」
玄関まで見送りに出てきたシャルロッテは深々と頭を下げ、最後まで闘うこと無く命令通り下手な態度だ。そして連れて行かれたミーシャが一瞬振り返ると、目がキランと怪しく光り口角がニッと上がるのだった・・。
シャルロッテ「・・・(うわぁ〜、楽しそうな目をしてたわ」
スティーグ「・・・(瞬殺するんだろうな〜、見てみたかったわ」
ミーシャとワルワラは大人しく強襲艇に乗り込むと、引き換えの医療キットをスティーグが受け取り、急いで館の裏手に待機しているジャガーの元に届けるのだった・・。
「ジャガー様、こちらが渡された医療キットです」
「おう、ありがとう。早速調合しないとな」
何やらジャガーは薬を取り出すと、自分たちの医療キットにセットして調合を始めた。もちろん自分たちのキットでも作れるのだが、数に限りがあるのでこの先のことを考えるとディスティア製を使用するのが一番なのだ。
ーー
「隊長~、すっげー可愛らしい2人ですね~」
強襲艇に連れてこられた二人は大人しく強襲艇の椅子に座っていた。そしてミーシャは周りをゆっくり見渡し兵士の数を数え、制圧するための作戦を頭の中で組み立てながら、囚われている兎族の女の子の居場所を確認すると早速行動を始めるのだった。
「ねぇ兵隊さん、早速味見するニャ?」
「うほぉ~、子ネコちゃんはどんな味がするのかな~」
「うふふ、兵隊さんたちアレが強そうね!ああん、もう我慢できなーい。お・ね・が・い!」
「ほっほう、可愛いくて好色なワンコだ!た、隊長、もう我慢できません!」
「フッ、悪いな俺が先に毒味してやるから待ってろ」
微妙に見え隠れするネコ柄パンツをチラチラと見せながら隊員たちを誘惑するミーシャ。洋服をずらし肩を露出させ思いっきり誘いの文句を言い放ち、色っぽいウインクをするワルワラを見た隊員達は、鼻の下を思いっきり伸ばしカチャカチャとズボンのベルトを外し始めるのだった・・・。
「天国に行くニャ〜」
ーー
「後はこれい入れるだけだな」
医療キットから薬剤を取り出し、調合を行っていたジャガーは強制注入用の注射器に薬剤を流し込んでいた・・。
「ジャガー様、何を作っているのでしょうか」
「ああこれ、これね、記憶を飛ばす薬だ。麻酔薬をベースに頭痛薬のとある成分と調合すると、そうだな半日ほど記憶が無くなるかな」
「ひょえ~、それは凄いですね」
ジャガーはカチャリとセットした薬剤を日に翳し、気泡が入ってないか確かめ、布に向けてトリガーを引くとプッシュっと薬剤が飛び出してくる。
「一応、クーンじゃ使用禁止薬物に指定されているけどね。さて薬液の量はこれでいいかな」
<完了したニャ~>
準備が終わったと同時にタイミング良くミーシャから連絡が入った。この作戦はもうお分かりだが、スティーグが白旗を上げディスティア軍と接触し族長が協力を求めていると話し、隊員たちを館まで誘導するのが第一段階だ。次にシャルロッテが友好の証として娼婦に化けた2人を差し出し強襲艇に送り込む。そして隊員が全員揃った所で制圧して女の子を救出。仕上げは記憶を飛ばして偵察艦に送り返すだけだ。
「仕事が速いねミーシャ」
「ニャ!」
強襲艇の中に乗っていた12名の兵士はミーシャが速攻で制圧。全員だらしなく床に転がっていた。そして兎族の女の子の拘束器具を外そうとすると、いきなり大声で嫌がったが、聞いたことのない女性の声を聞くと急に大人しくなるのだった。
「いや、触らないで!い゛やー」
「もう大丈夫ニャ!後で里に届けてあげるニャ!」
「う、うん、助けてくれたの?わわわ、猫族!」
目隠しされ縛られていた女の子は、助けられた相手が猫族と知って超ビビっていたが、自分の足元に転がっている男たちを見て呆然としていた・・。
「ワルワラ、これを使え」
「ハーイ、お注射ですね~」
「あっ、狼族だ!」
ジャガーから薬を受け取ったワルワラは、お注射が好きなのかルンルン気分で全員に記憶喪失の薬液をプスプスと注入していた。麻酔薬が主体なので1時間は覚醒しないだろう。そして女の子はワルワラを見て少し安心したみたいだ。
「わたしはワルワラ、あの兄ちゃんがジャガー、お姉ちゃんはミーシャだよ〜」
