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第九十三天 聖々激突ッ!熱き爆炎ッ!狙われた女達ッ!

「でやああああああああああああッ!」

 集団の中の坊主の一人が、顔を真っ赤に刀をふりかぶったッ!

 竜牙に襲い掛かるとはいい度胸である。しかし、竜牙はまるで動かずにいたッ!

 刀は振り下ろされるッ!まだ動かないッ!ああッ!もうよけられないッ!

 だがしかしッ!

「うぎゃあああああああああああッ!」


「なッ?!」

 びっくりな声をあげてしまったのは、朝霧だったッ!

 坊主の刀は、あと1ミリで竜牙の体にふれようというところだったが、竜牙が先に斬っていたッ!

 朝霧の目をもってしても、斬る動作がまったく見えず、ただ刀を下した竜牙の姿が一瞬先にはあったッ!!!わけがわからないッ!

 そして次の刹那に、朝霧はもっとおどろいたッ!

 なんとッ!血が出ていないッ!

 これで朝霧はハッとした。刀の速度が速すぎるために、肉体との摩擦に高熱が生じて、焼き切れるような状態になったため、血がでなかったのだとッ!!!しかもそれどころではない。そんな斬撃で坊主の袈裟、右腕の付け根、左手の指三本を切断していたのであるッ!恐るべき超速斬りッ!

 竜牙の背中からは、白い湯気のようなものがあふれていた。そして、ナチュラルに聖なるパワーが爆発していた。


―――これが、竜牙の怒りの本気モード・・・


 坊主の握っていた刀がくるくると宙を舞っていた。その落ちてきたのを竜牙は手に取り、二刀にかまえてみた。

「フン・・・懐かしいぜ」

 ニヤリと笑って、満足した。かと思うと、今度は刀を逆手に持ち、屋根の上へ投げたッ!狙うわ、あのチャラ男ッ!

 刀はまっすぐとんでいったが、目の前で爆発したッ!

「ひゅ~・・・」

 と、男はほっと息をついた。竜牙は親指を立てて下にむけていた。しかも、キラーズスマイルだッ!

「・・・あいつ、やべぇくね?」

「なにを見とれているんですッ!」

 いつの間に信も男の背後にいたッ!しかし、男は回し蹴りをぶちこんできたッ!信は攻撃のところを、超反応で防御したッ!

 だがしかしッ!信のセンサーはエマージェンシーを告げているッ!

 さっと目を走らせれば、受け止めた刀と蹴り上げた足の間に黒い小さな玉3つッ!ヤベェッ!

 そっこうでとびのく、パパパンッと玉は弾けたッ!爆弾球だッ!


「O~h!ナイスリアクシュンッ!さ~すがは、一英を倒しただけのことはありますね~ッ?」

 男の手にはもう爆弾球が点火されているッ!

 男が爆弾を投げるッ!剛速球だッ!信は踏み込んで、その小型の球を華麗に切り落としたッ!しかし、目の前で爆発して、耳がキーンとしたッ!

「ちッ!」


―――危なかったッ!踏み込んでいなければ、爆発にやられていたッ!


「か~ッ!惜しいッ!もういっちょッ!」

 と、男は立て続けに投げるッ!

「同じ手は食いませんよッ!」

 信はかまわずつっこんで、ひゅひゅんと避けて、さらに男へと迫ったッ!爆弾球ははるか後ろで爆発したッ!導火式である。爆発する前に駆け抜けてしまえば問題なしッ!

 信の超推理はこの一瞬で答えを導きだしていたッ!しかし、爆発までの時間と距離を正確に計算できるこの男・・・かなりかなりの天才ッ!


「Good!アッタマうぃ~ッ!」

 男は屋根から飛んだ。

「逃げるかッ!」

 信は追撃にかかろうとしたッ!が、屋根瓦を突き破るように、金棒が突き出してきたッ!

「貴様のクビもらいうける~ッ!!!」

 と、勇んで出てきたのは、どこかの馬の骨だッ!

 信はハッとクールを取り戻した。耳をやられていたのもあって、ムキに深追いしすぎていたようだ

「邪魔です」

 信が刃を走らすと、ザコ共はピピピっと千切りにされたッ!だがしかしッ!彼らの隙間から、大きな丸が光っている。クールな信は冷静で見逃さないッ!


