第九十五天 爆裂乱舞ッ!二竜の卑劣なる企みッ!
竜牙の無血斬舞は、あっという間に100人は斬り伏せた。
しかし、ザコ共は無限に現れるッ!
まあ、とうぜんと言えば当たり前なのだが、竜牙は押し寄せる人の波・・・まさに波を剣閃衰えることなく、切り裂いていた。その力は100人切っても大丈夫で、まったく弱らない。
しかし、そんな竜牙を朝霧はちょっと心配だった。なぜならば、目が完全にどこか遠くへ旅立っている。
目の前の戦に目をむけない竜牙を見るのは、初めてだった。
「竜牙ッ!」
朝霧は声をかけてみた。戦闘の邪魔をすれば、ザコごとまっぴたつは避けられなかったが、いつもと違う様子なのは、おかしい。
「あん?てめぇ、さぼってんじゃねぇよ」
竜牙は焦点の合った目で、朝霧にニヤけた。やったッ!正常だッ!
「サボってませんよ。竜牙がすごすぎて、わたしの出番がないだけです」
「ハッ!そんなことじゃ・・・大聖天に・・・なれないぜッ!」
「うぎゃあああああああああああッ!」
と、喋りながら斬る。血が出ないッ!
朝霧としゃべりながらも、この破壊力ッ!竜牙は最強に集中しているッ!
「信さんの加勢にいきますか?」
朝霧はまた投げかけた。
「いいや。あいつが殺りたそうだったから、あいつに任せるぜ?俺はザコのバイキングだッ!」
「じゃ、わたしもそうしますか。戦いに水を差すのも野暮ってものです。お互い野暮同士、仲良くしましょう」
と、ザコ共に涼しいスマイル。
―――クレセントサイドストラッシュインフィニティッ!!!
「うぎゃあああああああああああッ!」
信と二竜の戦いは、信が追い、二竜が逃げるという鬼ごっこだった。まあ、二竜は爆弾を使いこなす遠距離タイプ。こうなる展開は予想できていた。しかしまあ、イライラさせられるのは、ザコ共を盾に屁とも思わない冷酷さだッ!ザコとは言え、戦友だろう。それをまるで捨てカードのように使っていく二竜が、信には受け入れられなかったッ!!!
「逃げ足だけは達者ですね」
「お褒めの言葉、サンキューで~すッ!」
二竜は後ろへ飛んで、またザコが押し寄せる
「成平 信ッ!お覚悟ッ!!!」
と、つっかかってくるザコを信は冷たい瞳で斬るッ!信も殺意の冷たさでは負けていないッ!
そのザコの向こうから、爆裂弾が飛んでくるッ!今度は大きいッ!!!
信はしゅっと踏み込みながら真っ二つにするッ!
だがしかしッ!
―――火がついていないッ!
そして、細かい粉が舞ったッ!
「あでぃお~すッ♪」
二竜が、火のついたマッチ棒を投げていた。ぶしゅあっと燃え上がったが、コートにくるまって、下がった信はかろうじてやけどしなかったッ!
踏み込むのを予測した時間差トラップッ!油断してたら完全大やけどッ!
イライラするのを想定にいれた二竜の策略だッ!
「O~h!Fantasticッ!あれも避~けちゃうの~ッ!?」
二竜は両手をあげて、おどろいたッ!
「ま、いっか。時は満ちたしね~♪」
「なにッ!?」
「もうチェイスは終了で~すッ!ユーの負け~ッ!」
「・・・どういう事ですか」
ごごごごごごっと地面が揺れたッ!腹の底に響く恐ろしい雄叫びが遠くから響いてくるッ!その鳴き声に信はびびったッ!なんだこのまがまがしい深黒なオーラはッ!!!!
「ミーは召喚するんですよ。黒殺魔竜をねッ!」
メガネの奥の瞳がギラリと輝いたッ!完全にヒットマンのそれだッ!
「なにッ!?黒殺魔竜だとッ?!」
それは遠くの地獄耳竜牙もびっくりしたッ!
