プロローグ
この小説はオリジナルです。
一応登場人物はあげていますが、人が増えるようであればその都度あげていきます。
★設定★
リン(17歳)
小説家(高校は行ってない)。昔からの思考力と観察眼と趣味の人間観察で、ミステリー小説のようなものを書いて小説サイトに投稿したところ、思いのほか反響があり書籍化。自身の書籍の人気にあまり興味がなく、本人曰く”ただ思いついたから書いているだけ”だそう。自由人。PNは薊。
アズミ(45歳)
裏でなんかやばいことしてる組織の幹部さん。リンの書いている小説のファン。リンの小説の内容をもとに、裏でいろいろやっている。
佐伯秋吾(45歳)
刑事。奥さんのあとに潜入捜査中。頭の切れる人で尚且つクールだが、鈍感。
田中水月(30歳)
公安の人。佐伯と同じところに潜入捜査中。佐伯と仲が悪い。
佐伯壮太(17歳)
佐伯秋吾の子供。優しい。リンの小説のファン。高校2年生。
佐伯結子(40歳)
佐伯秋吾の奥さん。佐伯と同じく刑事。旦那より先に潜入捜査している。最初は秋吾と仲が悪かった。
要は、喧嘩するほど仲がいい。
【プロローグ】
12月。クリスマス。まちではカップルがイチャつく季節。リンは寒空の中、紙の束を抱えて一人で歩いていた。
「寒い。早くこれ渡して帰ろ。」
早く渡して暖房のきいている家に帰ろう。そう思いながら足早に歩くと、曲がり角で男にぶつかった。
「いったた・・・」
「すまない。大丈夫か。」
男はリンが落としバラバラになったそれを、拾い始めた。そして1ページ目の紙を拾ったとき、一瞬停止した。
「すいません、ありがとうございます・・・」
リンは男が停止していることに気付かず、手を差し出した。
「・・・薊?さん?これはペンネームか?」
「え?あぁ、はい。これ今から私の担当さんに渡しに行くんです。私、一応小説を書かせていただいてまして・・・」
「1巻目、読んでるよ。なかなか面白い。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
まさかこんな所で自分の小説の読者に会えるとは。少し驚いた。しかも褒められるとは。
「ほら、これ。落ちたやつ。たぶん全部拾ったはずだ。」
ボーッとしていたリンを覗き込みながら男は1ページ目を渡す。
「あ、ありがとうございます。じゃあ、これで。」
リンは男に礼を告げると背を向けた。しかし、また男の方を振り向いて
「時計、頑丈そうなのにボロボロですね。」
リンは踵を返して歩いて行った。
何気なく聞いてみれば何も意味のない言葉だが、男はその言葉の本当の意味に気付いていた。
リンは1ページ目を渡されたとき、男の時計に目がいった。一見、ただのボロボロの時計。だが、ブランドはそれなりに高級。形からして頑丈そう。だがしかし、ボロボロ。しかも傷といっても何かで切り付けられたような傷。手にも切られた痕がたくさんあった。そこからリンは推理した。この男は相当な手練でいわば裏で仕事をしているのでは、と。
歩いていくリンの背中を男は眺めていた。
「ほぉ・・・薊か。なるほど、あの少女が・・・」
男は不敵な笑みを浮かべていた
どうでしたか?
気に入っていただけると幸いです。
これから不定期にはなりますが、投稿していきたいと思っています。よろしくお願いいたします。