―――ムーンじゃないッ!


 信はわざと屋根を転がり落ちたッ!


 大・爆・発ッ!


「ひゅ~ッ!いい動きするねぃ」

 落ちてきた信を男は待っていた。感心したようだッ!

 だがしかしッ!信は厳しい顔だッ!

「あなた、仲間ごと殺ろうとしましたね・・・」

「ホワットッ!?仲間?ノンノンノンッ!あんなの仲間じゃないYOッ!どちらかと言えば、褒美を取り合うライバルさぁ~ッ!まぁ、あんなザコ、このパーティーにいる資格もないけどねぃッ!」

 男は指をチッチッチと口前でさせた。そして、懐から煙草を取り出すとくわえて、火をつけた。

「ミーは御聖院が一人、二竜・・・。ユーを殺す冷酷なるボマーさッ!」




―――そのころ、明江たちは山深い岩場の道を樹美に引かれて、走っていた。

「ハァ・・・ハァ・・・なんなのここ。いったいどこへ行くのよ」

「秘密の通路です。ここなら、敵の目につきません。このまま回り道をして山を下ります」

「わたし・・・疲れた・・・もうダメッ!」

 明江はめちゃくちゃハァハァしていた。なんといっても、並の女の子なのであるッ!

 倒れそうになる明江を、やわらかな感触がつつんだ。抱き留めたのは信の母上、トミ子だったッ!

「明江ちゃん。もうちょっとよ、頑張りましょ」

 と、同じく息を弾ませながら言うスマイルは、天使だったッ!

 だがしかしッ!


 どごおおおおおおおんッ!


 爆音とともに、岩場が崩れたッ!

「わぁッ!!!!!」

 と、うろたえる女たち。ラッキーなことにケガはなかったが、トミ子の服の裾が岩にはさまれてしまった。

「トミ子さんッ!大丈夫ッ!?」

 明江は駆けよった。


「ガッハッハッハッ!仲間を見捨てて逃げれば良いものを、愚かな女よッ!」

 すごい巨体が空から続けてふってきて、岩とはさむようにたったッ!

「ちぃッ!」

 樹美はくるしい顔をした。ここは岩場の狭い通路、完全に逃げ場を取られたッ!

 巨大な男は髪も髭もボーボーで臭い


「どこの奴らも手柄をあげたくて、あの小童に血眼のようだが、地道で謙虚なこの馬高(バコウ)様は、女たちを取るのだッ!ガッハッハッハッ!さぁ、おとなしく三人まとめておっぱいされるが良いッ!」

「黙れッ!この変態ッ!」

「うぬぬッ?!」

 馬高はどしんどしんとゆっくり振り返った。

 樹美が木の短刀をかまえて、キッとにらんでいた。

「おぉ・・・。なんと初々しい小娘よ。たまらんッ!たまらんなぁッ!そのはむかう感じッ!そそられるぞッ!おまえから、おっぱいしてやろうッ!ガッハッハッハッ!」

「やれるもんなら、やってみなさいッ!」

 木の短刀に力が入った

「ガッハッハッハッ!我が、無双裂浄棍、娘のか弱き体に受け切れるかなッ!フォ~ッ!」


 馬高はその巨体にふさわしい恐ろしく巨大な棍棒を持ち上げたッ!!!

 それを頭上でふるうだけで、恐ろしい突風が吹いた。

 しかし、そこは根永寺の一人ッ!一たび戦いとなれば、物怖じはしないッ!

 すぅっと樹美は地面に溶け込むかのような接近だった。そして、あっさりと馬高の足元まで来ると、泣き所へ向けて、木刀を振り回したッ!

「おおっとッ!なかなかすばしこいのッ!」

 っと、馬高は巨大な棍棒で受け止めたッ!それは目の前で見ると本当に大きくて、樹美の木刀の二回りほども太かった。こんなので殴られたら、まず死ぬ


 それでも、物怖じしないッ!斬る斬る!とにかく斬りつけるッ!

「おッ!とッ!いよッ!ぬッ!」

 馬高は押された。背の高い者にとって、足元の攻撃は非常に受けにくいのだッ!

 まあ、馬高に比べたら、樹美ははるかにパワーがないし弱かった。それこそパンピーレベルだ。だから、遊んでるようなものだった。結末の絶望をおそれて、けなげに戦いを挑んでくる娘っこのかわいらしさを味わっているのだッ!とんでもない変態だッ!

