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第八十三天 静かなる葬儀ッ!閉ざされた謎の紙切れッ!!!

「数日ぶりなのに、なんか懐かしい~ッ!」

 見覚えのあるビル群を前に明江が体を伸ばした。

「あちらに迎えが来てますね」

 と、樹美が車を用意していてくれた。

 竜牙たちは皆、マジ顔で、車へ歩いていった。明江もあわてて追いかけた。


「出して」

 樹美が言うと、運転手は黙って車を走らせた。車は根永寺のものらしい。

 マス目の市街地をカクカクと走った。

「皆さん、こんなところまで来ていただいて、改めてお礼申し上げます」

 樹美が言った。そういうことは、ぶっちゃけ信が言うべきなのだろうが、車まで手配されてしまってはなんだか他人の家の葬儀にすら思えてきた。

「いえいえ、わたしはいつだって暇ですから」

 朝霧は竜牙を見た

「フン・・・気にするな、嫌ならこねぇよ」

「それにしても、樹美さんはこの車といい、手際がいいですね」

「いえ・・・」

 樹美は照れた。朝霧がイケメン過ぎて、スマイルがヤバい

「ああ、そうそう!信さん!喪服を用意しておきましたッ!ここで着・・・あ」

 樹美は明江を見て、かたまった。レイディーがいては着替えられないッ!

「あっちでいいですよ」

 信はマジ顔で言った。


 白桜寺の正門は人であふれかえっていた。

 裏門に車を寄せて、

「では、わたしはちょっと行ってきます」

 と、信は喪服をもって駆け出して行った。樹美もついていった。世話好きである

「フン・・・人間ってのはいちいち面倒くせぇな」

「葬式、出ますか?」

「ながめるだけな」

「明江さんは?」

「えっと・・・」

 明江は混乱した。出たいには出たいが、喪服を持っていない

 刹那ッ!

「あ、いたいたッ!」

 おばさんが走ってきたッ!この人には見覚えがあるッ!そう、信の母上、トミ子だった

「こっちこっち」

 と、明江の肩をよせて、つれてこうとする

「誰ッ?誰ッ?」

「明江さんでしょう?わたしは覚えておりますよッ!喪服、用意しておりますから」

「は、はぁ・・・」

 明江は連行された

 竜牙と朝霧は取り残された

「わたしたちは、いいんですかね?」

「ハッ!人間じゃねぇから、いいんだろ?」


 葬儀の間延びした感じは、いつまでも続いた。面白かったのは明江が正座でつらそうにしていて、焼香のときに仏壇につっこみそうになったことくらいだ。不謹慎だけれども、笑ってしまう。

 竜牙は大笑いした。会場からにらまれて、竜牙は睨みかえした。ヤバい殺気に皆だまった。

 焼香に来る者はまったくいなくならないッ!


「長旅だったんでしょう?少しお休みになったら?」

 トミ子が言った。

「では、お言葉に甘えて」

 と、信は奥に引っ込んだ

「おかえり」

 奥の間には、明江がいた。あぐらをかいて、しびれた脛を休めていた

「他のみなさんは?」

「ん~、どこかにいるんじゃないの?」

「最後に見たのは、あの時ですか」

 信はわらった

「そうッ!失礼しちゃうわよねッ!」

 思い出して、明江は頬をふくらませた。

 信は、喪服を少しゆるめて、ふぅっと息をついた。明江は後ろへ倒れ込んで、畳の上でのびをした

「あ~!長かったぁ~ッ!」

「そうですか?こちらはあっという間でしたよ」


「フン・・・やる側と、やられる側じゃあ時間の流れが違うみてぇだな」

 と言いながら、障子を開けたのは竜牙だった

「あッ!これは大聖天様ッ!」

 信は襟元をただして、竜牙にむきなおってまじめくさった

 朝霧と樹美も連れ立っていた。

「どちらに?」

「ええ、ちょっと樹美さんに頼まれましてね。ですが・・・」

 と、朝霧の顔は少し困って微妙だ。まるで朝霧ッ!

 樹美の手には、四つ折りにされた一枚の紙切れがあった。

「この紙、遺品から出てきた者なのですけど、なぜか開けないんです」


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