第八十四天 残された紙片ッ!明かされる父の真実ッ!
「そういうものは、まずわたしに見せるものでしょう」
信は不満をそこに沈めた感じにおだやかだった。
「ごめんなさい。忙しそうでしたし、お手間を取らせたくなかったものですから」
樹美はすごく悪そうに頭を下げてがっかりだ。だが、同情の余地はないッ!!!
信は四つ折りの紙を開いてみた。すんなり当たり前に開いた。
この紙は息子である信にしか開けぬように、聖なる結界が張られていたのだ
信は内容にさらさらと目を通すと、
「くぅッ!!!」
と、すごく悔しそうな顔をした
「なにが書いてあったんです?」
朝霧が興味しんしんッ!
「・・・いえ、とにかくはっきりしたことは、父の遺書に間違いないのでしょう」
「やっぱり自殺だったってこと?」
明江も立ち上がって、のりだした
「フン・・・玉露を持ってきな」
畳にどっかんと座り込んで、竜牙は静かな威厳ッ!
「あッ!はいッ!ただいまッ!」
「それで、自殺の理由は書かれていたのですか?」
朝霧たちもどっかんと続いて、とりあえず立ち話から逃れて一息
信は紙面をじっと何度も目を走らせながら、現実を受け入れようとしていた。きびしい現実は、津波のように息子の心に押し寄せるッ!それでも信はまじめにクールに
「己に才能がまったくないことをすごく悔いていたようです。それがみじめでつらく、たえがたい苦痛であったと」
「・・・それで?」
「それだけです」
「フン・・・あの聖賢なるてめぇの父親も、内なる魔に勝てなかったというわけか」
「わたしは父の才に目をつぶっていたばかりでなく、苦しみにまでそむけていたらしい。それが悔しい」
信の手がわなわなッ!
「え?なになに?どういうこと?」
「ようするに、聖天の才がないのがつらくて、自ら命を絶たれたってことですよ。明江さん」
朝霧のナイスサポート
「才能がないから?そんなことで死んだの?馬鹿じゃない?」
明江の頭の悪さに、一同、心臓が止まるかと思ったッ!
「ばッ・・・馬鹿。ぐんぶぬんりゅるるるッ!」
信は烈火の怒りがさく裂しそうになったが、それも一理あるような、また教義に自殺は悪だもんで、何とも言えないカオスな顔だった
「明江さんッ!それは違います」
「なんで?ほかの道だってあったじゃないッ!たかが聖天?だかの才能がなかったから、死ぬなんて馬鹿よッ!どうしてそんなことで死ななくちゃならないのよッ!」
―――どうして死ななくちゃならないのよッ!!!
竜牙はハッと目を見開いたッ!思い出が大復活して、ほほ笑みがこぼれた
人は生まれながらにして、自由・・・
「ハッ!まあ・・・一理ある」
「でしょッ!?」
「竜牙ッ!」
朝霧は不満たっぷり!
「たかが才能ないくらいで死ぬなんて、マジで馬鹿らしいと思うぜ。俺もな。ただ、オトナの事情ってもんがあるんだろ?」
竜牙は生まれつきの聖天にして、俗世とは無縁であるッ!それはすごく馬鹿らしく感じた。
信の父親の人生は、すべてオトナの事情の内にあったのだろうか。その小さな鳥かごの中で、腱の切れた羽をばたつかせて、あがいていたのだろうか。
「まあ、他の道を歩むものもあれば、しつこくあきらめずにその道を歩む者もいる。てめぇの親父があきらめたのか、なんなんなのか知らねぇが、てめぇの好き勝手に自殺したんなら、いいんじゃねぇか?どう生きようが、そいつの自由だ。ハハハ!」
竜牙はマジでKYだった。まあ、竜牙の心は思い出の内にあった。
しかし、信の父親はマジで鳥かごから解放されたのかもしれなかった。
息子、信の目覚ましき成長によってッ!!!