 だがしかしッ!樹美は弱さも認め、その変態すらも含めて、こうなることを狙っていたッ!


―――這根(シャコン)・根くびきッ!


 出たッ!あの金若の足をひっかけ、信を勝利に導いた技ッ!

 女に夢中な馬高は、背後に突如盛り上がった根っこに気づかないッ!

「おッ!なんで、こんなところに根っこがッ!おッ!おぅッ!おおおおおおッ!」

 ものすごい音をたてて、その巨体が倒れたッ!

 チャンスだッ!


 樹美は飛び上がって、短刀をふりあげたッ!その木は根永寺の技によって、長くのびたッ!凶悪な木刀は、馬高の額にふりおろされたッ!

 だがしかしッ!その木刀はすんでのところで、棍棒に止められてしまったッ!

「・・・ぬぅッ!小娘と思って黙っていれば、調子にのりおってッ!」

 馬高は、鬼の顔だッ!めちゃ怒ってるッ!そのすごいふとい腕で、上にのった樹美をはねのけた。

「ぎゃんッ!」

 めっちゃふっとんで、樹美は背中をうちつけた。

「許さんッ!許さんぞッ!小娘ッ!棍棒治療をほどこしてやるぞッ!!!!!」


 馬高は、コオオオオと息をして、棍棒を円に描きふりあげた。そのゆるやかな動きはなめらかで、不気味だ

「くらえぃッ!裂浄断棍撃ッ!!!」

 棍棒が大地にうちつけられたッ!すさまじい波動がマジでヤバい地割れをおこし、樹美にせまったッ!

 樹美は近くの樹木の根を広げ、防御しようとした。だがしかしッ!

「きゃぁッ!」

 樹木ごとふっとばされたッ!

「どうだッ!裂浄断棍撃のこの破壊力ッ!」

 樹美は荒れ果てた大地に薄汚れた姿で倒れていた。なんとか、ぐぐっと力をこめて起き上がったが、体が痛い

「ホゥ・・・馬高様の裂浄断棍撃を受けて、まだ立ち上がれるとはな」

「たいしたことないわね」

 樹美ははなで笑ってよゆうの顔をしてみせた。しかし、実際はかなり無理してるッ!

 それは、馬高にもわかっていた

「たいしたことないッ!言ってくれるわッ!ならば、もう一度受けてみるがいいわッ!コオオオオ」

 来たッ!ゆるやかな動きだ。そして、棍棒は振り上げられる。打つ手はない。樹美は素早く動けないし、マジ終わった

 馬高の向こうに光が見える・・・。あれはあの世のお迎えかしら。

 と、樹美はなんとなく見つめていて、気づいたッ!いや、おどろきのあまりに、声が出ちゃった。まさかのまさかでそんな話は聞いていなかったからだ

「あ・・・」

「ぬッ?!」

 そのまのぬけた感じの声に、馬高も思わず棍棒を振り上げたまま、ふりかえった。


 目の前にいたのは、スーパースナイパー明江だったッ!


「このままおっぱいされてたまるかッ!」

「た、ただのおっぱいじゃねぇだとぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」

 と、馬高が絶望した時にはもう遅いッ!

 桜芽・桜一葉のするどい一撃は、馬高の膝を貫いたッ!信直伝の攻撃技だけあって、威力がハンパないッ!

 あっさり馬高は倒れ込んだ。そしてッ!頭上に溜められた、裂浄断棍撃のパワーが暴走し、その場で大爆発を起こしたッ!

「ぐぎゃああああああああッ!」


 あとにはボロッカスになった馬高が気絶していた。

「やっつけたの?」

 明江が恐る恐る近づいた。樹美はそれよりも早く近づいて、

「気絶してます」

 と言ってから、腰から鋭い短刀を出し、首筋をついた。

「うぎゃあああああああああああッ!」

 ぷしゃっと血しぶきがあがった。

「ちょっと!」

「仕方ありません。仲間を呼ばれても困りますから。さぁ、急ぎましょう」

 樹美は、よろけながらも走り出した。

 明江が見たその瞳には、冷徹な精霊が宿っているようだった。

 樹美のような娘までがそんな瞳をしたことに、明江はショックだった。


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