第六十五天 結界決壊ッ!
大都会の真ん中に黒々としげる聖なる森・・・。
そのぐるぐると吸い込まれるような闇の中を、はるか上からなんとなく見下ろしてる男がいたッ!
「ウフフフ・・・ダークパワーがどんどん吸入されていくわッ!」
喜びまくってるのは、金若だったッ!
森の結界は神主の死によって、どんどん弱くなってた。都会の邪悪なパワーたちがこぞって、その森林を食い破ろうとしている。
この結界がなくなったとき、森は闇に侵され、狂った人間たちの手によって、コンクリートジャングルのフレンドである、。
「しかし、あやつは何者だったのだろう」
まじめな金若は、槍を持った魔のことが気にかかった。あの魔は金若の手下ではなかったッ!
奴は竜牙を狙っていた。だから、知り合いなら友達になろうかと思っていたが、どうしても思い出せないので、あきらめた。
「まあ、いい。これで結界が一つ壊れたのだからなッ!」
「ザコが楽しそうだな」
とつぜん、後ろから声がしたッ!
「なに奴ッ!?」
ばっと金若がふりかえった。
漆黒のライダースーツに、月夜に輝く銀髪。黒王だったッ!
「貴様が金若か」
「なぜ、わたしの名をッ!」
金若はびびったッ!あった覚えはないッ!女ッ!?さては昔の女がイメチェンして現れたのかッ!と、思いめぐらせた
「北の海の使者というから、どんなものかと思えば・・・フッ、ひ弱な魔よの」
「わたしをバカにすると、後悔しますよ」
金若がすごんだ。
凶悪な邪臭が吹きだす。しかし、黒王はよゆう
無言のにらめっこが数秒つづいたが、金若から口をひらいた。
「・・・このわたしに、何のごようですか?」
すごんだかと思えば、今度はえらくおとなしい。
金若は額から汗をかいていた。
にらみあった瞬間、黒王の突き刺さるようなダークパワーが体から這い出ようとしているのを見て、賢い彼は悟ったのだった。こいつには勝てないッ!こいつには許しをこえないッ!こいつには背を向けられないッ!いかなる行動も待っているのは死ッ!
―――絶望的な死ッ!
「貴様に用はない。北の海の王がどこにいるか。それを聞きに来ただけだ」
黒王はほほえみながら言った。
北の海の王、金盧・・・。魔の国の長であり、それは、金若の王でもある。
王の側近として、それをこたえるわけにはいかない。しかし、黒王から出てくる絶対的な絶望なる死は、金若の恐怖をどんぞこにおとしいれた。
「せ、せいかくな居場所はしらない。だが、今は玉座にいるはずだ」
金若は正直に言った。
「そうか。邪魔したな」
「待て・・・。あなた、なにをする気ですか!」
背をむけた黒王に金若は話しかけた。それがいけなかったッ!ふりかえった黒王はにらみつけていたッ!
「ひっ!」
金若は悲鳴をあげて、ケツをうった。じょばぁっともらした
「・・・なぁに、挨拶をするだけだ。世界をすべる新たな王が誕生したということをな」
「新たな・・・王?」
金若はぼうっとした。
この圧倒的な力に、迫力。そして、王たる風格・・・。いや、女王というべきなのだろうか。とにかく世界をすべるにふさわしい王に見えた。
「待て。それならば、これをやろう」
金若はにやけながら、ポケットから紙切れをだした。
黒王は動かないから、金若は紙切れをさしだした。
「これは、王宮の地図だ。受け取れ」
こいつなら、金盧を殺れるかもしれないッ!金若は金盧が嫌いなわけではなかったが、今のうちに強そうな方についておいたほうが、得だと思ったのだ。さすが賢いッ!
だがしかしッ!
「いらん」
と、黒王は笑ったまま、断った
「なにッ!?」
「小賢しい愚物めッ!我は世界をすべる王・・・。そのような小細工などいらぬわッ!ハっハッハ!」
黒王は天に向かって笑うと、歩き去って行った。
「くそ・・・めちゃくちゃな日だ」
金若は頭をかきむしった。
槍を持つ謎の魔。そして、恐ろしき邪臭を放つ女。金若はわけがわからなかった。




