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第八十六天 信激怒ッ!否定された父の生き様ッ!

「大聖天様、ちょっと」

 畳で横になっている竜牙を、信は呼び出した。


 白桜寺の大樹は、大きな日陰を作って涼しかった

「なんだ?決闘でもやろうってのか?」

 と、竜牙は庭につれだされて、信の背中に声をかけた。

「やはり許せません・・・」

「あん?」

「父上は・・・わたしが言うのもあれですが、わたしから見ても才能はありませんでした。しかし、それゆえに人一倍努力し、清くある事に努め、白桜寺の誰よりも敬虔なる人間であったと思います。そんな父をわたしは心から尊敬しています。もちろん、我々白桜寺の者にとって、自殺はなにがあろうと許されない行為。我々の名誉を地に貶める行為に他なりません。みっともないことですが、わたしを育て上げることが父上にとっての終着点であったのでしょう。しかし、それでもわたしは父上を尊敬しています。そんな父上を・・・育ててくれた父上をッ!馬鹿呼ばわりした、アイツは許せませんッ!」

 信は感情がたかぶった。クールなフェイスの内に頬が赤くなっていたッ!!

「明江のことか」

「はい。大聖天様は、どうしてあのような者と行動を共にするのですかッ!!!あの俗物になにがあるっていうんですかッ!!!」

 信はふりかえって、つめよった。しかし、竜牙はよゆうである。人間戦士の悔しさごときで、びびる大聖天ではないのだッ!


 むしろ、竜牙ははなで笑って見せた

「ハッ!何の話かと思えば・・・。てめぇの戦いは、てめぇのプライドのためにあるのか?」

「ぷ、プライド?」

「てめぇの言ってることすべてが、俺に取っちゃどうでもいいぜ。魔は斬るッ!聖天の俺にあるのは、それだけだ。周りにぐだぐだ言われたくらいで音をあげるなら、こんな道やめちまえよ」

「ぐッ・・・」

 信はたとえ竜牙に言われたとはいえ、怒りで殴り掛かりそうになったが、ギリ我慢した

 聖天の道はきびしく、ハンパなハートじゃ乗り切れないッ!

 竜牙の背は小さい。しかし、背負うものはとんでもなく大きく重いものに信は見えた。

 未熟者である信には、それをただただ見送るしかできなかった




 信は、父のいた滝に打たれたい気持ちだったが、まだ葬式は続いているので、自室で座禅をした

 刹那ッ!!!

 ひゅっと、障子をやぶってなにかがとんできて、ぱしぃっと受け取ったッ!!!矢文だッ!

 信くらいのレベルになると、障子は穴が開いても、柱に刺さる前にキャッチできる。費用が障子だけで済む


 丑の刻、北山にこられたし


 御聖院からの招待状だったッ!!!

 招待と言っても、ダンスパーティーを開こうと言うのではない。これは果たし状だッ!

 御聖院はこの都を守護する最強の戦闘部隊ッ!

 そのメンバーは五人で成り立ち、増えることも減ることもない。

 減ることもないというのは、そこは最強ッ!メンバーが強すぎて不敗なのだッ!

 御聖院へ入るには五人のうちの一人と戦い、生き残ることであるッ!

 白桜寺の者が昔いつ挑戦したのかは知らない。もしくは一度もないのかもしれない。

 挑戦は各寺200年に一回ッ!だから、言い伝えの内にいつしかおとぎ話のようにさえ思っていたが・・・


 本当に果たし状がきやがったッ!!!


「ついに来たか・・・御聖院ッ!」

 信は文をぎゅっとにぎりしめた


―――二世紀に一度の貴重な一戦が、今ッ!始まるッ!!


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