変なカラオケ屋
主に派遣で仕事をしていたが、一度だけ正社員で働いていたことがある。
その時に、夕方以降の時間を利用して、カラオケ屋でアルバイトをしたことがあった。
そこは、どう考えても、変な店であった。
まず、アルバイト同士のコミュニケーションを深めるため、という理由で、制服があったのだが、更衣室が男女一緒。
なんですか、これは銭湯の論理からでも発生してますか。
裸の付き合いとでもいうのですか。
でもなんといおうと、男と女ですから。
常識的に考えて嫌です。私はトイレで着替えていました。
他の方は和気あいあいと一緒に着替えていましたが。
それから、女性アルバイトは、同会社が系列している、
ホストクラブに行かされる。
これに限っては理由は本当にわからない。
無料でいけるのだから別にかまわないが、何の意味があるというのか。
なんだか変だなぁ、と思いつつも、会社帰りに軽く働いて帰れるのでそのままアルバイトを続けていた。
そのうちに、一緒に働いていた男の子から告白を受けた。
別に好きでもなかったが、嫌いでもない。
彼にとってもその程度だっただろう。
軽い好意を抱く程度のちょうどいい相手。
そんな軽さと、付き合っている人がいない時期だったこともあり、まぁ、いいかとお受けした。
すると彼は、
「本当!?じゃ、さっそく店長に報告しなきゃね!」
待て!まて、まて、まて、まて、まて、待て!
さすがに私も動揺したのを覚えている。
なぜ付き合うことを、わざわざ店長に言わなければいけないのか。
聞いてみるとこの店ではアルバイト同士が付き合う場合、必ず店長から店員全員に報告しなければいけないそうなのである。
そして、
「祝福」
されなければいけないと。
なんとか言い逃れをして、報告を待ってもらっているうちに幸いにも彼とは別れた。
2回目のデートくらいで別れたのだから、
付き合ったうちにも入らないかもしれない。
結局、そのカラオケ屋の変なノリにはついていけず一ヶ月くらいで店を辞めた。
あのカラオケ店での風習は、まだ続いているのだろうか。
何を目標にたててアルバイトを雇っていたのかはいまだ分からないが、本当世の中には変な店もあったものである。