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作者は奴隷と依頼料を分け合った

「エレイン、これで依頼完了だよね?」


クーシュは討伐証明部位の角兎の角を掲示する。

この部位はその対象を討伐したという証明であるため掲示するだけでいい。

その後は自身の装備に使うもよし、売ってしまってもよしなのだ。


「それじゃ、この角は持っていくよ

それと、エレインこの後いつもの店で」


「うん、元からそのつもりだよ

それじゃ、依頼完了ね」


ギルドカードの依頼の欄が処理済みになった。

それと同時にパーティも解除される。


「ありがとう、それじゃ先に行くね」


そう言い、報酬を手に奥の個室にアリーシャを連れていく。

これから報酬の割り振りが行われる。

これは、依頼参加者以外に報酬を奪われるのを防ぐとともに報酬が不満であれば釣り上げ交渉をするために個室を使うのだ。



「クーシュさん、ありがとうございました」


「うん、それじゃ今日の報酬はこれだね」


そう言い、クーシュはカバンの中から銀貨1枚を取り出し、アリーシャに手渡す。

そして、一緒にアリーシャの倒した分の角兎もだ。


「あの、これだとクーシュさんが・・」


驚きに、受け取るのをためらうアリーシャ。

だが、クーシュは当然といった感じで言ったのだった。


「これであっているよアリーシャ。

いや、取り分としては少ないのかもしれないね」


カバンの中から鋼貨を取り出し、アリーシャに手渡そうとする。

クーシュは満面の笑みを浮かべていた。


もちろん、悪戯心満載である。


「いえいえ、そんなに貰えませんよ!」


なんとか貰うまいと必死になるアリーシャだが、結局は虚しく終わるのだった。


「それじゃ、これくらいにしようか」


余分に出した鋼貨を回収し、アリーシャの頭を撫でる。

アリーシャは顔を赤くするのだが、そんなこと気にしないとばかりに撫で続けるのだった。


「クーシュ、終わ・・た・・何やってるの?」


エレインが来たのは数分後のことだった。

アリーシャの髪がボサボサになり、隠していたはずの首輪はあらわになっていた。

幸いなことに、この場にはクーシュとアリーシャ、エレインしかいないのだったのだが、それも当然ではある。


「やっとで来たのか」


エレインに気づくとアリーシャを弄る手を止め、真剣な顔になる。


「ねぇ、なにをしてたのかな?

ここは商談部屋だってわかってる?」


ニコニコとしているのだが、顔が笑っていない。


「まぁ、落ち着こうか。

ほら、これでも食べて」


カバンの中からさくらんぼほどの大きさの実を取り出し、エレインの口に入れる。


これは、ラズの実と言い甘酸っぱいのが特徴だ。

また、角兎の生息する精霊樹の森で取ることができる。

ちなみにではあるのだが、エレインの好きなものの1つでもある。


「うん、ありがと・・・・・・モグモグ」


ひとつひとつラズの実を食べていく。

それがなくなった頃にようやく話が出来るようになった。


「で、なにをしてたのかな?」


誤魔化せていなかったようだ。


「ほら、スキンシップだよ」


「初対面の子と?個室で?」


「ほら、これからお世話になるであろう人とコミュニケーションをとるのが受付員ってやつだろ?」


「はいはい、それでこの子がアリーシャね」


突然呼ばれたアリーシャはビクッと体を震わせる。


「はじめまして、私はエレイン。ここにいるクーシュと同期で主に採取依頼を担当しているよ」


「改めて、クーシュ。主に討伐依頼を担当している」


「あっ、アリーシャと言います」


さて、ここからは本題だ。


「ひとまずちょっと待っててくれ

“此処に在るのは阻むもの

かの伝承は絶対の障壁

その伝承を語り継げ”」


カバンの中から紙をばら撒く。

それは壁に張り付いていくのだった。


「此処に映すは伝承結界也」


張り付いた紙を中心に光の幕のようなものが部屋を包む。


部屋の外に声が漏れ無いよう防音効果のある結界を貼ったのだった。

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