「知っているんですか?」
「・・・いや、直接見たことはないが・・・。北の海の底に潜む伝説の古代魔獣。いかなる攻撃もくらわねぇ、ただ一方的に暴虐のかぎりをつくして消える・・・。まさに、生ける超常現象ッ!」
「なんですってッ!?」
朝霧はびっくりした
「フン・・・ゾクゾクしてきたぜ。こんなところで、伝説に出会えるとはなッ!」
竜牙はわらった
「召喚させる気ですかッ!」
朝霧は阻止させた方がいい、と動き出そうとしていた。
「阻止できんのか、できねぇのかは、あいつの実力次第だ。手を出すなよ」
「ッ!!!」
朝霧は動きたいのはやまやまだったが、竜牙に止められて、ぐぬぬっと動けなくなったッ!
竜牙は戦いを楽しんでいるッ!!!
「黒・・・殺ッ!?御聖院ともあろうお方がッ!」
「ノ~ンノンノンッ!ユーは視野が狭いねッ!聖とか魔とかどうでもナッシングッ!ストロングな力が勝つッ!それだけデ~ス」
指をチッチと二竜はさせた。
「あなた方なら、黒殺魔竜もおなか一杯になるでshowッ!前回使ったときは、獲物が少なすぎて・・・」
と、二竜はサングラスをとった
「ミーも獲物になってしまいましたぁッ!」
ギャアアアアアッ!片目がないッ!全力スマイルで言われて、マジでびびった。
「さぁ、時間ですよ。ミーの煙草を媒体として、黒殺魔竜が、On Stage・・・」
ぐごおおおおおッ!
遠くに雄叫びというか、叫び声が響いた。
そして、し~んと時が流れた。
「ホワ~イッ!?魔竜が現れないッ!?!?!」
「どうしました?煙草の火が消えてますよ」
二竜のすぐ真後ろに信が立っていたッ!その剣は、口にくわえたしかも短くなった煙草を切り裂いて、火を消していたッ!
「ホワアアアアアアアアアアアアアアットッ!?」
二竜はマジでびびった。信は正面にいたはずだッ!いつの間に後ろにッ!
「なにをおどろいているんです?これがわたしの本気です」
「・・・いっつ・・・すぴーでぃー」
「すぴーでぃー?わたしは様子をうかがっていただけです。こんな爆弾一つで御聖院になれたとはとうてい信じられなかったのでね」
「ッ!?!」
「少しヒヤッとしましたが、最後にネタ晴らしをしてくれて助かりましたよ」
信がクールスマイルだッ!しかし、二竜には南極がごとき寒さを味わったことだろうッ!
「・・・うッ、ウェイトッ!?・・・うぎゃあああああああああああッ!」
信の無慈悲な斬撃で、二竜はまっぴたつに散った
「あなたも聞いていたはずでしょう?今度、邪魔をする者は容赦なく斬ると」
「やりましたッ!信さんが二竜を倒しましたよッ!」
「ちッ!気の利かねぇやろうだぜ」
と、竜牙は気に入らないようだった。殺る気満々ッ!ヤベェッ!
「に、二竜さまがやられたぞッ!」
「か、勝てっこねぇッ!」
戦士たちは、長が殺られたことで、超びびって逃げ出した。
「なんとかなりましたね」
信は剣をおさめて、優雅な歩みだッ!
「どうしますか?」
「フン・・・逃げ出したザコなんざ、ますます興味が失せるぜ」
「待ち合わせ場所へ向かいましょう。母上たちの身も心配です」
「そうですね」
竜牙たちは、のんびり山を歩き出した。
「なんだッ!?あいつは、化け物だったぞッ!」
「本当に人間なのかッ!?」
「つまり、あれが本物の御聖い・・・うぎゃあああああああああああッ!」
逃げながら話していた戦士の一人の頭がとつぜんふっとんだッ!
「な・・・なに、うぎゃあああああああああああッ!」
と、おどろく間もなく話し相手も殺されたッ!無数にあがる血しぶきッ!ほどばしる邪臭ッ!!!!
屍の上にむさぼるは、あの変態だったッ!
「ひぃぃぃッ!逃げろッ!」
「本物の化け物だあああああああッ!
残された兵士たちはさらに全力ダッシュだ。
「ゲヒャアッ!足りない・・・まだ血が足りないッ!・・・ここの血けっこううまいッ!・・・足りないッ!・・・足りないいいいいいいッ!」
変態は頭を口にくわえると、飛んだ。
―――お残しはしないッ!それが彼の主義だッ!




