第五十九天 それはギルティー
小鳥のちゅんちゅんで目がさめた。
カーテンを開ければ、無限に広がる森である。
明江はどこかの山小屋にいるような気がしたが、ここは大都会のど真ん中なのだと思い出して、それでも信じられないでいた。しかし、ゴゴゴゴゴと腹の底にひびくような音が、動かぬ証拠。
食事をする部屋に出ると、朝霧がモーニングティーをしていた。
「おはよ」
「おそようですよ・・・フフフ」
朝霧は紅茶をのんだ
時間はもう11時近かった。
「あれ?竜牙と信は?」
「神主のとこへいきました」
「ふ~ん」
「明江さん、朝食は?」
「わたし、あまり食べない主義」
「それはよくありませんね」
朝霧はわらった。涼しい森のガサガサする音と似ていた。
「おちゃはどうですか?」
「のむ」
朝霧は、お湯をきゅうすに注いだ。白い煙もまたファンタジー
ずずずずずっと明江はお茶をすすった
「ぷはぁ」
「渋いですか?」
「大丈夫~」
二人でずずずずずっと景色を眺めた。どこまでも森である
「それにしても、ここは暇ね」
「そうですか?森も見つめてみればなかなか楽しいですよ」
「え~、せっかく都会にきたんだから、ショッピングしたいなぁ。ちょっと出てみようかな」
「それはダメです」
「朝霧ついてきてよ」
「ダメですよ。竜牙に言われたんですよ?殺されます」
「そっか」
明江はぼんやりと天井を見つめながら、バタ足していた。
森は聖なる気にみちあふれていた
「そういえば朝霧はさ、天使なの?」
「あ~、天使・・・ね。どちらかと言えばそうなのかもしれません」
「じゃあじゃあ、誰かと誰かを結婚させたりとか、できちゃうの?!」
明江は目がキランキランだ
「いえいえ、そんなことできるわけがない。人の気持ちをあやつれるなら、どんなに楽なことか」
朝霧は遠い目をした。
「でも、大聖天様ならできるかもしれませんね」
「大聖天?」
「竜牙のことですよ」
「竜牙なら、できるの?」
「できてるでしょう?ほら、こうやって」
朝霧は、明江を自分を指さしてわらった。
わたしは・・・と明江は言いかけたが、なんだかモヤモヤ胸がスモークで、言葉にできなかった。
「・・・でも、朝霧も大・聖・天?みたいなもんなんでしょ?」
「いえ、わたしは中聖天です。竜牙の足元にもおよびでない。ひたすら魔を見つけては殺し、生き続けるだけです」
明江は外をながめた。やっぱり森
「ちょっと外に出てみようかな。森の中なからいいんでしょ?」
「ええ。付き合いますよ」
「監視みたいね」
「ええ、監視ですから」
朝霧は紅茶をおいて、にっこりした
神聖なる森をてきとうにぶらぶらした。
「朝霧は、魔?・・・の友達とかいないの?」
「とんでもないッ!そんな方がおられようものなら、それはギルティー。わたしは死刑ですよ。聖と魔は相容れぬ存在ッ!見つけたらすぐに滅する。それが聖天のおきてですッ!」
「じゃあじゃあ、仲間にそういうお友達のいる人がいたら?」
明江はくいつくようだ
「そんなことはありえませんッ!仮に万が一もしも、あろうことなら、それは完全なる裏切り者。もちろん、わたしが殺さなくてはならない運命でしょう」
朝霧はパワーを入れた
「ふ~ん。なんかこわい」
「大丈夫ですよ。わたしたちにはそんな裏切り者はいません」
朝霧はすずしくわらったが、ちょっと寒かった。
葉っぱの間から見える、空は灰色にくもってた




