第七十六天 よみがえる影取ッ!見破れッ!不死の秘密ッ!
「あなたは、たしかにわたしが殺したはずッ!」
「ぐふふ。言っただろう。俺は地獄から嫌われているとなッ!」
影取はスっと短刀をかまえた。
「まあ、何度よみがえろうと斬るだけですよ」
朝霧はクールに言ったかと思うと、姿がふっと消えたッ!
同時に影取も姿が消えたッ!
がぎぃぃぃぃんッ!
鉄材を落としたようなすさまじい音が鐘のようで、斬輝がすさまじいスパークだッ!
「なにッ!」
朝霧はびっくりしたッ!
自分とまったく同じ姿勢で、影取も斬ってきてるッ!
―――これは、まぎれもなくクレセントサイドストラッシュッ!!!
ぶつかった威力がでかすぎて、影取も朝霧もふっとんだ。
くるりんとバランスを立て直して、向かい合ったッ!
「バカな・・・クレセントサイドストラッシュですってッ!?」
「ぐふふ。俺は二日の修行により、貴様の技をマスターしたのだッ!」
いや・・・ありえないッ!
朝霧は一度クールダウンして、奴の屈強な体を見た時に、発覚したッ!
「あなた・・・一条ですね」
「ゲッ!なぜわかったッ!!!」
影取はめっちゃビビった。影取の三条っぷりは完璧だったはずッ!
「体格ですよ。前に会ったのは少しやせていた。はげしい修行で痩せたのだと思っていましたが、どうやら、あれが二条だったみたいですね。そして一条、あなたは少し体格がいい」
「ななななななッ!!?!!?!?!」
「どういう原理かは、想像にお任せしますが、あなたは互いに経験だとか意識を共有できるんでしょうね」
「ぐ・・・ぐふふ・・・ぐふふふふふッ!よくぞ見破ったッ!この俺の正体を見破った男は、朝霧、おまえが初めてだぞッ!だが、正体がわかったからと言って、なにも変わりはしないぞッ!」
「フフフ。わたしは斬るだけですよ」
朝霧の姿がふたたび消えたぁッ!今度はクレセントバックスラッシュッ!!!朝霧の代名詞ッ!
影取も消えたッ!
しゅんしゅんしゅしゅんと、お互いが背後を取り合って、回り会うデスレースッ!
だがしかし、そのデスレースは、影取の方が優勢だったッ!
「ぐふふ・・・この俺は三条や二条のようにはいかんぞッ!」
朝霧の背中に影取は近づきつつあったッ!
その刹那ッ!
天井が突如崩れたッ!蛾魔羅が飛び立ったあの瞬間であるッ!!!
がれきの雨がふりそそいで、二人は高速の輪から抜け出したッ!
朝霧は肩で息をしていた
「はぁ・・・はぁ・・・まるで追いつけないッ!」
「命拾いしたな。だが次はないぞ。ぐふふ」
影取のクレセントバックスラッシュの方が速いッ!ヤバいぞッ!朝霧ッ!
だがしかぁしッ!朝霧はぴぴんときて、よゆうの笑みがこぼれたッ!竜牙っぽいファイターの笑いだッ!
「色のないあなたには負けませんよ。決してね・・・フフフ」
「ほざけッ!スピードに劣る貴様に勝ち目などないッ!死ねィっ!」
しゅんっと影取の姿が消えた。クレセントバックスラッシュだッ!
しかし、朝霧は動かないッ!
「ぐふふ。おとなしく死を受け入れたかッ!それもまた、潔しッ!」
影取は回り込んで、朝霧の背中に切りかかった。
「ぐあああッ!」
影取の悲鳴があがったッ!
「な・・・ぜ・・・おまえが後ろに」
影取はおどろいたッ!背後を取ったつもりが、背後を取られていたのだッ!わけがわからないッ!
「あなたが攻撃したのはわたしの残像ですよ。アフタムーンステップッ!」
―――アフタムーンステップッ!西山王が朝霧に教えた三つめの技であるッ!
相手がクレセントバックスラッシュを仕掛けてきた場合、背後を取られる寸前に後ろへ下がることによって、背後を取る、カウンター技だッ!クレセントバックスラッシュは高速で移動するがゆえによく周りが見えないッ!その弱点をついた裏技であるッ!
前の月を思ひつつ、静かなる月夜の歩み、それすなわち後月歩
師の教えに背いた者を殺す、同門殺しの技だったッ!
「アフタムーンステップ・・・まだ・・・そんな技が・・・」
「あなたはわたしより強かった。はじめから、あなたはあなたの技で戦えば良かった。他を真似するばかりで、色がなかった・・・だから、あなたは負けたんですよ」
朝霧は切り上げて、頭を真っ二つッ!
「うぎゃああああああああああッ!」
「Good Aftermoon~♪」




