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第二十七天 夜にまたお越しください

「フン・・・若僧の教育がなってねぇぞ」

「これはこれはもうしわけない。なんでもかんでも戦うようにしつけております。ここは戦場ッ!物騒ですからな」

「味方の見わけもつかねぇんじゃな・・・」

「フォフォ・・・手厳しいお言葉。まあ、ささどうぞどうぞ」


 土下座ロードを通って、小屋に入った。

 茶菓子が速攻出てきた。

「あの・・・どういうご関係なんです?」

 明江が聞いた。

「旧友じゃよ」

「ええッ?!」

「お久しぶりです。八雲さん」

 朝霧も親しげだ。

「ええッ!?朝霧も友達なのッ?」

「フフフ」

「調子はどうだい?」

「まあ・・・ぼちぼちですな。ところで今日はなんの御用で?」

「ああん?・・・まあ、諸国漫遊ってとこだ」

「フォフォ・・・それはなかなか楽しそうな旅ですな」

「てめぇもくるか?」

「いんや、そんな年じゃあ、もうござんせん」

「フフフ・・・時が経つのは速いものですね」

 お茶をずずぃとすすった。


 小屋の中は神棚がすさまじかった。神々しさにつつまれて、めちゃくちゃ白い。怨霊寺本坊を倒したときのようなすがすがしさがあたりに満ちている。

「ところで、いつお立ちですか?」

「ハッ!決めてねぇよ」

「それでしたら、ちょいとここいらで寄り道なんかはどうでしょう?」

 八雲はニヤリとした。その笑いは超不気味だった。

「こんな町に見どころがあんのか?ハハハ!」

 と竜牙はバカにした。

「ありますとも。とっても気に入られると思います」

「ホゥ・・・では拝見しよう」

 竜牙は立ち上がろうとしたが、

「お待ちください。今はまだお見せすることはできないのです。夜またおいでいただけないでしょうか?」

「いいぜッ!」


 挨拶もそこそこに小屋を出た。日はまだ高くて、夜まで退屈だった。

「んじゃちょっくら、挨拶にでもいくか。ヤベェんだろうからな」

 竜牙は歩き出した。


「お姉ちゃん、クジラ肉のフライ。うめぇッ!」

「はい、500円」

「明江さん。もう一度言います。親にお電話なされた方がよろしいですよ」

「ねぇ、それ私にもちょうだいッ!」


 道を歩いた。ひたすらに歩いた。畑が広大で、山が緑に濃かった。しかしッ、光が澄んでいるッ。その広大な大地のバトルフィールドに雲のシミがうっすらついてむらがあるッ美しいッ!美しきバトルフィールドなのだッ

「まあキレイ・・・」

 と明江はぼそっと言いながら、いったいなにがヤバいんだろうと、ちょっと不安がよぎらんでもなかった。


 この町の聖域は松が好き勝手してた。家で周りはふさがれてるが、気づけば海が近い。

 北の海、魔がやってくるといわれているあの北の海なのだ。しかし、邪臭はまったくしないし、のどかそのものである

「ハァ・・・空気がすんで、松もきれいですね」

「うん」

 竜牙と信は前を歩いてた。

「明江さん、どうして信さんには冷たくするんです?」

 朝霧は笑いながらきりだした。

「だって、まじめくさって委員長みたいでむかつくんだもん」

「なるほど」

「わたし態度にでてる?」

「めっちゃ出てますよ。まあ、気持ちはわかりますよ。あいつかっこいいし、わたしもむかつきます」

「そうなんだ。えへへ」

「フフフ」

 砂利のじゃりじゃりとした音がきもちい

「でも、彼もあなたを心配していってくれてるんですよ。わたしも家には電話しておいた方が良いと思います。親が心配するでしょう」

「そうかな?」

「あれです。警察にでも言われたら、追われる身になりますよ」

「それは困るわね」

「親とのきずなは、見えているようで見えない太いきずながあるもんですよ」

 と朝霧は屋根のしたのぶっとい揚げパンみたいなのを見あげた。


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