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族長シャルロッテ攻略

猫族と戦います。

「ニャ!着替えてくるニャ〜」


シャルロッテとの頂上対決に入る前、戦い辛いメイド服から戦闘用バトルスーツに着替えてきたミーシャ。その出で立ちは全身真っ黒、髪は後ろで纏められ腰には二本のダガーを装着。腕には数本の小型投げナイフ、右の太ももには空のホルスター、左には大型ナイフが装着してあった。


「なんだと、さっきの戦いは本気ではなかったのか・・」


その完全武装した姿を見たスティーグは信じられない愕然とした表情を浮かべている。


「猫柄パンツ見えるニャ〜、見せたくないニャー」


今までの戦いで繰り出した足蹴りは、確かにパンツが見えない高さまでしか足を上げてなかった。因みに配下になったミーシャは若返り、お年は数百歳だが。見た目はメイクで更に若返り20代前半に見える。


「クッソ!俺は舐められていたのか」


「舐めていたわけではないぞスティーグ、最初のケリは首を取るための伏線だ。だから高い蹴りが不要なのだ」


「よく分かったニャ!スティーグはパワー系ニャ、どうしても軸足に荷重を高めに置くニャ、痛みのある右を軸足にはしないニャ〜」


アロルド「ああ、そういうことか、スティーグは必然的に破壊力を高めるために軸足に力を入れて踏ん張りが強くなるのか」


「くっ、読まれていたのか。クッソ師匠から似たようなことを言われたよ」


「さぁ、やろうミーシャ!勝負の時間だ」


「分かったニャ〜、ちょっと待つニャ!」


脳筋シャルロッテは待ちきれないようだ。その好戦的な表情を見てもミーシャは慌てること無く武器のたぐいを取り外し、用意されていたテーブルに綺麗に並べ終わるとゆっくり戻ってきてファイティングポーズを取った。


「んっ?なんだその構えは」


「瞬殺のポーズニャ!」


ミーシャが構えたポーズは無拍子だ。剣で言うなら動き出しが全くわからない居合と同じだ。腰を屈めること無く少し膝を曲げ重心を落とし、軽く踵を浮かしていた。その構えを初めて見たのかシャルロッテは不用意には近づこうとはしなかった。そして彼女の構えは少し腰を落とし拳を前に差し出し握りしめ、足は前後に大きく開くスタンスを取るのだった。


「・・・(取り敢えず迂闊には近寄れないな・・」


シャルロッテはスタンスが変わったことで警戒していたが、それはミーシャも同じで思考を繰り返していた。これからの戦い、実は先程戦ったパワー系のスティーグがふと漏らした”師匠から似たようなことを言われたよ”の言葉が大きなヒントになるのだった。


「・・・・(ニャ〜、シャルロッテはリーチが長そうだニャ〜」


そう、パワーでは負けているシャルロッテがスティーグに勝つにはスピードと相手の間合いに入らないことが絶対条件だ。ミーシャは彼が負ける理由を読み解き対策を考えていた。


「両者、始め!」


大きな掛け声が掛かったが両者ともピクリとも動かない。ジッと相手の出方を待っているようだ。睨み合いが続き静寂の時が流れ、動かない二人だったが、いきなりブンっと風切り音が響き渡った!先に攻撃したのはシャルロッテだ。


「クッ!間合いを見切っているのか」


凄く素早い正拳突きを放つ姿勢から、即座に回し蹴りに変更して間合いを詰めてきたようだが、ミーシャは先程と違い距離を取り鼻先に足先が通過した。


「やっぱ、そうなるニャ!伸びる足ニャ〜」


先程戦ったスティーグと同じ間合いなら、確実に顔の真横に強烈なケリを食らっていただろう。ミーシャは伸びてくる足先を読んで少し多めに下がったようだ。これは彼女の得意技の一つだ。柔軟な身体を最大限に利用してケリを入れながら軸足が伸び、更に足先を伸ばし間合いを詰めてくるのだ。


「ケケケ、面白くなってきたニャ〜」


ジリジリと少しずつ間合いを詰めるミーシャはバーサーカー状態に入ること無く全身の毛並みが立ち始めた。そう、本気の戦いを始めたのだ。


「来る!」


そう思い呟いたシャルロッテだったが何故か攻撃は来なかった。技を繰り出すと思われたミーシャは未だピクリとも動いて無かった・・・。


「・・・(うっ、予備動作がわからない」


シャルロッテは困惑していた。太ももの筋肉の動きを注視しピクリと動いたと思ったが、予想が外れ攻撃してこなかった・・。


「・・・(ケケケ、筋肉の動きを見ているニャ」


ミーシャは相手の目の動きを追っていたので、わざと筋肉を硬直させてフェイントを繰り出した。シャルロッテはそれに反応して思わず呟いてしまったのだ。そして両者共、確実な射程距離に入りはしたが何故か打てなかった。ジリジリと円を描くようにゆっくり動き回り相手の隙きを伺っていた。


「エッ?」


そしてその静寂を破るかの如く、バシーンと軽いパンチ音が響き渡った!