「えっ、どうして、多種族なのにどうして仲がいいの?どうして」
「ねぇ、お名前を教えてくれないかな」
「・・・あのね・・・ユリアだよ」
まだミーシャが怖いのだろうか、混乱している表情のユリアはプルプルと震え、小さな声で自分の名前を呟くのだった。
「あのねユリアちゃん、すっごい遠くから来たからみんな仲良しなんだよ!」
「えっ、そうなんだ」
「ミーシャのパンツは可愛いネコ柄なんだよ」
「そうなんだ!」
「あのジャガーはすっごく長生きして実は”オジサン”なんだよ」
「そうなんだ!」
「アーリー、専属♪」
何故かジャガーは歌うように呟いていた・・。
「消去終わったニャ〜」
「こっちも終わったぞ」
ミーシャは記録用の映像を完全消去、ジャガーはコンソールを弄り偵察艦まで自動操縦で飛ぶようにセットした。
「はい、これが幻覚を引き起こすキノコです!慎重に扱ってください」
「おお、これが話していた幻覚キノコか」
ジャガーが作戦を組み立てながら最後にディスティア軍をどうやって混乱させるかミーシャと考えていた時、シャルロッテが敵を混乱させるなら幻覚を引き起こすキノコが使えますと、教えてくれ準備してくれたのだった。
「はい、この薄く丸い袋が破けると胞子が飛んで少量でも吸い込むと、強烈な幻覚が現れます」
この異様な丸形の物体は、この星で獲れる強力な幻覚を引き起こすキノコだ。白く膨らんだ傘が刺激を受けるとパンッと割れ中から菌糸が勢いよく飛び出し、それを吸い込むと段々と可笑しな世界に引き込まれていくのだ。症状としては願望が顕著に現れたり、自身の欲望が剥き出しとなったりするらしい・・。
「これどうやって割るのでしょうか?なにか道具で割るのですか?まぁ落ちたショックでも割れますけど」
「落ちたショックで割れるなら簡単だよ、どこかの棚に置いて置けば勝手に落ちて割れる」
「わかりました、適当な所に置きますね」
「スティーグ頼んだよ、置いたら降りてくれ。今から飛ばす」
ジャガーは自動発進モードのスイッチをポチッと入れると急いで船を降りた。少し経つとギューンと大きな音が鳴り響きエンジンが目覚め始め、ハッチが自動的に閉まると、ズドドと大きな音を出して強襲艇は空高く舞い上がっていった。
「これで奴らは引き上げるだろうよ」
「ニャ!混乱間違いなしニャ〜、ニャニャ!」
そして1時間後、偵察艦にたどり着いた強襲艇だったが、隊員が降りて来ないのを不審に思いハッチを開けると、信じられない光景が飛び込んで来た!
「なんなんだこれは!」
「うひょー」
「おおう、おおう」
後部ハッチを開け乗務員が目にした異様な光景は、抱きしめ合っている兵士、柱を抱きしめヘコヘコと腰を動かし悦に浸っていたり、だらし無く涎を垂らしてゾンビの様に動き回り奇声を上げているのだった。
Ai「有毒性の胞子を感知、防塵マスクを着用して下さい。繰り返します。有毒性の胞子を感知、防塵マスクを着用して下さい」
「なんだと!い、医療チームを呼ぶんだ!防毒マスクを持って来い!」
「うひゃひゃ〜」
Ai「警告!警告!後部格納庫、汚染確認。強制換気を行います」
いきなりAiが危険な毒物を感知するとアラームが鳴り響き、一気に緊張が走り大混乱に陥る。しかし冷淡な機械は勝手に格納庫の空気を強制的に入れ替え始めるのだった。
Ai「放出開始!」
グンっと後部格納庫に隙間が開くと、ゴォ〜っと一気に空気が流れ始めた。そして気圧変化で耳が痛くなったのか、離れて見ていた甲板員の一人は慌ててヘルメットを装着していた。
「医療ちーむぅ!まだー、はやく〜、もう遅いな〜(混」
「うへへ〜」
「うきゃきゃ」
数十秒後、換気が終わった格納庫ではヘルメットを装着した一人を除き、全員幻覚症状が出たようだ。焦点が合わず彷徨い歩いたり、甲板員同士抱き合ったり一言で言うならカオスだ。その異様な光景をモニターを通して見ていた艦長は愕然としていた・・。
「駄目だ、ディスティアに帰還する!この星はやはり危険だ!」
そして慌てて引き上げていったそうな・・。
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