第百八十三天 否定之神ッ!そして、受け継がれる神ッ!!!
「・・・なんだこれは?」
ふすまに手をかけたまま、世界王は黒王の異変にビックリしていた。しかも、その闇の波動は世界王自身が内に秘めたるパワーとなんとなく似ていて、世界王はなにか悪い予感がした。
―――こんな状況、見た事も聞いた事もないッ!!!
ブオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
闇の波動が柔らかなストリームとなって吹き荒れた。
だがしかし、魔特有である邪臭はそこにまったくなかった。純粋なるネガティブダークッ!
「すべて滅する・・・」
黒王はふらりと立ち上がり、顔をあげた。なんとッ!彼女の目には白目がなかったッ!いやッ!瞳から、闇のオーラが溢れて、漆黒の泉と化していた。その深淵は吸い込まれるように奥深く。もはや、人の手にも聖天の手にも負えないどうしようもない絶望の黒だったッ!!!
黒王もまた超聖天となるだけの才を持っていた。しかし、超聖天のそれとは正反対だったッ!
正反対と言うのならば、超魔人ッ!?と思うかも知れない。だがだが、それもまた違った。彼女は本当にすべてを捨て去ったのだ。もはや魔のような欲望も恨みもなかった。ただあるのは虚無の塊。彼女は世界を闇に包み込む野望そのものとなったのだッ!
―――否定の暴走に浸りし神・・・
異変に竜牙は振り返ろうとした、その刹那にはもう蹴りが竜牙の側頭部を跳ね飛ばしていたッ!体の動くままに竜牙は立て直す、そこへ突っ込んでくる黒王ッ!刃と刃が激突し、光と闇が激突し、白と黒のパワーが天へと打ちあがるッ!その相反するパワーの衝突は、辺りに地割れを生み、木々はなぎ倒され、雲はすべて吹き飛んだッ!!!
―――力は互角ッ!!!
だがしかしッ!!!なぜか、竜牙の方が吹き飛び、肉体がわずかばかり闇に侵されている。
否定の王が闇の螺旋を繰り出すッ!!!
竜牙も突きの構えから、白き閃光を放つッ!!!
先ほどよりも凄まじい衝突が起こるッ!!!!!今度は聖域も山も町もすっ飛んだッ!!!地球はえぐれ、巨大な穴ぼこに、海水がナイヤガラッ!
またしても、力は互角ッ!!!
だがしかしッ!!!互角のはずなのに、なぜか、竜牙の腕が黒き闇に焦がされているッ!そのパワーは今までのそれとは違うッ!竜牙の超聖天のパワーを以てしても消えない純粋なる存在否定の刃ッ!
世界王は冷や汗をかいていた。そして、そのかしこい頭はすでに理解していた。
「このままでは、竜牙は勝てぬ。この私が早く認めねば・・・しかし、仕損じれば世界は終わる」
世界王はビビっていたッ!しかし、力強くふすまをつかんだ。
「右京、左天。私のために死んでいただけますか?」
「「はい」」
彼らに迷いはない。世界王はふっと笑ってしまった。彼らの方がよっぽど世界王にふさわしい。
「二人でもう一つ、下界への扉を作ってください」
「「はい」」
右京と左天は理解した。それは長年の従者としての勘に他ならない。
竜牙の腕がだらりと落ちた。闇に侵され細胞が死滅したのだ。それだけじゃなくて、また闇はさらに腕へと貪欲に這い上がろうとしている。竜牙の聖なるパワーがそれをなんとか抑え込んではいるが、時間の問題であろう。
ただ時間の問題とはいっても、そんな死にざまをじっくり眺めるような心は、もはや黒王にはなかったッ!そうッ!彼女は否定の王なのだッ!
ダメ押しに、刃を眼前に構えたッ!!!
刃が日蝕のごとき模様へ変わるッ!どころかッ!闇のパワーが五神武に宿るパワーをはるかに上回りすぎて、刃が欠け始めているッ!!!超ド級だッ!
そして、その最大最強のブラックバーンブラストは、この地に解き放たれれば、この星すべてを食いつくし、宇宙の藻屑と化すだろうッ!
対して、竜牙もまた七色の希望の光が強く輝く、強大な光を五神武にまとわせていたッ!スレイブ・ザ・シャイニング・スターライトで迎え撃とうというのだ。
―――だがしかしッ!その必殺技もまた希望の光でありながら、もたらされる結果は破滅ッ!!
そして、破滅と破滅がぶつかるのであれば、黒王に分があるのは当然だったッ!!!
竜牙は無意識の内に相殺させようとしているのだろうッ!だが負けるッ!そして、地球も消滅するッ!
竜牙のすさまじい光によって、ハーン・クレールの影が濃くなる。そして、漆黒の炎が燃え上がるッ!!!それは爆発し、増殖を繰り返し始めたッ!
―――その刹那ッ!
「今だッ!開けてくださいッ!」
世界王が叫んだッ!右京と左天がふすまを開いたッ!世界王がふすまを開いて飛び出したッ!
右京と左天がふすまを生み出したのは、黒王の目の前ッ!破滅のブラックバーンブラストを異次元のこの部屋へと封じ込める作戦だったのだッ!!!
一方、世界王は竜牙の目の前だッ!背中のふすまを消しながら、世界王は手を伸ばすッ!竜牙もまた、スレイブ・ザ・シャイニング・スターライトを発射する寸前だったッ!
―――超聖天は、寿命と引き換えに凄まじい力を得る。そしてまた同時に創生の器を得る。創生の器とは、世界王となる資格。しかし、創生の力は己自身の力だけでは成しえない。みんなの力、世界の愛なのだ。世界王より受け継がれ、存在を肯定されなければならないッ!
「届ッ!!!!!我が創生の力ッ!!!!!!!!!」
止まらない光は、世界王を飲み込んだ。世界王はこなごなに吹き飛んだッ!
―――あらたな世界王となれ・・・竜牙
なんと、かろうじて人差し指の先が、竜牙の腕に届いていたッ!!!!!!
闇に焼けただれた腕はそっこうで回復したッ!放たれたスレイブ・ザ・シャイニング・スターライトは、消滅したッ!それは、世界を愛でる竜牙の心が成したのだったッ!
だがその刹那ッ!
空に黒い亀裂が走ったッ!!!
溢れだすダークパワーッ!
ブラックバーンブラストが次元の壁を越えて、侵食してきたッ!!!