「なっ!見えない(筋肉が動いてないどうしてだ」


ミーシャが繰り出した右ストレートの速度に全く反応できず左頬に軽くパンチを食らったシャルロッテは驚愕の表情を浮かべている。


「ニャ!」


数秒後、ミーシャの右足が消えた瞬間、脇腹辺りにズコン!と鈍い音が響くとシャルロッテは苦痛の表情に変わった。


「えっ、なんで(動いて無い、たしかに動かなかった」


ミーシャの動きを、筋肉の硬直を見ていたはずのシャルロッテは訳がわからず混乱していた。そう無拍子は予備動作が見えないのだ。


「掛かって来いニャ!オソ猫ちゃん!」


「ア゛ーア゛ー!!」


挑発に乗ったシャルロッテは我を忘れ右の蹴りを繰り出すが、ブンっと空振るとすかさず右の脇腹にズコッとカウンターを喰らい。反射的に左フックを繰り出すと潜り込んだミーシャがアッパーを繰り出すが紙一重に交わされ、のけぞった隙きに左膝の回し蹴りがみぞおちにドン!っと決まり吹き飛んだ。


「グワァ!、ゲフォゲフォ」


「休憩は終わりニャ!」


ダッっと間髪入れずに大きく踏み込んだミーシャが突進。しかし低い位置の横蹴りのカウンターが炸裂し、それが胸の辺りに入り、ズンッと重い音が響き吹き飛ぶと思われたが、仰け反りながら反動を抑えた彼女は、そのまま左足を軸に右足の甲をシャルロッテの後頭部に回し蹴り決めると、ゴンっと嫌な音が響いた。


「グッゾー、喰らえ」


後頭部に喰らい少しふらついたシャルロッテは爪を立てた状態で、掬い上げるような右フックを繰り出しミーシャの後頭部を狙い撃つ。


「死ねニャ!」


しかし既に体勢を戻していたミーシャは、右手で手首を掴み受け流しながら腕を伸ばし、左手の爪先がニュッと伸びてシャルロッテの眼球ギリギリの所で止めた。


「クッ、私の負けだ・・・」


利き腕は伸ばされた状態で且つ、ヒザ蹴りも入れられない体勢で眼球ギリギリで止まっている爪に成すすべもなく、降参の選択肢しかシャルロッテには無かった。。。


「嗚呼、シャルロッテ様が負けた・・」


「えー!」


「格が違いすぎる・・(汗」


青ざめているのは勿論アロルドだ。自分の戦いがあの程度で済んだことを思い返していたようだ。


「負けた私は族長を下りる!後釜はミーシャ様だ!」


トボトボと館に戻ったシャルロッテは負けを素直に認め、ミーシャにその権利を譲ると言い出した。


「族長は勘弁ニャ、シャルロッテが引き続き猫族を束ねるニャ」


「だが!」


「族長の命令ニャ!シャルロッテはミーシャの配下で族長をやるニャ」


「うむ、それなら納得した!」


強情に誇示すると思われたが、意外にもあっさりと承諾するシャルロッテ。序列が重要なのだろう。。。


「それじゃ頼んだニャ」


「承知しました、ミーシャ様!」


「諦めが良いな・・」


「さっぱりニャ〜」


やっとこれで猫族を手中に収めることになり、脳筋もここまでアッサリだと気持ちがいいとミーシャとジャガーはそう思っていたが・・・。


「所でジャガーは戦わなくて良いのか、私は認めんぞ!」


「うむ、俺はミーシャと同格なのだが、観察眼でわからんのか」


「観察眼だとそんなもん知らん、承伏しかねる!」


相変わらず脳筋族長は力で全てを判断したいらしい。いきなりシャルロッテに喧嘩を売られたジャガーは頭を抱えていた。


「俺は格下に手を出さない主義だ!」


「フン、戦うのが怖いのか?それなら尻尾を巻いて土下座しろ」


「君は見た目で実力差も分からんのか、それとも君は完全に脳筋なのか?」


「多種族の事なんて分からんな、弱い犬っころのワンワンは平伏して、私の足でも舐めなさい。ほれお舐め。私より弱いなら服従しなさい」


何とも汚い言葉と高圧的な態度でジャガーを挑発するシャルロッテ。とても族長の威厳など皆無だ。そして足を突き出し舐めろと言わんばかりにクイクイと動かしていた。


「ブチッ!」


「何だ、何の音だ!」


「よし!やろう!さぁ行こう(高」


何故かワンオクターブ高い声で返事をしたジャガーは軽い足取りで先程の場所へと向かった。


「ニャー、怒らせたニャー、シャルロッテは死んでも知らんニャ」


「エッ、マジ!弱点なんか無いの?教えて! ミーシャ様!」


格上のミーシャが死んでも知らんと言い放つと、急に不安になったシャルロッテは助けを求めてきた。しかしその表情は暗くなるばかりだ。


「弱点?無いニャー、私と未だに勝敗がつかないニャ!」


「エッ、マジ、そうなの、終わった・・・私は今日終わった」


「そうだニャ、今日が命日ニャ〜」


「うひゃー」


「取り敢えず先方でスティーグを出すニャ〜」


「わ、わかった。頼んだぞスティーグ」


「ええ!!」


ドン引きのスティーグ、腰の引けたシャルロッテを引き連れ元の場所に戻ると、早速始まった2度目の対決。ミーシャの案でスティーグが先方を務めることになった。


「君が先に死合をやるんだね、さぁやろう!(爽」


「。。。(うわぁ〜、目が全然笑ってないよ〜」


すんごく爽やかな紳士に変わったジャガーは、実は激オコなのだ。だから目は全然笑って無い。その表情をみて少しビビりながらスティーグはファイティングポーズを取った。


「うん、ほら君が先に殴りなよ、ほら遠慮するな」


「よし!喰らえ!」


スティーグの右フックがジャガーの左頬に吸い込まれゴン!っと鈍い音が響いたが・・・。


「スティーグ君、それ全力なんだよね!」


「は、はい、渾身の一撃の筈です!」


殴られたジャガーは1ミリも動いてない、岩を殴った様に動かない、逆に爽やかにナニソレなにかしたの?殴ったつもり?の体で会話を続けている。

宜しければブクマ評価お願いします!

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