第九十九天 竜牙熟睡ッ!戦士たちの早朝
トントントントンという音に明江は目がさめた。
包丁で野菜を切る音だった。
「おや?早いね」
と、キヨは言ったッ!いや、お前の方が早いからッ!
さすがババアッ!起きる速さが超速だッ!
「おはよ~」
明江はぼうっと頭をかいた。朝早くキッチンにいる人は、なんとなくなつかしい感じがした。心がぼわっとあたたかくなるような気がした。
しかし、そこにいる人はみしらぬキヨさんである。明江はハッとしたッ!
「おてつだいしましょうか?」
「もうちょっとゆっくり寝てらっしゃいな。昨日は長い旅で疲れたでしょう?」
「目がさえちゃいました」
「なんだとッ!?」
おどろきの声があがったッ!背後におどろいているのがいるッ!
明江はびっくりして、後ろを見たら、信だッ!信がすっかり整った服装で登場だッ!
「びっくりしたッ!信かぁ~」
「おやおや?お若い二人は早いのね」
「そこの明江さんは違いますが、わたしはいつもこのくらいに起きますね」
という今の時刻は、5時半だッ!かなり早いッ!
まあ、飯の支度してるババアはさらに早いわけで、いかにヤバいかがおわかりいただけると思う。
「キヨさん。この辺に滝はありませんか?」
とにかく、信は質問した
「滝?」
「はい。頭にほしいんです」
「でて、まっすぐ森をすすんでいった川の上流に滝があるけれど、深いねぇ」
「滝さえあれば十分です。深くても気合で浮きますから。ありがとうございます」
信はしゃっきりクールなスマイルだッ!
「わたしも外、いってきていい?」
「ああ、いいともさ」
キヨは仏のほほえみだッ!その慈愛は、純粋にして神々しい。だから、五神武なんかを預かれるのだ
がらがらっと信と一緒に外へでたッ!
「わたしも滝についてっていい?」
「お断りします」
信の答えは速かった。それでは、と素早く森の中へ消えてった。
「・・・信の馬鹿野郎ッ!滝に打たれて、はげちゃえ~ッ!」
明江は一人ぼっちにされて、しかたないから、家をぐるっと一周してみることに決めた。
裏側は崖になっていて、下が見えたが、霧が出ていた。白い霧・・・ホワイトミストは、低く下の町をおおっていた。霧の隙間から、湖がチラリズムしてるやつは、昨日いた湖にちがいなくて、こんなところまでのぼって来てしまったのだっと、明江をびっくりさせまくった。
なんていうか、登山ってのは距離感がつかめなくて、ふりかえった時にびびったりするもんだ。
広がる霧の海に、明江は雲の上にいるように見えた。小鳥の朝鳴きがとてもやさしい。幻想的にして、マボロティカルッ!どう見たって、秘境だ。
明江は肺いっぱいに、そのすがすがしい朝の雰囲気を呑みこんだッ!
―――戦士たちのホリデーが始まったッ!!!
俺が熟睡ッ!!!
俺は自由だ~ッ!




