作者は奴隷の扱いを観る
少々残酷な描写があります。
なお、作者本人の語彙力がないためうまく状況をかけていません。
申し訳ありません。
「ただいま戻りました」
思い足をあげ、この屋敷についた。
人を人として扱われない場所。
自身が奴隷なのだと再認識させられる場所。
さっきまでは本当に楽しかった。
「アリーシャ、なにを狩ってきたんだ」
呪いのせいで今までと同じ力が使えない。
隷属されているからここから逃げることが出来ない。
「角兎です」
ただ事実を述べた。
冒険者になってすぐに角兎を狩れたのだから早いものなのだ。
だが・・・。
「角兎だと!!この愚図が」
彼は拳を振り上げ殴りつける。
隷属の首輪のせいで動くことが出来ない。
「俺はベヒモスを狩ってこいと命令したはずだろうが!」
殴る。蹴る。
頬を伝うのは涙だろうか。
それとも血なのだろうか。
服が破かれる。
髪を握りしめられる。
「いだ・・い」
「いくら貴様につぎ込んだと思っている」
激昂した彼はただひたすらに痛みつける。
「コフッ」
振るわれる拳はゆっくりに見えるのだが、隷属の首輪が動くことを許さない。
主の命令で動くことが出来ないのだ。
口から血を吐き出す。
「この程度なのか元英雄というものは」
いつの間にか持っていたナイフがこちらに向けられる。
否、下卑たその目はアリーシャの耳を見ていた。
「いや・・いやぁぁぁぁぁぁ」
動くことが出来ないまま、彼女の耳は、クーシュが触れていた耳が断ち切られるのだった。
ーー・ーー・ーー・ーー・ーー
時間はアリーシャが去った後まで遡る。
「さて、覗き見していたお前ら。
仕事が終わったからと言って何やってんだ」
「文房具オタクがやっとで人になったかと思ってな」
「そんなことよりじゃがいも食うか?」
「終わったらそりゃ楽しむだろ」
「それで、エレイン。糸の調子はどう?」
「ちょっと待ってね~」
エレインは指を動かし、なにかの操作を始める。
クーシュの周りにはガーツたちが集まっていた。
「結局角兎にしたのかクーシュ」
「そう言うガーツこそ魔猪に行ってたんだろ?」
「そりゃ、あいつの肉はうまいからな」
ガハハと笑い声をあげるガーツはカバンから魔猪の角を取り出す。
「クーシュ、ちょっとまずいかも」
不安げな顔をあげ、こちらを見る。
エレインは手を震わせ、次第に泣きそうな顔になる。
「そうか。レイス、他のみんなを集めてきてくれ
ポテトゥはじゃがいもばっか食ってんな」
「りょうか~い」
「じゃがいも美味いぞ?
とりあえずじゃがいもでなんとかなる・・・モグモグ」
レイスと呼ばれた少年は暗闇に溶け込むように消えた。
「まぁいいか、今から《烏》として活動を開始する。
残業を覚悟しとけよ」
「おっと、もうこんな時間か」
「逃げようとするなよガーツ」
ガーツの肩に手を乗せる。
カバンの中から仮面を取り出し、自身の顔に取り付ける。
周囲の人も同じ仮面を被る。
「我ら《烏》。法の使徒として職務を遂行しよう
コード:エル、状況は?」
「見てもらった方が・・いいかも」
「そうか、それじゃ見てみることにしようか
“其は真実を映すものなり
其に写すは同胞の眼なり
映せ鏡真実を此処に”
“真実の瞳”」
コード:エルと呼ばれた少女・・・エレインはクーシュの側にまで寄り、身を預ける。
クーシュは片手はガーツ、片手はカバンに手を入れる。
カバンから取り出された紙は集まり、それは長方形の形を作り出した。
次第にそこから映像が流れるのだった。
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
耳を断ち切られ、裸に向かれている少女が映し出される。
その少女の身体中には傷が浮かび上がるだけでなく皮膚が紫色に変色している部分もあった。
隷属の首輪によって動くことの出来ないアリーシャをいたぶるその姿にはどこか狂気を感じていた。
「・・・・・」
「どうしたんだ?」
「コロすぞ・・」
「へ?クーシュ?」
「総員、戦闘準備」
殺気を漲らせ、カバンからカッターを取り出す。
カチカチと刃を出し、魔力を練る。
「敵襲だァァァァァァ!!」
その時、外から多種多様の魔法を撃ち込まれるのだった。